2024年10月19日に公開の映画「グレース」を今すぐ視聴できる動画配信サービス(VOD)を徹底紹介。この記事では「グレース」のあらすじやキャスト・声優、スタッフ、主題歌の情報はもちろん、実際に見た人の感想やレビューもまとめています。
グレースが視聴できる動画配信サービス
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グレースのあらすじ
第76回カンヌ国際映画祭 監督週間正式出品の話題作。ロシア南西部の辺境、乾いた風が吹くコーカサスの険しい山道を舞台に、無愛想な16歳の娘と寡黙な父親が移動映画館として野外上映を続け、ポルノ映画の海賊版DVDを密売しながら北へと旅する。母親の不在が二人の関係に影を落とし、車内には重い沈黙が漂う。荒涼とした風景の中で生きる人々との儚い出会いが連なり、やがて辿り着くのは世界の果てのように荒廃した海辺の町。娘は見えない未来から抜け出すため、ある決断を下す。
グレースの詳細情報
「グレース」の制作会社や監督、キャスト、主題歌アーティストなどの作品に関する詳しい情報をまとめています。作品づくりに携わったスタッフや声優陣をチェックして、より深く物語の世界を楽しみましょう。
| 監督 | イリヤ・ポヴォロツキー |
|---|---|
| 脚本家 | イリヤ・ポヴォロツキー |
| 出演者 | エルダル・サフィカノフ クセニャ・クテポワ ジェラ・チタヴァ マリア・ルキャノヴァ |
| カテゴリー | 映画 |
| ジャンル | ドラマ |
| 制作国 | ロシア |
| 公開日 | 2024年10月19日 |
| 上映時間 | 119分 |
グレースの公式PVや予告編動画
「グレース」の公式PV・予告編動画を紹介します。映像から作品の雰囲気やキャストの演技、音楽の世界観を一足先に体感できます。
グレースを無料で見る方法は?
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感想・レビュー
街へ出て公園の遊具を見てみたい。そんな子どもの一言が、山間部の現実を端的に表している。ここには本当に何もなく、成長したらこの子どもたちは最寄りの都市スタヴロポリへ向かうのだろう。日本製のポルノはモザイクがかかっているせいで不評だ、という台詞も印象深い。推測だが、劇中でスマホを使う人が出てこないのは、海外の制裁で最新機種が入らないためか、家計が厳しく型落ちのPCしか買えないためか、あるいはその両方なのかもしれない。『ネットが普及したらどうする?』という台詞があることから、パソコンはあってもインターネットには繋がっていないのかもしれない。メインキャラクターである娘と父には名前がなく、役名は父と娘。静かで、音楽も流れず、人の話し声と環境音だけが響く。二人は目的を持たず、ただ旅を続けていく。個人的には、もう少しドラマと音楽が欲しかった『ノマドランド』のような荒涼さをもう少し見せてほしかった、と思う。とはいえ、期待していたのと違ったからといって低評価にするのは筋違いだろう。甘めに採点したのはそのためだ。
荒涼としたロケ地には、かすかな優しさが静かに宿っている。ポラロイドの風合い、柔らかな光を生むフィルムの質感、そしてゆったりとしたカメラワークこれらを一つずつ丁寧に撮影したカットが積み重なり、ひとつの作品として形になっていく。
– 最後の持ってき方はいいなと思ったけど、私には刺さらなかった。
– 最後の持ってき方は悪くないと思ったけれど、私には刺さらなかった。
– 最後の持ってき方は良いと感じましたが、私には刺さらなかった。
最初の儀式で父に近づいた気がし、二つ目の儀式では母と距離ができたように感じた。しかし、真意はまだはっきりとは掴めない。娘のこれからの世界が、車の行き先のように寒村ばかりでないことを願う。
ロシアの辺境でバンライフを営む父と娘の物語。非常に厳しい状況にいるにもかかわらず、過度な共感を避けるかのように冷静に描かれているのが印象的だ。娘の感情の微妙な変化と、先を見据えた眼差しが心に深く響いた。
ロシアの映画監督たちは、タルコフスキーの死後、ズビャギンツェフ、ソクーロフ、コンチャロフスキー、ゲオルギー・ダネリアらが負担を引き継ぎ、やっとイリヤ・ポヴォロツキーが仲間に加わる。北コーカサスの荒野、見たことのない光景。移動バンにはコンロとミニボンベがあり、左には自転車、荷物が上に載せられ、後ろには半円形のカーテンレールがついたシャワーヘッドがある。フツーカメラは,被写体を待つことに無限の時間をかける。特に何もせず、何も語らない少女の横顔。ロシアの地方のサービスエリアでは、オヤジが「おすすめは?」と尋ねる。父が「何が?」と返すと、オヤジは「日本のはモザイクだらけだ」と言う。父は「きっと韓国か、ラオスだ」と言い、オヤジが「ロリコン系は?」と尋ねると、父は「これしかない」と応じる。すなわち、海賊版を売っていたのだ。バンの中で、思春期の娘と並んで寝ている。娘は光る玩具のプラネタリウムを抱いて眠り、車の外からはカーテンの隙間から光が漏れている。