2008年4月10日に公開のアニメ「カイバ」を今すぐ視聴できる動画配信サービス(VOD)を徹底紹介。この記事では「カイバ」のあらすじやキャスト・声優、スタッフ、主題歌の情報はもちろん、実際に見た人の感想やレビューもまとめています。
カイバが視聴できる動画配信サービス
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最終更新日
カイバのあらすじ
記憶がデータ化され、肉体の死さえも終わりとは呼べない世界。記憶はデータバンクに蓄えられ、身体の乗り換えも現実となる。一方で、記憶の改ざんや盗難といった違法行為が横行していた。そんな時代を生きるカイバは、星を巡りながら失われた記憶を取り戻していく。
カイバの詳細情報
「カイバ」の制作会社や監督、キャスト、主題歌アーティストなどの作品に関する詳しい情報をまとめています。作品づくりに携わったスタッフや声優陣をチェックして、より深く物語の世界を楽しみましょう。
制作会社 | マッドハウス |
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原作者 | 湯浅政明 |
監督 | 湯浅政明 |
脚本家 | 湯浅政明 |
キャラクターデザイナー | 伊東伸高 |
主題歌・挿入歌 | 加賀美セイラ |
出演者 | |
カテゴリー | アニメ |
制作国 | 日本 |
公開日 | 2008年4月10日 |
カイバのエピソード
「カイバ」の各話タイトルとあらすじを一覧で紹介します。物語の展開や登場キャラクターの変化を振り返りながら、印象的なシーンやストーリーの流れをチェックしてみましょう。
01 | 名はワープ | 壊れた部屋の中で目覚めた男・カイバ。記憶を全て無くしている。自分が何者かも分からないまま突如襲われ、自分を知る男・ポポに助けられる。ポポの助言により自分のボディを売り、宇宙へと逃げて行くことになるが…。 |
02 | 密航 | 簡易ボディのカバに乗り換え、宇宙旅客船に密航したカイバ。同じく密航していたコチュという少女と出会う。カイバのボディを買ったパームが、快楽の果てに死亡する。保安官バニラによって密航がばれたカイバは脱出ポットで宇宙へと逃げて行く。 |
03 | クロニコのながぐつ | 不時着した惑星トトで、少女クロニコと出会う。彼女は、家計を助けるためにボディを売ろうとしていた。だが記憶は捨てられ、ボディさえも捨てられる。クロニコのボディに乗り込んだカイバは、バニラの助けにより再び宇宙船での旅に出る。 |
04 | ばあさんの記憶の部屋 | 宇宙船が立ち寄った、灯台の星ババ。そこに住む灯台守のばあさんは、じいさんの死を未だ受け入れられずにいた。ばあさんが隠した宝の在りかを聞くよう孫から脅されたカイバは、ホーレイトーを使い記憶の中に入り、ばあさんと語り始めるが…。 |
05 | 憧れの星アビパ | 最先端の身体や記憶が安く手に入る惑星アビパ。そのボディ生産工場にしのびこむ1人と1匹。身体や記憶の取替えに抗議し商品にいたずらを続けるパッチとキルト。彼らに同行したカイバは、豊かなこの星の秘密を知る…。 |
06 | 筋肉質な女 | 惑星ロロ。墜落したおんぼろ船を助けに行ったカイバは、老夫婦と彼らを助けた屈強な男ゲルと出会う。なぜかゲルの事が気になるカイバ。そんな中、記憶タンク爆破事件が起きカイバたちにも捜査の手が伸びる。 |
07 | 記憶に残らない男 | 海の星ネネ。閉ざされた地とは知らず、月リベラに向かうカイバとバニラ。バニラから逃れ、ホーレイトーでスキャンしていたゲルの記憶をのぞくカイバ。そこには自分の過去が…。一方で爆破犯をかくまった罪で二人を追う公安は、そこまで迫っていた…。 |
08 | 化けの皮 | 一想団のリーダー格・ポポ、記憶チップを使用した団員に厳しい制裁を下す。だが、それが正しいことなのかが分からずに苦悩する。そんな中、サテがワープの秘密を探りあててくる。様々なことを知っていくポポ。そして、ダダの正体も知ってしまうことに…。 |
