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感想・レビュー

1. プリンス

   2025年10月21日

   興味深く、立場の違いが明確に表現されていて理解しやすかった。一つ疑問に思ったのは、殺人の原因となったいじめという重要な情報がなぜ裁判で7年間も隠されていたのかという点で、その経緯についての説明が欠けていたこと。もしかすると、取り調べの際にその事実を話せる雰囲気がなかったり、加害者自身が罪悪感から口にしなかった可能性もある。しかし、あれほどの大規模ないじめが7年間も秘匿され続け、その後再審で初めて本人の言葉として明らかになったとなると、父親の反応は理解できるものだと思う。司法については詳しくないが、実際の旭川いじめ事件などを思い返すと、そう感じる。さらに、「赦し」というタイトルにも関連して、登場人物が互いに心理的な負担を抱えながら、相手に対して持つ感情を手放せるかどうかが重要なポイントだと感じた。

2. GY202

   2025年10月21日

   重いテーマながら、多くの考察を促す重要な映画だった。

   日本映画らしさを強く感じる作品というより、監督は日本人ではないという事実が逆に日本人の視点を浮かび上がらせているのかもしれない。

   「赤を放つと書いて『ゆるす』」という表現の意味が気になる。赤い札なのか、血の赤なのか解釈の余地が残されている。

   最後まで手に汗を握る緊張感があり、落ち着かないほどそわそわさせられた。

   松浦りょうは見覚えのある顔で、誰かに似ている気がした。モデル出身の美しさを持つ子なら映えるタイプかも、と思いながら見ていたら、若い頃の彼女そのものだったのでは、との思いが頭をよぎる。結局は別人だったが、演技には迫力があった。

   初めのうちはB級っぽさを感じる場面もあった。父親役の演技にはぎこちなさがあり、田舎の訛りかなと感じつつも見過ごせる程度。むしろその不安定さが後半の評価を高める一因になったのかもしれない。

   恵さんが出演する作品は久しぶりだが、彼女の存在が作品全体にわずかな期待感を運んでいた。

   「若気の至りで彼女は死ななければならなかったのか？」といった問いが浮かぶ。若い人を見守るべきなのは大人の役割であり、育児放棄で育った未成年が人と関わる方法を知らず犯罪へと往く構図は、非常に興味深いテーマだった。誰の責任なのか。

   被害者となった娘、そして彼女を犯罪へと追い込んだ彼女自身。被害者家族も加害者も、双方が痛みを背負っている。

   また、犯罪者側の弁護人の存在感も印象的だ。報酬を狙う姿勢には正義らしきものがほとんど見えず、最後には白黒をはっきりさせる冷徹さが描かれる。

   結末の解釈はやや難解で、彼女が振り向く瞬間の表情には意味があるのか、ただの意味なしなのか判断が分かれる。仮に意味があるとしたら、あのカットは何を示すのかよくわからない。最後の上からのショットも同様に、観客による解釈を残している。

   藤森の立ち位置は私には好きになれない一方で、彼女を理解しようとする姿勢が彼女の立ち直りに影響したのかもしれない。登場人物一人ひとりが独特の視点を持ち、視線も個性も際立っていて、見どころが多かった。

   ネタバレ

   もしこの作品がアメリカ映画なら、復讐で応える展開を選ぶだろう。

   最後は父がぐっと耐える場面が印象的だ。よくやった。

   とはいえ、なぜ彼女は殺害に至ったのか。いじめに耐えきれなかった理由は法廷で伝えられないのだろうか。そんな感情は被害者家族には伝えられないのかこの問いは残る。

3. 岡田倫太郎

   2025年10月17日

   正直、字幕が何度も欲しくなる作品だった。開始5分で会話がほとんど聴き取れず、いきなりつまずく感じだった。父親役の滑舌は悪く、最後まで観るべきか迷った。周りの評判通り、松浦りょうの演技は素晴らしかったけれど、反省の場面が本心なのか演出なのか判断に迷うところがあった。反省している様子だと信じたいが、最後に笑っていなかったはずなのに一瞬だけ笑った気がしてしまった。あの反省が演技だとは思いたくない。いじめも殺人も許されない。メグミの演技は非常に良く、藤森も良かった。ただ、登場人物たちの境遇があまりにも可哀想で胸が痛んだ。

4. めーやん

   2025年10月15日

   全員が犠牲者だ。
   悪いのは娘だろう。
   のうのうと生活しているいじめグループの連中も責任がある。

   いじめは許されない、絶対に。

   いじめられた側が死んでしまえなんてことはない。

   いじめを行った側は、報復される覚悟を持たなければならない。
   殺されたくなければ、いじめてはいけない。
   人を追い詰めるということは、そういうことだ。

   しかし、前を向いて進むことは重要だ。
   許せなくても、自分を犠牲にすることは間違っている。

   各ポジションを自分に置き換えて考えさせられる映画だった。

5. 淋しい熱帯魚

   2025年10月14日

   ポスターの女の子の表情がとても魅力的で、期待を持って鑑賞しました。期待を超えて、その子は素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。私は彼女が大好きです。

   しかし、他のキャストはバラバラで、作品全体としてまとまりに欠けていました。

   これは明らかにキャスティングの失敗でしょう。

   全体としてはまとまりのない映画でしたが、彼女の存在が光っていたので、星4つを付けました。

6. 鈴木秀樹

   2025年10月7日

   松浦りょうの表情は非常に印象的で、彼女はとても魅力的な人物でした。ラストには少し釈然としない部分がありましたが、元のストーリーに何か関係があるのかもしれません。また、平井堅のような元旦那の演技は少し不自然に感じましたが、逆にリアルさを感じさせる部分もありました。

7. ヘンリー

   2025年9月30日

   法のことをいろいろ言う割には、現実には緩い点が多くて、もう少し詰められたはずだと思いながら終わった。女優さんの表情は素敵で、見ていると癖になる顔だ。

8. 山嵐

   2025年9月23日

   再審が進むにつれて、初公判では語られなかった新事実が次々と明らかになる。加害者側・被害者側のいずれの立場に立っても、言葉では尽くせない深い苦悩がつきまとう。娘を持つ父親としても心を揺さぶられる作品だ。

9. 西村大介

   2025年9月19日

   17歳の時、同級生を殺害した夏奈が再審理され、釈放の可能性があるとの知らせを受けた被害者の両親。二人は裁判を傍らに見守ることに決めた。しかし、子供を奪った犯人を許すべきかどうか、非常に考えさせられる作品である。子供の声が届かない中で、自分ならどう行動するかを悩んだ。

10. タダオ

    2025年9月16日

    悪くはないのですが、鑑賞の方向性が掴みにくい作品です。父親役の演技は日本人には不自然で、Megumiや藤森との温度差も目立ちます。その結果、日本を愛する外国人が作った日本映画という印象が強まり、結局よくできた学生映画のような後味が残ります。