そこには、バリアで保護された安全地帯がある。父親役はゲラ・チタヴァリーで、「96時間」を「96分間」にした感じ(笑)。スクリーンを組み立て、移動映画館で食べ物を楽しむビール2本とチップスで450ルーブル。ショッピングモールで300枚のディスクを買い、バンの中のプリンター️でパッケージを印刷し、ダビング。父が「大丈夫か?」と尋ねると、娘は「どうして?」と返し、父が「映画は?」と聞くと、娘は「いい感じだよ」と言う。続いて父が「ウケそうか?」と尋ねると、娘は「多分ね」と答え、娘が「ポルノも焼いとく?」と冗談を言うと、父は「何だって?」と驚き、「俺がやっとく」と申し出る。殺風景な道路脇で、どこかのオヤジが一人で露天本屋を開いている。1冊50ルーブルで売られ、相手を見るや密造酒を見せ、「ドライハーブ入りで200、憂うつを和らげる」と言う。売っているオヤジが憂うつそうで、新聞紙️に包んで渡す。客が去ると、オヤジはフラスコを取り出して飲み始める。村では映画上映が行われ、村人たちは家からイス🪑を持ち寄って集まる。「大人2枚400」と言われ、DVDは「1枚150」と尋ねられ、パニック映画と共に、父は若者に500ルーブルでポルノを売ってしまう。夜の校舎には青年たちが集まり、ノートパソコンでポルノ鑑賞をしていた。DANGERと告げると、村の親たちが追いかけてきた️️️️疾風のごとく、レーザーラモンHGのように木立を抜けて進むと、手に持った石🪨が何かに当たって窓ガラスにひびが入る。オヤジは林の中で静止した石像のようになっている。観客を共犯者にするのはやめて欲しい。汚染された村を舞台に、廃墟の圧倒的な迫力がある。気象観測所では宿屋も運営している女が、「1階は湿気で、床が冷たい。ネズミが出ても騒がないでね」と言う。娘が「明日の天気は?」と尋ねると、女は「予測はしない。ただ観測してデータを送るだけ」と答え、「あなた、美人ね。年はいくつ?」と訊ねるが、娘も女も答えることはなかった。ラストで娘が「車を止めて」と言い、だいぶ走った後、やっと止まった。娘は海岸を歩き、海に入ると、母の遺灰を流す。そこから、娘はだいぶ歩き去り、カメラは海を映したまま、1ミリも動かない。母の目線で遠くの車を見つめ、やがてバンが動き出す。
いい。最後のシーンは、胸を打つほど印象的だった。
私の父は感情を口に出さないタイプなので、二人で旅をしたらこんなふうになるのかなとふと考えた。母がいなくなると、家の空気は一気に寡黙になる。とはいえ、あんなふうでもちゃんと愛してくれているんだ。
KODAKで収めたコーカサス地方。途方もなく美しく、それでいて冷たく険しい景色の連続だ。走馬灯のようだ。肉眼でもじっくり見てみたいが、あまりの寒さで息が止まりそうだ。
果てなき旅路の先にあるものは、不安と憧れの間で揺れる思春期の少女が大人へと踏み出す通過儀礼を描く寓話的ロードムービー。
ロシア南西部の辺境、乾いた風が吹くコーカサスの険しい山道を赤いキャンピングカーで北へと進む父と娘。二人は寒村に寄るたび野外上映の移動映画館を開き、男たちに海賊版のポルノDVDを売って日銭を稼ぐ。だが放浪は終わりがなく、少女は胸の内に次第に不満を募らせていく。母も友もいない。心が安らぐ場所もない。唯一の慰めは、ポラロイドに収められた風景と人々の記憶だ。思春期の娘と父の間には、やり場のない感情が漂う。「海に行きたい」と、彼女は静かにつぶやく。
ある日、二人はいつものように小さな村落で野外上映を開く。集まった住民の中には、退屈な村に鬱屈を抱える少年がいた。彼の目には、旅を続ける親子は自由を謳歌しているかのように映っていた。翌日、少年は衝動に駆られるようにバイクで彼らを追う。やがて彼らが辿り着いたのは、世界の果てのように荒廃した海辺の町。少女は、終わりなき放浪の日々から抜け出す決断を下す。
パーティーのあとは大勢が姿を消す。いちいち騒ぐな。すぐに戻るさ、お楽しみが終わればという台詞は、本作が東欧の民話を下敷きに世代間の断絶と少女の成長を描くロードムービーだと謳われる一因だ。だが、私はその読み取りに至らなかった。長回しのカメラワークと最小限のセリフ、ぼんやりとした状況描写は、雰囲気映画を好む人には響くかもしれないが、私には何か掴みどころのない作品だった。
唯一際立って良かったのは、少女のファッションだ。ムートンジャケットに白い薄手のワンピース、ブーツという組み合わせのダサ可愛さが、作品の別の魅力として印象に残った。映画本編というよりも、そのファッションに目がいってしまう、そんなちょっと残念な作品だった。
ロゼッタのような雰囲気のロードムービーで、戦争の前触れを感じさせる内容がとても良かった。ゼロの表情が印象的だった。
セリフが少なく、間の取り方や固定カメラのロングショットが印象的な映画だった。説明が省かれているのか、自分が見落としているのかは分からないが、理解しづらいシーンもあり、少々難しく感じた。
映像は全編フィルムで撮影されており、非常に美しく、ノスタルジーを感じさせた。
ドライブインシアターは日本にまだ存在するのだろうか。ぜひ行ってみたい。