1997年12月27日に公開の映画「CURE キュア」を今すぐ視聴できる動画配信サービス(VOD)を徹底紹介。この記事では「CURE キュア」のあらすじやキャスト・声優、スタッフ、主題歌の情報はもちろん、実際に見た人の感想やレビューもまとめています。
CURE キュアが視聴できる動画配信サービス
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CURE キュアのあらすじ
娼婦が惨殺された現場を確認した刑事・高部は、被害者の胸をX字型に切り裂くという異様な手口がひそかに連続している可能性を疑う。彼の友人で心理学者の佐久間が犯人の精神を分析しても、特異な手口に共通する手掛かりは見つからなかった。
CURE キュアの詳細情報
「CURE キュア」の制作会社や監督、キャスト、主題歌アーティストなどの作品に関する詳しい情報をまとめています。作品づくりに携わったスタッフや声優陣をチェックして、より深く物語の世界を楽しみましょう。
感想・レビュー
ずっと観たかった作品で、レンタルビデオ店にも見当たらず諦めかけていたところ、いつの間にかアマゾンプライムで配信されているのを見つけました。
詳しいわけではないのでにわか発言かもしれませんが、黒沢清監督らしい独特で陰鬱な作風が際立っています。無意識に引き込まれるようなサイコスリルあふれる世界観が魅力的です。前半は淡々と観ていましたが、後半に入ると一気に面白さが増しました。心霊的な恐怖とも人間的な怖さとも違った、別の不気味さが心をざわつかせます。終始ドキドキしながら観続けました。
一昔前の作品だけあって、生々しい描写に目を背けたくなる場面もありましたが、それこそ90年代映画ならではの魅力だと思います。
役所広司さんは当時40歳くらいで、若々しく男前なダンディーな姿が印象的です。刑事として葛藤や悩みを抱える役を見事に演じています。
一方、萩原聖人さんは25歳くらいで、スリムな体型が印象的。こちらは極端なサイコパスキャラを演じており、視聴者をイライラさせる胸くそのあるキャラクターを見事に演じています。
クライマックスに向けて、真実と虚構が交錯し、ストーリーが少し混乱気味になりましたが、想像を超える驚きのラストが待っていました。思わず「えっ!?」と声が出るほどで、後味が非常に悪いですが、こんな結末は嫌いではありません。陰湿な映画が好きな方にはぜひオススメしたい一本です。
どん! きゃ~! というようなホラーではなく、じわじわと押し寄せる恐怖を見事に描いている。
そのためか、最後までスッキリしない印象があります。
今やMリーガーの萩原聖人は、若い頃は本当に立派なイケメンでしたね。
役所広司は、どんな作品を観ても役所広司らしさが感じられます。
もちろん、下手という意味ではなく、役柄がまるで彼自身のように自然に馴染んでいる印象です。
間宮が出会う人間は、執拗に「誰?」と迫る。名前を尋ねるのではなく、彼らの胸の奥に潜む仄暗い感情を暴くような問いだ。だから間宮はその問いを繰り返し、何度でも訪れる。
社会人として蓄積したストレスや押し込めていた不満が、間宮との会話ひいては催眠によって解放され、いわゆるCUREの状態に達した瞬間、彼は殺意へと向かってしまう。
物語はさらに、催眠の力が間宮だけでなく事件を追う高部にも伝播していくことで、なおさらの恐ろしさを生み出す。催眠の引き金を引くのは術者側だが、そのトリガーは誰もが内に潜ませている。黒沢監督はこの映画をホラーではないと語ってきたが、それ以上に不穏さを孕んだ作品である。東京映画祭のQ&Aで監督と役所さんが交わした言葉、撮影時に起きたカルト団体の事件が影響して、元のタイトル「伝道師」から「CURE」へと改題された経緯も物語を読み解く手がかりだ。
役所さんは「ストレスがなくなった人は怖い」と語り、劇中ファミレスで出された料理を一度は口にしぶとく残すが、最後には完食する場面も示す。物語の転回点となるウエイトレスが包丁を手に終わる直前には、彼女に囁いていた上司である女性の存在を滅多刺しにする計画も撮影されたが、過剰描写としてカットされた。
