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92歳のパリジェンヌの感想＆レビュー

1. ホロホロ

   2025年10月8日

   タイトルのイメージとは真逆で、深く考えさせられる内容でした。自分の人生をどう終えるべきか、終えたいのか、そして家族の視点から見てもどう向き合えるのか、受け止められるのかそんな問いを静かに掘り下げます。暗さを感じさせず、美しい映像と穏やかな演出で描かれており、涙を誘う場面も多いです。同じ問いを誰もが抱くとしても、結論は自分の中には見つからないそんな余韻が残ります。私自身、人生の折り返し点を過ぎた今、マドレーヌが小物を丁寧に包む場面を見て、持ち物は上質でお気に入りのものを自分の管理できる範囲で持ちたいと改めて思いました。きっとまた観たくなる作品です。

2. 淋しい熱帯魚

   2025年10月6日

   – 直訳風リライト:
   「棺桶を自分で閉じるつもりなのか。」
   「腹ペコだ、太りそうなものが食べたいの。」
   三つ編み

   – 詩的・婉曲リライト:
   「棺桶を自分で閉じるつもりなの？」
   「腹ペコだわ。太りそうなものが食べたい。」
   三つ編み

   – 安全版リライト:
   「自分で棺桶の蓋を閉じるつもりなの？」
   「お腹が空いた。太ってしまいそうなものが食べたい。」
   三つ編み

3. 独り言

   2025年9月29日

   92歳の母が、誕生日パーティの席で自らの人生に幕を下ろす決意を語ります。まだ先の話だと思いたい気持ちはありながらも、現実は徐々にできることが減っていくことを死と結びつける母の思いへと導いていきます。娘は母を説得しようとしますが、結局は母の選択を尊重する道を選ぶのです。

   そこからの時間は、二人の関係をより美しく深めます。母と過ごすひとときは幸せそうで、私自身も少し羨ましく感じるほど。亡くなった母を思い、もう少し一緒にいろんなことをしたかったと切なくなる場面もありました。

   この物語が実話に基づくと知ったとき、強い衝撃を受けました。尊厳死というテーマは、私たちの生と死の在り方を深く問い直します。これまでは残される側の視点で考えることが多かった私も、年を重ねると自分が選ぶ側としての選択肢を現実として捉えるようになります。

   もし自分が最期の瞬間を家族に知らせずに生きる選択をするならその判断を家族へ委ねることも一つの道だと感じます。家族がいるからこそ、無責任に生きる必要はないと自覚しつつも、歳を重ねるにつれて自由に生きてもいいという思いにも触れます。

   実話に基づくこの物語は、尊厳死を巡る難しく繊細なテーマを通じて、家族の絆と自分の人生観を見つめ直すきっかけをくれます。2025-493

4. 鬼雀

   2025年9月10日

   母のことも自分のことも、胸を打つ切実なストーリーでした。
   実在の人物だったと知ったとき、なおさら深く心に刺さりました。

   昨年、老衰で他界した夫の母は93歳でしたが、いまなおしっかりしていて、最期は食べられなくなって入院。病院で栄養の点滴を受けている間もずっと「家に帰りたい」と訴えていたので、パリジェンヌじゃなくても、現代社会の高齢化の中で誰もが感じる思いなのだろうと思いました。

   ただ、この女性は活動家でもあり、尊厳死についてもさまざまな働きをしてきた人でした。その生きざまには感銘を受けると同時に、自分の命をかけて冤罪の可能性を訴え、死刑に反対した『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』を思い出しました。

   娘役を演じた女優さんの美しさと演技は素晴らしく、非常に印象的でした。看護師助手の方の存在感も際立っていました。

5. 内山昂輝

   2025年8月24日

   期待していたものとは違ったが、素晴らしい映画だった。
   自分自身や親のことを、いろいろと考えさせられた。

6. まるちっぽ

   2025年8月17日

   尊厳死をテーマに深く考えさせられた。原題は『最後の教え』なのに、邦題がまったく意味を伝えられておらず、残念だ。『パリジェンヌ』という言葉で興味を引こうとしたのだろうが、実際にはパリジェンヌとは関係がない。

7. 伊達男

   2025年7月30日

   麻薬映画の後味が悪く、心をすっきりさせたいときにピッタリのシニア映画を選びました。以前観て途中でやめた記憶がよみがえりますが、今の私はすべてを受け入れられる状態で、しっかりと魅了されました。素晴らしい作品です

