1952年2月20日に公開の映画「天井桟敷の人々」を今すぐ視聴できる動画配信サービス(VOD)を徹底紹介。この記事では「天井桟敷の人々」のあらすじやキャスト・声優、スタッフ、主題歌の情報はもちろん、実際に見た人の感想やレビューもまとめています。
天井桟敷の人々が視聴できる動画配信サービス
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天井桟敷の人々のあらすじ
1840年代のパリ。パントマイム役者のバティストは、ほとんど裸の姿で舞う女芸人ガランスに心を奪われる。(「第1部 犯罪大通り」)。芝居小屋フュナンピュールの座長の娘と結婚したバティストだったが、ガランスを忘れることができずにいた。(「第2部 白い男」)
天井桟敷の人々の詳細情報
「天井桟敷の人々」の制作会社や監督、キャスト、主題歌アーティストなどの作品に関する詳しい情報をまとめています。作品づくりに携わったスタッフや声優陣をチェックして、より深く物語の世界を楽しみましょう。
| 監督 | マルセル・カルネ |
|---|---|
| 脚本家 | ジャック・プレヴェール |
| 出演者 | アルレッティ ジャヌ・マルカン ジャン・カルメ ジャン=ルイ・バロー ピエール・ブラッスール マリア・カザレス マルセル・エラン ルイ・サルー |
| カテゴリー | 映画 |
| ジャンル | ドラマ |
| 制作国 | フランス |
| 公開日 | 1952年2月20日 |
| 上映時間 | 195分 |
天井桟敷の人々の楽曲
「天井桟敷の人々」の主題歌や挿入歌、サウンドトラックを紹介します。映像だけでなく音楽からも作品の世界を感じてみましょう。
- サウンドトラックLes enfants du paradis (Marcel Carné, Jacques Prévert et la musique) Various Artists
天井桟敷の人々を無料で見る方法は?
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感想・レビュー
十年ほど前に一度挑戦したものの画質が悪く、登場人物の顔の判別も難しくて話の理解もままならなかった。そのせいで強烈な場面以外は記憶の奥に霞んでいたが、終盤に皆の前で奥さんの不倫場面を見せつけられるような場面だけは、断片的に覚えていた。
今回は4K画質で視聴して、人物の識別に苦労することはなく、物語も思ったほど複雑には感じず最後まで追えた。
前半は純情な童貞青年が不良グループのダウナー系お姉さんに一目惚れという展開で、一応の興味を引く要素となっていた。「この女の素性・本性を知ったら、バチスト君はどうなってしまうんだろう」という緊張感はあったが、第一部の終盤ですでにその謎が描かれてしまい(その描写も機嫌の悪いオス化というベタであまり面白くない展開)、第二部は中途半端に記憶していた展開「このモントレー伯爵が最後に恥をかく」という筋と、家庭を持ちながらもガランスへ行こうとするバチストという設定が、想像していたほど魅力的・面白く見えなかった。
総じて後半は正直あまり楽しめなかった印象。
モントレー伯爵の上品な言葉遣いと裏腹な鼻につく欺瞞が、描写としてやや過度に露骨で、クライマックスへ向かうにつれてヘイトが増すセリフが増していく構成は、結局「ザマァ」よりも「かわいそう」という感情が勝ってしまった気がする。
妻子を忘れてしまうバチストのラストは笑いを誘う一幕だったが、宿の戸口で息子に対して待ってくれではなく「おんぶしてくれ」とでも言われそうになる方が笑えたかもしれない、という余韻が残る。
余談として、フランソワの前髪の6と9のような形を見て十年前には手塚治虫のハム・エッグを連想したが、改めて見返すとそれほどでもなかった、という個人的な感想もある。
レビュー2500本記念!
最初のレビュー「シユゴジラ」が2016年10月12日で、ちょうど9年が経過しました。こんなにも時間が経ったとは!
文芸坐や佳作座、大塚名画座といった映画館に通い詰めていた映画青年も、仕事や家庭に忙殺され、20年以上遠ざかっていました。しかし、再び映画オタクに返り咲かせてくれたのは、シニア料金とFilmarksのおかげです!
キリの良いレビュー本数には、思い出深い作品を選ぶと決めていました。
昨年他界した父が好きだったフランスやイタリアの映画。その中でも特にマルセル・カルネ監督の1945年の作品は父のお気に入りでした。
父が推奨した映画はどれも素晴らしいものでした。私が初めて観たのは成人になってからだったと思います。その時の圧倒感は今でも覚えています。「凄い映画だね、お父さん!」と感激しましたが、その後の会話は忘れてしまいました。ただ、「悪魔が夜来る」との関連があったかもしれません。
それ以来、観る機会がなかったので、2500本のメモリアルにこの作品を選びました。しかし、長編なので中断せずに集中して観たかったのです。(大型テレビも買ったし!)