この映画は伝道師という存在そのものをめぐる物語でもある。間宮を才能と見出し論文を書かせる伯楽陶二郎の姿は、佐久間先生の言葉によって伝道師であると暗示される。さらに間宮にぴったりの器として選ばれた高部は、遅咲きの催眠の名手として輝きを放つ。遅咲きの催眠オジCUREという表現の中には、恐ろしさと美しさが同居する。佐久間先生の退場は惜しいが、彼の白昼夢と病室の角で表情を失う高部の場面は特に恐ろしい。
廃墟に吊るされた伯楽陶二郎の写真、病院の廊下に現れる亡き妻の存在これらのショットは、映像にさらなる陰影を落とす。奥様は病院に預けられておらず、死後の時間が長く経過していることを示唆している。そうした不穏さと美しい陰影、そして長回しのワンカットが織りなす余韻は格別だ。作中に登場するメスマーという語は、mesmerizeと響きが近いが、由来をたどると18世紀のフランツ・アントン・メスメル医師に遡り、「魅了する」という意味を持つのだという。
黒澤監督の作品はあまり好みではない私ですが、今回の作品は別格でした。これまで観た黒澤作品の中で、断トツに面白かったと感じます。物語は、刑事と教師が徐々に犯人の影響へと取り込まれていく過程を、緊張感たっぷりに描き出します。犯人を演じた萩原聖人の熱演も見もの。やはり彼は巧いですね。ラスト近くの奥さんの行方や、ファミレスの店員のその後をはっきり見せない点には、少しモヤモヤしますが、それも作品の魅力の一部と言えるでしょう。
終始、言葉にできない不穏さが漂い、誰が催眠にかかっているのか、現実と幻の境界がどこまであるのかが分からなくなる感覚が続く。自分の妻が死んでいる場面を想像させ、その映像が現実なのか幻なのかを観客に委ねる見せ方は極めて鮮烈だった。医師の女性が間宮に暗示をかけられ、無表情のまま人を殺してしまうシーンも強い印象を残す。初見ではすべてを理解しきれない。間宮の記憶障害が実はフリだったことや、高部が彼に催眠を施し、やがて伝道師のようにその力を継承していく構図は、あとに読んだ考察でようやく腑に落ちる。それでも画面から立ちのぼる心理的な緊張感は圧倒的だ。カメラを固定し、人物を映さずカメラだけが静かに動く場面が心に深く刺さる。気づけば何も信じられなくなっている。ラストの隔離された病室から響く音と建物全体を揺らす演出は息を呑む緊張感だった。何度も見返したくなる、忘れられない映画体験だった。 #記憶に残る名作
これは面白いですね。
どんどん催眠に引き込まれていくような、ゆったりとしたペースで展開されています。
邦画の雰囲気があって、とても良いと思います。
ちょっとヤバいものを観てしまった。怖さは強く、観ている間ずっと不安に苛まれる精神的な恐怖だった。しかしそれだけでなく、人間の深層心理をテーマにしたストーリーは考察の余地が多く、見応えがある。映像表現も美しく、カット割りと演出が卓越している。全体として完成度が高く、久々に圧倒的な映画体験を味わえた。
評価はそれなりに高かったので視聴したが、予想をはるかに超えてイマイチだった。
ストーリー:2点
演技:2点
中途半端に催眠術を取り入れて無理のある展開を作るのはいただけない。非科学的な内容でいくなら、悪霊をネタにしたほうがまだましだった。
私の中で再燃しているJホラー潮流を体感するべく観賞。
画作りが際立ち、水のシーンや廃墟・精神病棟のカットが、メタファーと美しさを両立させ、MVのような映像美を放つ。MV好きの私には特に好みの表現。
当時から蓄音機や廃墟など古びた道具を使って恐怖を生む演出を得意としており、現代のVHSやガラケーをあえて併用する手法と同じ系譜で、早くからこの演出を取り入れている点に驚いた。
全てを完璧に理解したとは言い切れないが、非常に好きな作品だ。
本当に怖い!見応え十分なホラー作品で、恐怖に耐える価値あり。結局、最も怖いのは人間自身だ。