2016年4月16日に公開の映画「オマールの壁」を今すぐ視聴できる動画配信サービス(VOD)を徹底紹介。この記事では「オマールの壁」のあらすじやキャスト・声優、スタッフ、主題歌の情報はもちろん、実際に見た人の感想やレビューもまとめています。
オマールの壁が視聴できる動画配信サービス
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オマールの壁のあらすじ
思慮深く真面目なパン職人オマールは、監視塔からの銃弾を避けながら分離壁を越え、壁の向こう側に住む恋人ナディアのもとへ通っていた。長期にわたる占領状態のパレスチナでは、人権も自由もほとんど存在しない。オマールはこの現状を変えようと仲間と共に立ち上がるが、イスラエル兵殺害の疑惑で逮捕されてしまう。イスラエルの秘密警察に拷問を受け、一生牢獄にいるか、仲間を裏切ってスパイになるか、究極の選択を迫られることになり….
オマールの壁の詳細情報
「オマールの壁」の制作会社や監督、キャスト、主題歌アーティストなどの作品に関する詳しい情報をまとめています。作品づくりに携わったスタッフや声優陣をチェックして、より深く物語の世界を楽しみましょう。
| 監督 | ハニ・アブ・アサド |
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| 脚本家 | ハニ・アブ・アサド |
| 出演者 | Eyad Hourani Wafaa Aon アダム・バクリ サメール・ビシャラット リーム・リューバニ ワリード・ズエイター |
| カテゴリー | 映画 |
| ジャンル | クライム 恋愛 |
| 制作国 | パレスチナ |
| 公開日 | 2016年4月16日 |
| 上映時間 | 97分 |
オマールの壁の公式PVや予告編動画
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オマールの壁のよくある質問
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Q映画『オマールの壁』のあらすじはどのようなものですか?
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A
『オマールの壁』は、パレスチナで暮らす青年オマールが、占領軍の壁を越えて恋人と密会する日々を描く物語です。彼は友人たちと共に抵抗組織に参加しますが、ある事件をきっかけに二重スパイとして迫られます。ラブストーリーとスリラーが交錯する展開が魅力です。
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Q映画『オマールの壁』の主なテーマは何ですか?
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A
『オマールの壁』の主なテーマは愛と裏切り、そして自由を求める葛藤です。厳しい環境の中でも希望を見失わずに生きる若者たちの姿を通じて、人間の強さと複雑な感情を描き出しています。
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Q映画『オマールの壁』の監督は誰ですか?
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A
『オマールの壁』の監督はハニ・アブ・アサドです。彼はこの作品で、現実を直視しつつも詩的な視点を持つ映像作りに成功しています。
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Q映画『オマールの壁』に登場するオマールというキャラクターの特徴は何ですか?
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A
オマールは勇敢で愛情深い青年です。彼は理想と現実の間で葛藤しながらも、恋人や友情を大切にし、困難な状況でも信念を貫こうとします。彼の内面的成長が物語の重要な要素となっています。
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Q『オマールの壁』と同じジャンルの関連作品にはどのようなものがありますか?
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A
『オマールの壁』と同じく、中東地域の政治的対立や個人の葛藤を描いた作品には、『楽園からの旅人』や『パラダイス・ナウ』などがあります。これらの映画は、それぞれ異なる視点から地域の現実や人間ドラマを探求しています。



オマールの壁の感想&レビュー
拷問への恐怖と自由への誘惑。この2つを取引材料にした尋問によって、屈強なゲリラも精神的に追い詰められ、スパイとして操られることになる。こんな冷酷な計算に基づき、紛争地の情報機関が裏工作を進めている実情を突きつけられた。イスラエルの秘密警察は恐ろしい存在だ。パレスチナでの弾圧を描いた、この緊迫感漂うサスペンス映画は、2013年の作品である。12年前のヨルダン川西岸地区でもこれほどの酷い弾圧が行われていたのだから、現在のガザ地区がどれほどの悲劇に包まれているかは想像に難くない。この惨劇に目を背けている国際社会と日本、本作を観ると心が重くなる。
この映画を通じて、パレスチナを苦しめる「高い壁」がイスラエルとの国境だけでなく、西岸地区の内部にも存在していることを知る。つまり、壁の内外ともにパレスチナなのだ。しかし、イスラエル軍の許可を得ないと通行できない検問のおかげで、主人公オマールと恋人ナディアが隔てられている。
以下、ネタバレ含みます。
イスラエルの秘密警察は、恋人同士の関係を利用してオマールを翻弄する。彼らにとって、ナディアはオマールの弱点に過ぎない。残虐な拷問を受けながら、血まみれのオマールの耳元に「武装グループのリーダーをおびき出せば、すぐに釈放しナディアの元に返してやる」と囁く秘密警察。オマールは取引に応じるふりをして釈放を勝ち取る。