09 | ワープを討て! | 宇宙から送られてきたカイバの記憶データを、カイバのボディに注入するキチ。そこを襲撃するポポたち。自分の体に戻ることが出来たカイバだが、目覚めたとき、目の前には自分を狙うネイロの姿があった。お互いにかつての記憶を忘れたまま…。 |
10 | カイバ | カイバとネイロが出会ったころの記憶…。空から落ちてきた男、それを助けたネイロ。記憶を失っていた彼の世話をし、「カイバ」と名づける。やがて愛し合うようになるが、記憶を取り戻したカイバはネイロの前から姿を消してしまう。ネイロを驚かせたカイバの正体とは…。 |
11 | まわるファン | ダダが隠し持っていた宇宙船で宮殿に昇っていくポポ。すべてのカラクリを知り、何も恐れるものがない。すべてをのみ込もうと、宇宙から飛来してくる植物。それを利用し、自分が新しい支配者になろうと野望を抱く。だが、その運命は…。 |
12 | みんな雲の中 | 記憶を全て取り戻したカイバとネイロ。そこに現れる、新しく生まれたばかりの後継者ワープ。封印していた忌まわしい過去の記憶にもがき苦しむカイバを優しく包むネイロ。そこに全てをのみ込みながらやってくる植物。果たしてその結末は…。 |
感想・レビュー
第7話前後までは圧倒的に面白いが、後半は置き去り感が強く、作り手の狙いが伝わりにくかった。
記憶は人間の本質を成すものであり、たとえコピーであっても、その存在は独自の人格を持ちます。分岐した記憶は別の個人を形成する一方で、まったく異なる記憶が融合した場合、どのような結果をもたらすのでしょうか。すべての記憶を取り込んだ存在は、果たして善か悪か。AIの時代において、その実験が可能になりつつありますが、恐ろしい結果を招くのではないかという不安が募ります。
キャラクターデザインがとても魅力的です!人間の記憶や思考といった形のないものの表現がユニークでした。
### 記憶と忘却について
記憶は呼び起こすたびに脳内で再構築されていて、古くからあると思われる記憶も実際には最近形成されたものである可能性があります。また、再構築の過程で印象を変えることが容易であり、記憶に関する捉え方が少し変わるだけで全く異なるものに変えられるのではないでしょうか。
作品のように直接的ではありませんが、現在の技術では自分や他人の記憶を操作することが可能であり、人間は日常的にそのようなことを行っています。
それは人間の生存戦略の一つであり、自分が選んだ記憶や他人から影響を受けた記憶を通じて、人格が形成されるのかもしれません。
一方で、記憶と身体を別物と考えた場合、特定の身体に蓄積された取り外せない記憶も存在するのではという疑問があります。記憶があれば身体を変えても同じ人格を維持できるかというと、必ずしもそうではないと私自身は考えています。そして、作品中でもそのようなテーマが描かれていて、非常に興味深かったです。
また、自分の記憶だけでなく周囲の人々の記憶も人格を形成する要素の一つだと感じています。
WOWOWの深夜帯にひっそりと放送されたこの作品は、湯浅政明のオリジナル作品らしさを存分に見せている。生命体の記憶とアイデンティティ、そして愛を軸に据えた物語は、ウェットでベタベタ、ストレートでありながらも純粋な感動を届ける。こうした湯浅作品の要素は個人的に少し苦手な側面もあるが、細部を詰めず大枠で語る語り口が、寓話としての魅力を引き出している。
フリーハンドで描かれるカートゥーン風の画造りは軽快で、細かな筋立てはある程度ざっくりしている。そのざっくり感が逆に作品世界の温かさと自由さを際立たせ、強く気になることはない。
ただ前半の「銀河鉄道999」のような1話完結のロードムービーと比べると、本筋のクライマックスはやや弱く感じる。最後まで畳み方が急ぎ足に見える場面もあり、畳んだ感が強いのも事実だ。
それだけに余韻を長く残す仕掛けをもう少し工夫していれば、ラストの惹きがさらに深まったかもしれない。エピローグを付ける選択があれば、物語の余韻をより長く楽しめたのでは、という感想も浮かぶ。
総じて、独創的な世界観と感情表現が光る湯浅政明のオリジナル作品。深夜のWOWOW視聴ならではの体験として魅力的だが、終盤の締め方には賛否が分かれるところ。
「面白いと言わなければセンスがないと思われそうな作品選手権第1位。内容は特にわからなかったけれど、面白かった。」
