1959年5月12日に公開の映画「お早よう」を今すぐ視聴できる動画配信サービス(VOD)を徹底紹介。この記事では「お早よう」のあらすじやキャスト・声優、スタッフ、主題歌の情報はもちろん、実際に見た人の感想やレビューもまとめています。
お早ようが視聴できる動画配信サービス
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お早ようのあらすじ
小津安二郎監督の喜劇作家としての手腕が冴え渡る傑作。生の真実に静かに触れる、晩年の小津が描く成熟したドラマだ。新興住宅地に暮らす林一家の物語では、子どもたちの間に奇妙なおなら遊びがはやっている。彼らの最大の関心事は、まだ普及し始めたばかりのテレビだ。林家の実と勇の兄弟も、テレビを見るために勉強をそっちのけで近所へ出かける日々を送る。ある日、両親にテレビをせがんで叱られたことから、二人は誰とも口をきかないだんまりストを決行することにする。
お早ようの詳細情報
「お早よう」の制作会社や監督、キャスト、主題歌アーティストなどの作品に関する詳しい情報をまとめています。作品づくりに携わったスタッフや声優陣をチェックして、より深く物語の世界を楽しみましょう。
| 監督 | 小津安二郎 |
|---|---|
| 脚本家 | 小津安二郎 野田高梧 |
| 出演者 | 三好栄子 三宅邦子 久我美子 佐田啓二 佐竹明夫 千村洋子 大泉滉 島村俊雄 島津雅彦 杉村春子 東野英治郎 桜むつ子 殿山泰司 沢村貞子 泉京子 田中春男 白田肇 竹田法一 笠智衆 菅原通済 藤木満寿夫 設楽幸嗣 諸角啓二郎 長岡輝子 須賀不二夫 高橋とよ |
| カテゴリー | 映画 |
| ジャンル | コメディ ドラマ |
| 制作国 | 日本 |
| 公開日 | 1959年5月12日 |
| 上映時間 | 94分 |
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お早ようの感想&レビュー
さまざまな方法での反復が行われる。
これは、女性の2回の訪問や押し売り、家の間違い、オナラ、そして「I love you」といった瞬間に見られ、他にも多くの例が存在する。
これらは、小津映画におけるシンクロした動作や相槌と同様に、最終的には映像のリズムに帰結する。
このリズムと心地よい動きは常に機械的で無機質な人間を表現しているが、『お早よう』では挨拶という機械的な言葉が問題となり、密接に結びついている。
昭和の日常や人々の無駄な会話に焦点を当てた作品がとても面白かったです。また、無駄な会話だけでなく、本当に大事な話を伝えないことの問題提起も印象的でした。今でも普遍的なテーマを扱っており、観終わった後に誰かと会話をしたくなるような作品でした。
小津作品といえば、シェークスピアのように上品で難解な教養を身につける映画という印象があるが、この作品はまったく違う。とても楽しい。子どもたちのストライキという題材が特に魅力的だ。中流家庭の文化住宅に暮らす奥様たちのやりとりは、ねっとりとしつつもどこかあっけらかんとしている。挨拶はきちんと交わす一方で、陰口も欠かさない。鬱陶しく感じることもあるが、いざという時には頼りになる存在だろう。この奥様たちがみんな着物を着ているのも、当時の時代感を強く映している。屁にまつわるエピソードは下品さと同時に上品さを醸し出し、それが小津作品らしさを生んでいる。駅での二人の何気ない会話は、その後の関係をほのかに予感させる。おばあちゃんの売り物撃退法は、後の『クロコダイル・ダンディー』にも通じるユーモアだ。ただ、笠智衆があの子供たちの父親役を演じるのは、少々無理があると感じる場面もある。
パースが常に整っており、時代を超えた影響か、キャストの演技は驚くほどリアルなのに、どこか不気味さも感じさせる。前情報なしで観ると、まるでAIが作り出したかのような完璧さを思わず疑いたくなるほどだ。演出は素人にもわかりやすいが、品があり、現代においても評価される理由がよく理解できる。無駄な要素をそぎ落としつつも、普通の生活の中にあるアンビバレントさが際立っている。何もないようで、後半にはしっかりと人間らしさや温かみが漂っており、ストーリー自体も丁寧に描かれている。まさに「映画監督」としての評価にふさわしい作品だ。コンプライアンスに縛られないため、驚きのセリフが出てくるのも魅力の一つ。みのるちゃんは、高橋一生演じるリリィ・シュシュのキャラクターのように、幼さを感じさせつつも印象的な顔立ちが際立っていた。
小津安二郎監督の世界が大好き。低い画角が生む独特の視点こそ、こんなシーンを生み出す理由だと思う。民家の内部を映し出しつつ、隣人の暮らしまで垣間見える構図が面白すぎる。