再視聴作品は、初見時と異なる感想を抱くこともあります。「あれ?」と思う点も時々出てきますが、この傑作に関しては杞憂でした。超一流の作品はいつ見ても色あせず、圧倒されるばかりです。
1945年という制作背景も知ることができました。フランスはナチスの支配下にあり、表現が制限されていました。カルネ監督前作「悪魔が夜来る」では、ナチズムに屈しない恋人たちの物語が描かれています。
本作では直接的にはファシズムへの抵抗は描かれませんが、タイトル「天井桟敷の人々」が示すように、安価な席で舞台を楽しむ庶民の熱気や、ラストシーンのカーニバルの狂騒は、市民の力を強く訴えています。この作品が単なる恋愛物語に留まらないことを示しています。
厳しい時代背景やナチスによる圧力があっても、本作は犯罪通りのパリでの恋愛物語をあくまで淡々と描写しています。
人物配置や絡みの巧妙さは本当に見事です。ジャン=ルイ・バロー演じるバチストはパントマイム役者、ピエール・ブラッスール演じるフレデリックはシェークスピア劇を夢見る青年です。二人の恋愛観は対照的で、バチストは一途すぎて大切な瞬間を逃す一方、フレデリックは口説き文句が次々と出てくるタイプです。
ギャランスと、後にバチストを思い詰めるナタリーもそれぞれに興味深いキャラクターです。再視聴でナタリーの揺るがぬ強さが印象に残りました。
登場人物も魅力的で、詩人でありながら犯罪にも手を染めるラスネールや、社交界の名士モントレー伯爵などが描かれています。凡庸な作品なら単なる悪役となりそうなキャラクターも、ここでは深みがあります。
また、これらのキャラクターがギャランスを中心に展開されている点も興味深いです。
バチスタのパントマイムとフレデリックのオセロの対比や、深いセリフの数々も記録したいと思います。何度も観返したくなる、一生のベスト作品です。
演技が素晴らしくて衝撃を受けた。オールタイムベストに余裕でランクインする作品だ。
パントマイムは本当に美しい作品ですね。それに、騒がしい天井桟敷の人々の存在がとても魅力的です。実際に身近にいたら少し迷惑かもしれませんが、彼らを見ていると「この人たちは心から演劇を楽しんでいるんだな」と思い、寛容な気持ちになれます。たまに見返したくなる映画です。また、フランス特有のロマンチックなセリフも少し照れくさいけれど、嫌いではありません。
寺山修司の天井桟敷の雰囲気を勘違いして借りてみたが、実際には別物だった。舞台や劇場、お祭りの場では出自や立場なんて関係ない。演劇を観ることも、ディスコで踊り狂うことも、熱狂の中で自分を忘れたい瞬間も同じだ。ストーリーの細部がよく分からなくても気にしなくていい。結局、天井桟敷で観劇を体験したいのだ。
バティストは非常に美しく、初めての登場から目が釘付けになった。長時間の鑑賞機会を逃していたが、実際に観て本当に良かったと感じた。
第二幕におけるガランスのベールの輝きが印象的だった。
天井桟敷は、このロマンスを見守る特別な場所だろう。古典的な純愛の物語とも言えるが、二人の生き様には共感できない。
「愛し合う二人にはパリは狭すぎる」
「あなたは頭が熱いばかりで心は冷たい。冷たい風は私の体には良くない」
「夢も人生も変わらない。そうでなければ生きている意味がないよね」
「新しさこそ、古くから存在するものだ」
延々と続く会話とバティストのパントマイムを、ずっと見て聴いていたい。スリの疑いをかけられたガランスの無実を証明するシーンは見事だったし、舞台上で花束を渡す瞬間、鏡の中の自分に描いたバツ印を指している彼の姿も息を呑むほど魅力的だった。
「犯罪大通り」や「白い男」の中で、物語が進むにつれて登場人物の人間味を強く感じるようになった。誰も幸せにならないあのラストが、何を伝えようとしたのか私にはわからなかった。
女優は非常に美しいが、バティストの美しさは圧倒的だ。パントマイムがこれほどソウルフルな表現になるとは驚きだ。
映画のない時代には演劇が主流で、台詞がない作品では身体を使った誇張された演技が魅力を引き立てていた。
バティスト役は彼にぴったりで、やっぱり私は白塗りのキャラクターが何故か惹かれる。
寺山修司が影響を受けた理由も分かる。
恋に溺れる男女と、真っ直ぐな愛を抱く男女、権力に傲慢になることや嫉妬、謙虚さ、そして愛が交錯する様子が描かれている。
ナタリーのオフェーリアのような痛々しい姿と、ガランスとのうんざりする三角関係に疲れを感じることもあった。
「あなたは綺麗な目をしている」
「あなたは頭は熱いが心は冷たい。冷たい風は私の身体には良くない」
こうした映画を観た後は、リアリズムの宿を見たくなる。
今さら見逃せない作品。パントマイム師バティストと美女ガランスの恋愛が中心のストーリー。俳優たちの表現力の競演も物語の重要な要素となっている。現代の生活の中でも忘れられない人への思いは、映画の永遠のテーマだ。また、すれ違いも重要な要素。戦争と絡む深い解釈も存在する。ラストシーンは確かに印象的だ。