しかし、釈放されたオマールは、武装グループの仲間から「秘密警察のスパイ」と疑われ、警戒される。ナディアもオマールを見切り、他の男と関係を持つ。絶望的な状況に立たされたオマールは、パレスチナへの忠誠を貫くのか、それともイスラエルの傘下に入るのか。物語はこのように進む。究極の選択を強いられるオマールの苦悩に心が痛む。
拷問の苦痛と恐怖を抱える者に「楽になるためにはスパイになれ」と持ちかけ、彼を裏切り者に仕立て上げる陰湿で卑劣な手法が、多くの国家権力者に重宝されているのは否めない。ネタニヤフ、プーチン、習近平、誰もがこの手法を利用している。
テンポが速く、学びの多い作品だが、救いのない鬱映画でもある。気力が充実しているときに鑑賞することをお勧めします。
どうしたらいいのか分からずに悶々としていたけれど、結末はいい。生まれた場所のせいで人生が決まってしまうのは、やはり悲しすぎる。
中東の人の顔って、すごく好みなんだよな。
パレスチナのことも、ゴッドファーザーを観るべきだ!と思ったけれど、それって結局世界中で普通に受け入れられていることなのかもしれない。
インディーズ映画にも関わらず、非常に丁寧に作り込まれていると感じました。
最後まで観終わって、なんとなくやりきれなさが残った。信じたい人がいても、心の隅で疑ってしまう。信じられる世界はどこにもないのかもしれない。誰に本音を打ち明けられる?誰を頼りにすればいい?今は裏切らないふりをしていても、いつかは裏切る可能性があるとしたらその不安が心を蝕む。
この作品で象徴的だったのは、秘密警察とオマールの心理戦だ。最初は駆け引きの応酬が中心だったはずなのに、物語が進むにつれて悲恋へと転じ、観客としてはついていくのが難しくなる場面があった。オマールの虚無感は、こちらにも強い眠気のような感覚を残すほど重く、決して軽くはならない。
私は正直、オマールの前に美しくて素敵な女性が現れて、ひと目惚れして幸せになる展開を期待してしまった。でも現実は違い、ラストまでオマールは苦しみ続ける。切なく、胸が締め付けられる結末だった。
序盤のゴッドファザー風の演出も、当時の印象をよく思い出させてくれる。ネタバレ要素があるかもしれないので注意しつつ、作品の伏線と感情の揺れ動きを楽しめる一作だと言えるだろう。
心から感動した!このようにリアルなストーリーは、私には到底表現できないだろう。これまで観た娯楽作品とは一線を画している。淡々と描かれているがゆえに、主人公の気持ちが痛いほどに伝わり、胸に迫るものがあった。このテーマを商業映画として成立させた制作者の才覚にも驚かされる。果たして今の日本で、このような作品を創り上げることができるのだろうかさいとう・たかを(劇画家「ゴルゴ13」)
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十八年前、取材でパレスチナを訪れたことがある。「この紛争は千年続く」と現地の男性が語っていた。子供たちは無邪気で元気いっぱい、無類の愛らしさだった。思い返せば、あの子たちも、この映画の主人公と同じ年齢になっているのだ岩井俊二(映画監督)
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映画を見終えた後の無力感と怒りをどう処理すれば良いのかわからない。パレスチナの若者たちを裏切りと密告へ追い込むのは、実際にはイスラエルなのに、内部の壁で分断され、本当の敵を見失いかけている。そして私は気づき、戦慄する。この住民同士を敵対させる分断統治が、今の日本社会にもしみ込んでいる星野智幸(小説家)
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ヨーロッパの各国が旧植民地で「分断統治」を行うことで多くの問題を引き起こしたことは歴史的に明らかです。しかし、イスラエルはそれをさらに進めている。パレスチナ人の自治区であるはずのヨルダン川西岸地区には、パレスチナ人が住む村を隔てる分離壁がそびえ立っており、ユダヤ人の非法入植地が広がっています。「占領されている側は必ず反発する」と最近外国連合事務総長が発言しました。イスラエルとパレスチナの問題は深く複雑ですが、その間の力の不均衡は明らかです。この映画はその状況を鮮やかに描き出しています。パレスチナ人の若者たちの日常が破壊されるという悲劇は、地球規模の安全保障にも影響を及ぼす問題であり、無視できるものではありませんピーター・バラカン(ブロードキャスター)
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現代の政治情勢を前に、寓話を通してそれを分析的に捉えたフィルムである。同時に虚構と誤解のメロドラマでもあり、ここに監督の卓越した演出が際立っています四方田犬彦(批評家)
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パレスチナ監督が初めて完全にパレスチナ資本で製作した『オマールの壁』。その難しい政治情勢を伝えながら、上質のエンターテインメント、愛の物語、スパイ映画として極めて優れている毛利嘉孝(社会学者)
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「協力者」とは、占領者が被占領者の社会を内側から蝕み、破壊するために注入する毒である。「壁」の中に閉じ込められ、人生の可能性を奪われ、〈協力者〉という、占領の暴力を超えた卑劣で破壊的な暴力に翻弄される青年たち。その暴力を通じて、半世紀近く続く常態化したイスラエルの占領が、彼らにどのような苦悶と葛藤を強いているかを知ることができる。主人公役のアダム・バクリの寡黙な演技が素晴らしい岡真理(京都大学大学院教授/現代アラブ文学)
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See This Brilliant Film!/この素晴らしい映画を観るべき!