前半はイメージが先行し、物語が頭に入ってこない印象がありましたが、後半になると違和感を取り払いつつ、最終的に愛というシンプルなテーマに落ち着きます。
湯浅政明監督の初期の代表作とされるこの作品は、記憶を自由に移動できる世界を舞台に、若い体を入れ替えられる富裕層と、財力がなく記憶だけが残る貧困層との対立、そして記憶を司る王を巡る陰謀を描いています。
湯浅監督らしい自由度の高いアニメーションと、抽象的でダイナミックな表現が際立っていますが、他の作品に比べて序盤は少々とっつきにくいと感じるかもしれません。しかし、徐々に物語の全貌が見えてくると、この独特な世界観に魅了されることでしょう。盛り上がるまでに少し時間がかかる印象もありますが、隠れた名作と呼ばれるだけの価値がある作品でした。
独自の世界観に没入し、SF要素に強く引き込まれたが、次第に筋や謎がつかみにくくなっていった。それでも圧倒的な雰囲気が最高だった。
独特な世界観に魅せられて進むうち、SF寄りの展開にすっかり引き込まれた。しかし、どんどん理解が追いつかなくなる。にもかかわらず、雰囲気だけは抜群だった。
独特の世界観に引き込まれ、SF感に惹かれる一方で、物語はだんだん把握しにくくなっていった。でも、雰囲気は最高だった。
独自の世界観を堪能し、SF要素に釘付けになったが、次第に意味が分かりづらくなっていった。それでも雰囲気の良さが際立っていた。
独特なパース感や不思議な生き物が満載の湯浅政明ワールドが全開のアニメだと感じた。しかし、他のアニメ(例えば、スペース⭐︎ダンディの湯浅回に似たeunyoung choi回)を見ていると、カイバの独自性は意外にもeunyoung choiの影響が大きいのではないかと考えた。湯浅とは異なるeunyoung choiの質感を探求してみるのも良いかもしれない。
グッドトリップ その良さを言葉にするのは難しいので、実際に体験された方が早いでしょう。もっと早く出会いたかった。この五感と記憶の深い関係を考えると、身体を失って記憶だけを引き継ぐという発想は面白いですね。自己同一性を記憶と仮定して進む未来が1000年後に実現するかも!?と思えてしまいます。肉体からの解放には賛否があり、今の時代では宗教的な要素も含まれる分野ですが、「記憶って厄介なものね、一つ回復すると他の思い出もついてくる」と言ったほむに対し、「それはそんなに悲しいことじゃないよ」と返したさやかの言葉が、記憶の大切さを教えてくれるのです。これからの100年時代、人類はすべてを記憶しているわけではなく、常に忘れ続けて生きています。今この瞬間の感情や風景がとても愛おしくて、人生とは思い出や愛、大切な人々との刹那的なキラキラしたものを集める、一人旅のようなものでしょう。たとえいつか記憶が消えても、認知症は脳の神経細胞の死滅によって引き起こされるため、すべてが失われると肉体だけが残ることになります。それはやはり死に向かう一歩なのです。また、神経細胞と海馬が自分を形成すると仮定した場合、肉体がなければ認識ができません。このアニメの中では少数の権力者が支配する世界を描いていますが、植物に全てを食べさせても結局バランスが崩壊することで理論が成り立たないのです。量産工場の話からも、どんな小さなものでも個性が必要だと感じます。入れ物としての器と自我が補完的に共存し、「世界」と「自己」を構築しているのです。全体としてこれは人類補完計画のようなテーマで、うつ病やその他の問題からトリップした時にこういう思考に陥るのは神経への影響で自己が認識できなくなるからでしょう。それが世界と一体化することなのかもしれません。戻れなくなったら怖い、自爆する前に精神が先に死んでしまうのです。永遠に近い流れの中を彷徨う自己意識、SF的な観点から見ても非常に興味深いテーマです。2008年には「自分って何だろう」と考えていたことが、こんなに広がるのはこのアニメが完璧に表現しているからでしょう( ᷇࿀ ᷆ )。歴史上にもこうした考えを持つ人々がたくさんいたでしょうが、人間って本当に面白いですね。
形が変わっても、記憶を奪われても、いじられても、心の絆は決して引き離せない