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仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判の感想＆レビュー

1. 内山昂輝

   2025年8月15日

   Season2の過激な流血表現に比べ、本作は全体的にSeason1寄りの表現となっており、個人的にはこの点がひとつの残念ポイントだ。ただ、その中でも過去2シーズンで描かれなかった人間がアマゾンを食べるためにアマゾンを養殖するというエグさが強く描かれ、暴力の生々しさが際立っている。こうした生々しさは高く評価できる。

   最後の2人の戦いも見応えがあった。水澤悠はみんなを守るために生きようとする一方で、守るべき対象を食べてしまった過去を背負い、アマゾンを根絶するためにアマゾンを生み出した守るべき人間を殺した鷹山仁と、お互いに越えるべき境界を越えようとする決意をぶつけ合う。自分のやるべきことを貫こうとする姿勢は刺さる。

   とはいえ全体的に重さが支配的で、展開の流れが冗長に感じられる点が最大の難点だ。2025年鑑賞156本目。

2. 千尋

   2025年8月8日

   主人公の二人には、もう少し丁寧に一線を越えてほしかった。アマゾンオメガは身近な人を喰らい、境界を越えるべきだと感じるし、アマゾンアルファは罪なき人の命を奪うことでしか一線を越えられないとも思う。結末はやや微妙だが、ラストシーンだけは最高に仮面ライダーっぽかった。

3. 山下和雄

   2025年8月5日

   痒いところに手が届かず、さらに新たな痒みが生まれるような作品でした。小林靖子御大に依頼するべきだったと感じます。実力よりも理解度の点で。

   特に気になったのは、黒崎さんが人間に銃を撃つシーンです。この他にも、解釈が異なる部分が多くありました。

4. ぐんまちゃん

   2025年8月3日

   ドラマ版が好きで恋人に勧めたので、映画は今回が初めての視聴だった。映画で話を締めるなら、悠と仁の結末を中心にしてほしかった。牧場の話も悪くはないが、本編が終わった後のスピンオフとして使われる方が良かったかもしれない。局長は最後に少し咎められていたが、会長や悠の母に特に何もなかったのには釈然としない思いがある。彼らが元凶なのに。仁が亡くなるシーンで転がっていったところは思わず笑ってしまった。七羽は出てきたものの、千翼については触れられず、少し気の毒に感じた。映画単体では楽しめたが、ドラマ版からの完結として考えると、少し物足りなさを感じた。

5. 海風

   2025年7月28日

   生まれてはじめて触れる特撮ヒーロー作品として観てみたが、予想外に良くできていてかなり刺さった。
   きっかけはYouTubeの東映映画チャンネルにある『4分でわかるあらすじ』動画。観る前に仮面ライダー図鑑の登場人物ページを開いておくと臨場感が増す、そんな準備で臨んだ。

   この作品の世界観はとても独特で新鮮だ。逃走シーンに時折挿入される謎の茶番が過剰なくらい派手で、演技のくささも含めて魅力の一部になっている。台詞や立ち振る舞いの一つ一つが格好良く、特撮らしい煙幕と光沢あるスーツからの粘液表現（ねばねばした流血）も見応え十分。変身後の外装を生身の一部として描くのかどうかも気になるポイントだ。アマゾンというセリフをどう使うのか、という問いにも引き込まれる。メインライダーの二人が色違いのデザインで並ぶのも新鮮で面白い。

   ストーリーは、これまでの積み重ねを感じさせる複雑さと、一貫したメッセージ性が印象的で、かなり好みだ。設定そのものは謎めいているが、それが世界観の深さを引き立てている。

   何より一番の魅力はキャラクターだ。黒崎さんは本当に魅力的で沼にはまる要素が満載。後ろの不真面目そうな眼鏡の存在感も強く、どのキャラも好きになれる。軽トラ団のお調子者には痛切な過去があり、鷹山さんの殺陣と生き様は圧倒的にかっこいい。ここまで揃ってくるとは想像していなかった。
   さらに軽トラの運転手の表情も素晴らしく、あの顔が無性に魅力的に感じられる。