非常に楽しめた作品だった。親が生きている大人たちが抱える複雑さを理解できない子どもと、日々の生活に鈍感になってしまった親という二者が、互いに背を向けながらも衝突し、無視しきれない繋がりを丁寧に描写していることが印象的だった。英語を教える平一郎さんや、林家の母の妹である節子さんは大人でありながら、子どもたちの行動に幼心をくすぐられ、助産婦の三つ江さんは大人としての適当さをさらに観察している。その姿が非常に心に残る。この三人の家庭環境を考えれば、彼らの行動や思考の背景が少し理解できる気がする。小津監督の映画は、会話のショットが別々の空間に存在しているのに、動きの連携や編集、音楽によって同じ世界にいることを示している。土手を背景にして家の死角から人が現れるリズムは美しく、普段目にできない人々の動きを考えさせられた。脚本も非常に面白く、大きな出来事から小さな出来事まで楽しむことができ、物語がどう進行するのか最後まで気を引きつけられた。
アッバス・キアロスタミ監督を尊敬していると知って、ますます関心が深まった。
ドアや窓、襖といった四角いモチーフに目が留まり、それを活かした構図の巧さが印象的だった。
昭和の時代の風景は、こんな感じだったのだろうか。ご近所には知らない人はいない、そんな密な日常。古き良き日本の一幕のようだけれど、私には当時の奥さんの役には共感しきれない。密度が高すぎて、時にホラーのようにも感じた。
大人たちは年齢や立場は大きく変わらないはずなのに、なぜか大人たちに腹が立ち、子どもの味方になってしまう。昭和の空気が自分を子どもに戻してしまうのかもしれない。やっぱり私は昭和の人間なのだと再認識した。
昭和の人付き合いの恐ろしさは横に置くとしても、作品はコミカルでユーモアに富み、映画としてとても好ましかった。
他の作品もぜひ観てみたい。
#チエコ2025年鑑賞記録
各カットには必ず赤の配色が取り入れられ、それに調和する他の色合いが使われていて、画面全体が非常に魅力的に仕上がっていた。
作品では、ささやかな日常が描かれ、舞台となる団地や戦後復興の文化住宅は、近しい人々との関係に生じる葛藤を内包している。しかし、その部分をあえて深く掘り下げずにさらりと流すことで、むしろ当時の人間模様が想像しやすくなり、私もこの場を知っているかのような感覚を抱いた。
『お早よう』は、1959年公開の小津安二郎監督作品。日常の風景を通して、現代社会に潜むコミュニケーションの希薄さや表面的な会話の意味のなさを、子どもたちの素直な反抗を軸に描く名作です。テレビという新メディアが家庭と社会に及ぼす影響を、穏やかな視点とユーモアで浮き彫りにします。以下、要点を整理します。
1. あらすじ
– 舞台は東京郊外の団地。林家には明と勇という小学生の兄弟がいます。彼らの最大の関心事は近所の家にしかないテレビを見ること。テレビを買ってくれなければ口を利かないと父親に宣言します。父は言葉の価値を説き、テレビを買わない構えを貫きます。
– そこで兄弟は「お早よう」以外の言葉を一切話さなくなる決断を下し、学校でも家庭でも大人たちへは挨拶代わりの「お早よう」しか口にしません。大人たちはご近所づきあいの形式や無駄話ばかりに陥り、彼らの沈黙は人間関係の空虚さを浮き上がらせます。
– 彼らと大人たちの間には、滑稽なやり取りと日常の光景が広がり、団地での人間模様が穏やかに描かれます。
2. 結末
– しばらくして大人たちの苛立ちが高まる中、家にテレビが届きます。今回は父の手配ではなく、母親が密かに貯めていたお金で購入したものでした。テレビの到来とともに、兄弟は瞬時にして言葉を取り戻し、テレビに夢中になります。
– 子どもたちにとって言葉を使わないことはテレビを手に入れる手段であり、目的が達成されれば言葉を取り戻すのです。この過程は、大人たちの複雑で建前だらけの関係を、純粋な視点で突きつけるようです。
– ラストはテレビのプロレス中継に夢中になる兄弟と、それを静かに見守る両親の姿で幕を閉じます。新たなメディアが家族と社会に与える影響を、小津流の温かな視線と鋭い視点で問いかけます。
3. 注目ポイント
– 言葉とコミュニケーションの本質を問う: 子どもたちの沈黙は、大人の表面的な挨拶や建前を鋭く照らします。
– テレビの登場と社会の変化: 当時普及し始めたテレビが、家庭内の対話や価値観の対立にどう作用するかを描きます。
– 小津ワールドのユーモアと風刺: 軽妙な笑いの背後に、社会や人間関係への鋭い洞察が潜んでいます。
– 団地生活の描写: 戦後の高度成長期に生まれた団地の暮らしとご近所付き合いが、時代背景を映します。
– 子供の視点と大人の世界: 子供の率直な視点が、大人の複雑な感情や建前を際立たせます。
– 小津調の温かさ: ローアングルや固定ショットを活かしつつ、温かな眼差しで人物を見つめる作風が光ります。
4. 作品の魅力を端的に
『お早よう』は、テレビに夢中になる子どもたちの純粋な反抗を通じて、大人の形式的な会話や世代間の価値観の衝突を、温かいユーモアと洞察力で描く現代社会への風刺劇です。日常のさりげない情景の中に、現代にも通じるコミュニケーションの本質と社会の変化を見つけられる、肩の力を抜いて楽しめる一作です。
あなたが好きです!
お父さんの笑顔はどんな感じだったのかなぁ。