   この映画は、フランス元首相リオネル・ジョスパンのお母様ミレイユさんの実話を基にした感動作です

   《自らの人生の終わりを決めて行動する物語》
   ミレイユさんの娘で作家のノエル・シャトレが綴った『最期の教え』が原作で、映画では架空の人物設定が採用されています。

   あらすじ
   マドレーヌは92歳の誕生日に、家族が祝うパーティーで衝撃の発言をします。「今まで本当にありがとう。2ヶ月後の10月17日に私は逝きます。」これを聞いた家族は動揺します。激怒する長男、驚く長女、一緒にいたいと懇願する孫たち。
   マドレーヌは、若い頃から行動的で助産婦として活躍し、活動家としても知られ、恋も多く経験してきた女性です。しかし、歳を重ねるにつれて忘れっぽくなり、夜中に尿失禁することも。少しずつ身の回りの物を整理し、渡す相手に付箋を貼っていきます。まだできるうちに全て自分で完結させたいのです。
   それを一番理解し、応援してくれるのは、アフリカ出身のヘルパーさんです。「棺桶も自分で閉めるつもり？」と二人で笑い合う場面も。
   また、紙オムツを着用した姿を娘に見せ、知識人の娘も徐々に母の気持ちを理解していきます…

   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

   この作品は本当に素晴らしく、伝えたいことがたくさんありますが、これ以上は控えます。

   マドレーヌ役を演じる実力派女優マルト・ヴィラロンガの洗練された演技が光ります

   長男の気持ちもよく分かります。男はやはり母親を好きで、いつまでも優しく見守ってほしいものですね。

   長女は同性だからこそ、お風呂の手伝いや衰えていく母の姿を直視します。サンドリーヌ・ボネールが魅力的な演技を見せています。

   長女の息子はサーフィン少年で、おばあちゃんが大好き。彼の反応がとても微笑ましいです。

   この映画の監督は、女優としても活躍するフランス出身のパスカル・プサドゥー。原作者との連携も良好で、コメディも得意なようで、ユーモアがちりばめられた作品に仕上がっています。

   今の私は92歳のマドレーヌの気持ち、そして娘の気持ちのどちらも分かるようになりました。

   尊厳死はどの国でも重要な問題です。できることなら、自分の意志で人生を締めくくることができれば、最高だと思います
   #のんchanおすすめシニア

8. 岩立沙穂

   2025年7月13日

   2025年 第33本目。26歳の締めくくりに、直感で選んで観た。

   おばあちゃんと娘が余生を謳歌する話かと思いきや、予想外の重さを残す展開だった。

   楽しい場面にも重さが漂い、尊厳死をテーマにした作品だった。

   1人で身の回りのことができなくなったら周りに迷惑をかける前に死を選ぶべきかと考えていた自分だが、もし自分の親が同じ決断を打ち明けられたらどう向き合うべきか、想像してみた。

   最後のシーンは、マドレーヌの視点ではなく、遺される家族の視点で終わることで、観客に『もしも自分の親が』と問いかけさせる仕掛けがあり、すごいと感じた。

9. ヘンリー

   2025年7月8日

   勝手に明るい話だと思い込んでいた。
   自分のできることが少しずつ減っていく喪失感は、想像以上のものだろう。人生の「ここまででいい」という境界線は、それぞれ異なるよな。

10. 鈴木二郎

    2025年6月24日

    自分でできていたことが次第にできなくなる虚しさと絶望。これから先、何もできなくなるだけの未来に、いったい生きる意味があるのだろうか。

    大切な家族が「死にたい」「死ぬ」と言ったとき、私たちはその思いを受け止め、見送ることができるのだろうか。

    受け入れられない辛さ。受け入れることができない辛さ。

    老いていく身体を、どこまで受け入れることができるのか。

    人が死ぬということは自然の摂理だと知りつつ、最も恐ろしいのは何よりも別のことだ。

    高齢者のSOSは、認知症や老人性うつと片づけられ、ただの戯言だと思われてしまうのかもしれない。

    それでも、尊厳死を認めることは自殺を認めることと同義で、手助けをすることは自殺幇助になってしまう。尊厳死を認めること、残される人の苦しみをすべて取り除くことはいつ実現できるのだろうか。