   順番が前後しているのは十分承知だが、S1、S2もぜひ観たい。ライダー系がこんな方向性なら、毎週観たい作品になるはずだ。

6. 石田彰

   2025年7月9日

   三部作の最終章。物語に明確な区切りを感じさせない一方、結論づけられるタイプのテーマでもない。だから、これでよいと感じた。

7. 松尾智之

   2025年7月1日

   残る2体のアマゾンを巡る緊迫の展開。水澤悠（仮面ライダーアマゾンオメガ）はアマゾンを守る者、鷹山仁（仮面ライダーアマゾンアルファ）はアマゾンを喰らう者。彼を追う4C、悠を守る駆除班。そしてアマゾン牧場の存在が物語の背中に重くのしかかる。食われるために生きている、家畜の幸せとは何か。大筋の芯は分かるが、いま映画として見るには長さが難点で、約1時間ほど。新たな仮面ライダー、アマゾンネオアルファはこれまでの生物と機械の融合というデザイン路線から離れ、完全に機械的なフォルムで登場する。それが妙に強力に感じられる理由は、ニューオメガが相対的に弱いのか、ネオアルファの突出力なのか。ニューオメガソードの出番が少ない点は可哀想にも映る。続いて鷹山サンダーの存在感。

   クライマックスは悠と仁の最終決戦。仁は人を斬り、悠はアマゾンを喰らった。苦悶の末、2人の激突は続き、壮絶な戦いの末に悠が生き残って幕を閉じる。生き残ったアマゾンたちは自分たちの未来のために歩み始め、悠はおそらく彼らを守って生き続けるだろう。シリーズを2クールも積み重ねてきた物語が、完結編としては不完全燃焼に感じられる人も少なくない。2人の対決にもっと比重を置くべきだった、という意見には一理ある。展開上、アマゾン牧場の要素を入れた意図は理解できるが、戦闘中心の作品ではないにせよ、結末の決着があっさりと終わってしまうのは、やはり物足りない。

8. 96猫

   2025年6月18日

   シーズン2の最終話を踏まえると、結局「これが観たかった！」という期待には届かない展開だった。

9. うさみみ

   2025年5月23日

   – ストーリーを考えると、人を喰らうアマゾンと、アマゾンを喰らうアマゾン。結局それしか道が残らない、って感じだよね。
   – 物語のアイデアは、人を喰らうアマゾン、そしてアマゾンを喰らうアマゾン。それ以外に選択肢がないように思えてくる。
   – こんなストーリー案だと、人を喰らうアマゾンと、アマゾンを喰らうアマゾン。結局、これしか残らない気がする。
   – 物語を練ると、人を喰らうアマゾン、アマゾンを喰らうアマゾン。そう結論づけざるをえない、そんな気がする。
   – アイデアとしては、人を喰らうアマゾンと、アマゾンを喰らうアマゾン。結局、これ以外の道は残らない気がする。

10. ちうべい

    2025年5月10日

    まだ残る『アマゾン』は、ハルカとジンの二体だけだと思われていたが、新たなアマゾンが現れていた。ここではジンの血を用い、牧養アマゾンを育て、草食アマゾンを生み出して食料不足を補う目的で、それを食用アマゾンと呼んでいた。この草食アマゾンは人間に喰われるために育てられる存在だが、これはアマゾンに限らず、牛や豚といった食用家畜にも同じことが言える。家畜は皆、同じ存在だ。しかし生き物は皆、生きるために他の生物の命を奪って生きている。それは自然の摂理だ。だが人間だけは、自然の摂理に逆らっている。狩りを生業とする生活ではないからだ。本作の草食アマゾンは、食用として育てられる家畜の象徴のように思える。家畜という存在そのものが、自然の法則に逆らう原因だろう。とはいえ結局、人間は生きるために食べざるを得ない。毎日を生きるには、家畜をやめろとは言えない。作中の家畜がアマゾンだった、という事実もまた重い。悪いのは人間だが、私もその悪い人間の一人だ。贅沢にハンバーガーやステーキを口にしているその事実が、自然の法則を歪めている。分かってはいるが、それでも肉はおいしい。人間はアマゾンの肉を食べている。どうしてアマゾンは人間を食べてはいけないのかその問いは当然のものだ。アマゾンは架空の存在だが、贅沢を享受する身としては、アマゾンが人間を食べてもよいとは言えない。作中のアマゾンの意見は当然だ。人間が悪いし、私もその悪い人間の一人だ。