1987年8月1日に公開の映画「ゆきゆきて、神軍」を今すぐ視聴できる動画配信サービス(VOD)を徹底紹介。この記事では「ゆきゆきて、神軍」のあらすじやキャスト・声優、スタッフ、主題歌の情報はもちろん、実際に見た人の感想やレビューもまとめています。
ゆきゆきて、神軍が視聴できる動画配信サービス
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ゆきゆきて、神軍のあらすじ
ニューギニア戦に参加していた独立工兵第36連隊の奥崎謙三は、戦後23日を経た後、現地で2人の兵士が射殺される事件があったことを知る。義憤に駆られた彼は、当時の5人の上官に問いただし、事件の真相を尋ねるが、誰も口を開こうとしなかった。
ゆきゆきて、神軍の詳細情報
「ゆきゆきて、神軍」の制作会社や監督、キャスト、主題歌アーティストなどの作品に関する詳しい情報をまとめています。作品づくりに携わったスタッフや声優陣をチェックして、より深く物語の世界を楽しみましょう。
感想・レビュー
衝撃的な映画だった、怪作と言える。
戦時中に人肉を食べたという事実が認められている。
終戦後、日本軍の上官に処刑された日本兵。その処刑が罪によるものなのか、人肉食を理由にされたのかは不明だ。
奥崎謙三の暴力性と狂気に満ちた正義感。彼をここまで狂わせたのは戦争の影響である。
彼の礼儀正しさと暴力の間にある距離感が、さらに異常さを際立たせている。
追求する側にも正義があれば、黙秘する側にもまた正義が存在する。
戦死した人々も生き残った人々も、英雄のような美しい存在ではなく、その時代の国家による犠牲者だと再認識した。
人を食べていたのか。
自分の曽祖父も、戦争について一言も語ろうとはしなかった。
十年超えぶりに再視聴。ドキュメンタリーの内容そのものより、日本兵が日本兵を食べている場面には、日本人としてそういうことも起こり得るだろうという醒めた感想を抱いた。食べる・眠る・隠れる、という戦時の国民性が色濃く表れていると改めて実感する。
・これを見てどう感じればいいのだろう
・信じるものが多いための宣教、強要、抑圧
・暴力に対する新たな視点(特に現代において)
・ドキュメンタリーとしての重要性を感じる
思想より信念と執念何度観ても圧倒される。これを観ると日曜のフィクション番組が見られなくなるほどだ。密着撮影で監督の手腕も見事。『ゆきゆきて、神軍』というタイトルは強烈すぎる気もするが、それだけの力を持つ作品。狂気を抱えた人物だが、言葉遣いは丁寧で基本的な礼儀を忘れないのが好印象。幕末の志士はこんな姿だったのだろうかと想像が広がる。戦地の体験は、狂気だけでは語れない理不尽さと地獄のような現実を伝える。とはいえ戦場でも捕虜になっても同じようなことをしてしまう点が印象的。UNEXTで観ると字幕が表示されず音声が聴き取りにくいのが残念。
奥崎謙三という人物。あまり好きではないけれど、完全に嫌いになることもできなかった。しかし、最後にはその思いも消え、完全に嫌悪感を抱くようになった。彼自身も戦争に翻弄された一人だと思うと、最初は少し同情も感じたが、自分の正義を掲げる一方で、相手の意見には全く耳を貸さず、暴力に訴え開き直っているのを見ると、やはり受け入れがたい。”やったことには責任を持つ”と言っていたが、それが正当化されるわけではない。戦争という異常な状況で生き残った人々は、必ず何らかの業を抱えている。その辛い経験を語ることが弔いになる部分もあるかもしれないが、何度も自分の中に留めると決めた男の元に無断で押しかけ、カメラを持ち込み、挙句の果てに暴力を振るうなど卑怯だ。山田さんのところを訪れたシーンは特に辛かった。上官の息子を「息子でもよかった」と銃殺し逃げるなど、責任を取ると言っていたのは一体何だったのか。大抵の映画は、最初嫌いであっても観終わった後に「まあ、分からないでもないかな」となるのだが、これは全くもって不快で、どんどん嫌いになっていった。しかし、ドキュメンタリー作品としての評価が高いのは理解できる。観て良かったとは思うが、心身ともに疲労感が残った。「人間が作った法ではなく、神が作った法に反しない者が勇敢だ」という思想が広がることは恐ろしい。このような危険な考えが反戦と結びつくことには、個人的には反対だ。この映画が証明するように、終わりなく争いが引き起こされるだけだから。
昔から観たかった作品だが、レンタルで見られず待ち続けてやっと視聴できた。
自分が正しいと思うならこれからも暴力を振るうと語っていたが、それは戦争を始める側の理屈に過ぎない。
自分の正義を振りかざすだけの男で、主張には破綻を感じる。
戦時下、敵味方を問わず人肉食が日常的に起きていたという事実を、鮮明に捉え映像として残しているだけで貴重な傑作だ。奥崎謙三のピカレスクロマン的側面は、現代の視点では薄れてしまうかもしれない。しかしこの時代を体験した戦争の証言者は着実に減りつつあり、いまや全員がいなくなってしまうのかもしれない。いや、まだ生きている人もいるはずだ。いずれにせよ、この記録は戦争の歴史を伝える貴重な資料である。
自分の信念に真摯に生きる人をこれほど見たことはない。心の奥から湧き上がる怒りが、画面越しにも伝わってくる作品でした。どんな人にも一度は観てほしい、まさに名作というべき作品です。
原監督の作品が一気にU-NEXTで見放題になっていると知り、友人の勧めもあって前から見たいと思っていたので、わくわくしながら視聴をスタートしました。冒頭からの衝撃的な前科と車のシーンには驚かされました。奥崎さんは、現在で言うところの「ヤバい人」そのもので、近づいてはいけない存在だと感じました。そのため、彼を追いながら撮影するという本作は本当に素晴らしいです。今の時代に堂々と「〇〇を殺せ!」と言える人なんていないでしょう。
とはいえ、最初は「この人、ちょっとヤバいかな?」と思っていたのも束の間、正義や真相のために奮闘する奥崎さんの熱意に圧倒されました。インタビュー中の丁寧な話し方の裏には、強い怒りが潜んでいて、その言葉の一つ一つが非常に重く感じられます。
奥崎さんの恐れ知らずの姿勢は、見ていて清々しいほどです。上官たちの「こいつ絶対嘘ついてるやん(笑)」というような話し方に対して、視聴者としては手を出したくなるほどイライラするのですが、普通なら手を出せば捕まるところ、彼は実際にやってしまう。そこには、「やってはいけない」というラインが存在しないのです。
真相が曖昧にされるくらいなら、自ら暴行して逮捕されることや相手に罵詈雑言を浴びせられることを厭わないその姿勢には、もちろん非難の声もあるでしょう。しかし、ここまで恐れを知らずに自分の思いを実現するために動けるのは、正直言ってかっこいいと思いましたし、羨ましくも感じました。彼にファンがつくのも理解できます。
「豚」という言葉には衝撃を受けました。人間は極限の状況に置かれると、そこまでしてしまうものなんですね。人間をそうさせる戦争がいかに凄惨だったか、再認識しました。平和は決して悪いことではなく、今の世の中にはとても幸せを感じていますが、本作のような作品を時折観ることで過去を知り、自分を引き締めること、幸せをかみしめる時間は絶対に必要だと思います。
必要なら暴力も辞さない。手段を問わない危険な人物を、まざまざと見せつけられた。