(公式Instagramより)マドンナ(アーティスト)
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#声_さいとう・たかを#声_岩井俊二#声_星野智幸#声_ピーター・バラカン#声_四方田犬彦#声_毛利嘉孝#声_岡真理#声_マドンナ
この作品はもう10年以上前に作られたものだが、現状の悪化を強く感じさせる。今朝の国内外のニュースでは、国連がイスラエルの攻撃をジェノサイドと認定したとの報道があったが、現状には何の変化もないように見える。
これまで見てきたパレスチナ自治区を題材にした作品はドキュメンタリー寄りのものが多かったが、本作はサスペンスと恋愛・人間関係を描くドラマとして成立している。
監督はハニ・アブ・アサド。パラダイス・ナウの監督でもある。ずいぶん前に観たので詳細は思い出せないが、概要を再確認すれば多分思い出すはず。
銃身の長い銃が怖い。誰がどこから狙ってくるのか見えない世界は、耐え難い。いつも誰が裏切っているのかと疑いながら暮らすのもつらい。
国連加盟193カ国中147カ国がパレスチナ国家を承認しているのに、日本は現在未承認だ。米国の介入は内政干渉として響くのか。国際法の遵守が難しくなり、歯止めはどこにあるのか見通せない。)
エヤド・ホーラーニが押し倒された後の銃を抜くスピードや花瓶を使った攻撃の察知、ゴミ処理業者に扮した襲撃など、物語がアクションで展開されるのが爽快だ。衣服を脱ぎニットを被れば逃げ切れるというB級映画的なシンプルさも魅力的だ。終盤までの無駄な説明がない点も同様だ。
最後に、自分に対するスパイ行為を強要した秘密警察に「猿の捕まえ方を知っているか?」と問い、銃で撃ち殺す結末は、やっぱりかっこよく響く。とはいえ、そんな終わり方を正当化していい話ではない。でも、すごく美しく切り分けられた果物を見たときのような、すっと心を撫でる感覚が、どこか残ってしまう。
衝撃的で悲劇的な人間ドラマが展開される。この物語は、パレスチナの分断壁の下で抑圧された生活を強いられる三人の幼馴染に焦点を当てている。事前の知識が全くない場合、彼らの状況を理解するのに苦労するかもしれない。
分断壁を超えないと再会できない幼馴染や恋人、そして日常的に尋問や暴行を受ける彼らの生活は、映画を通じて徐々に浮かび上がってくる。映画内で具体的に説明されることはないが、支配下での日常生活の厳しさに驚かされる。彼らの会話や恋人との交流は普通の若者のものであり、微笑ましさがある一方で、抑圧との戦いを常に考え続けている。
計画、車、狙撃に分担してイスラエル兵を標的にする計画を練る彼ら。しかし、数日後に秘密警察に捕まるのはオマールだけ。彼はスパイになるよう仕向けられてしまう。釈放されても仲間の間で裏切り者として疑われ、未来に希望を抱きながら本当の裏切り者を探す。しかし、秘密警察と幼馴染からも裏切られ、最終的に恋人と友人を失うことになる。数年後、再びスパイを強要され、かつての恋人に会いに行くと、驚愕の事実が明らかになる。彼は幼馴染の嘘によって全てを諦めていたが、最後の瞬間、全てを失った代償としてスパイを強要した秘密警察に銃を向けて発砲する。
一人でオセロをプレイするとは、どれほどの精神力を持っているのだろう。