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The Son／息子の感想・評価

1. しんのすけ

   2025年12月21日

   つい親を責めてしまう自分がいる。あの先生にも、保護者ともっと話してほしい。

2. 鈴木二郎

   2025年12月17日

   妻のベスと赤ん坊の息子セオと共に暮らすピーターの元に、元妻ケイトが訪れる。彼女から、息子ニコラスが不登校であることを知らされ、ピーターはニコラスと話をするが、不登校の理由は不明だ。そこで、ニコラスが「父さんと暮らしたい」と願うのを受け、ピーターは新しい生活を始めることになるがその展開には不安が漂う。ピーターの問題児ぶりが明らかになり、最初に話した際には、ニコラスが学校に行かなくてもいい選択肢を容認しなかったことが「難あり」の兆候だった。毎朝ベスがニコラスを起こす様子からも、結局十分な関心を寄せられていないことが見て取れる。理想の父親であろうと苦しみ、ニコラスはいつまでも6歳のままの姿で、離婚による傷が影を落としている。こうした中で、彼の魅力を見出すのは難しい。息子のメンタルに関する理解が乏しいピーターは、息子がリスカをしているにもかかわらず、適切な対応ができていない。精神科医の「罪悪感は捨てて。愛情では救えない」という言葉が重く響くが、彼の思いを直に伝えてくれるのは良かった。最後に抱える幻影、夫としての成功や感謝される父親像を捨てきれない様子がもどかしい。ニコラスが本当は物書きになりたかったことには、いつ気づいたのだろうか。

   ピーターの父親像は問題の根源であり、自分の感情を整理できない彼は「確かに愛していなかったが、いつまでそのことを言うのか」という態度が清々しさをもたらす。ピーターもこのくらい割り切れたら良かったのかもしれない。彼は可哀想で、我が息子で、父親としての意識を持ちながらも、なかなか優しい言葉をかけられない。アンソニー・ホプキンスの存在を知らずに「ファーザー！」と叫んでしまったが、その後の彼の表情は恐ろしいほど冷たさを帯びている。

   ニコラスとピーターの関係には、恋愛感情に近いファザコンの側面があるのかもしれない。母親の言葉に影響されたのか、ベスを嫌う気持ちも理解できる。父親から受けられなかった愛情を独占したい、という思いが、逆に彼を苦しめるのかもしれない。ピーターと話すときの楽しげな表情と、ダンスの際の微妙な表現が印象的で、しかしピーターがベスと踊り始めると、ニコラスの表情が変わり、彼の孤独が際立つ構成がとてもきつい。

   ケイトはピーターに頼らざるを得ない自信の無さがあり、離婚後の悪口や自己否定も影響しているのかもしれない。ニコラスとのハグができたことは良いが、切なさが残る。カメラ目線になったときのニコラスの表情に心動かされる場面も印象的だった。

   ベスはピーターが既婚者であることを知りつつも、離婚後の状況を考慮していたのだろう。ピーターの浮気は問題だが、様々な事情から彼が一番悪いことを理解せざるを得ない。ニコラスの世話を拒否する母親としての姿勢も良かった。彼女の「なんでだよ」という反応が印象に残る。赤ちゃんに何も起こらなかったことを心から安堵しながら、物語を見守っていた。

3. にしやん

   2025年12月11日

   そのような結末に至ったのは、遺伝が影響して抗うことができなかったとのことで、「？」という感じだった。希望があるようで実はない話。

4. みやこ

   2025年12月8日

   離婚した両親の間で心に深い傷を負った17歳の少年の物語

   『でも、どれにも向き合えない。だって、苦しいんだ。ずっとそうなんだ。もう疲れた。苦しむのに疲れた』

5. B2mama

   2025年12月4日

   医師にニコラスを精神病棟に入院させるべきだと説得され、入院を決意した瞬間、心は複雑だった。最愛の息子があんなにもつらそうにしているのを前にして、一緒に家へ帰りたいという思いは抑えきれないが、それを受け入れて痛みに耐えるしかないのか、悪者になってまで守らなければならないものがあるのかと自問自答する。つらい、でも父親だから、という葛藤。涙ぐみながら決断を受け入れるべきか自問していると、ふと引き返して家へ戻り、ドアをバーンと閉めてしまう自分に気づく。ピーターもこれまで辛かっただろう。しかし、あの場面で息子を病院に入れる決断ができないのは弱さだと見なされることもある。思想が違う。痛みはきついものだろう、でもお前が背負わなければならない痛みだったのではないのか

6. にゃるらとほてぷ

   2025年10月29日

   序盤から結末が見えてしまう。
   親の適性や資格については、もっと真剣に考える必要があると思う。

   チラシには「完璧な親はいない。そして、完璧な子どもも」と記載されているが、親の無責任さや自己都合を甘やかしているとしか思えなかった。

   私の身近にもニコラスのような人がいたため、ヒュー・ジャックマンが演じる主人公には嫌悪感を抱き、「ざまぁ」としか思わなかった。
   主人公と元妻を見て、「私もニコラスになってしまうかもしれない」と気づいたとき、少し不穏な気持ちになった。

   自分たちではどうしようもないのに、なぜ専門家の意見を素直に受け入れないのか理解に苦しむ。「治療は両親の役目ではなく、医者の仕事です。自分の子どもにはおかさないリスクがあります。愛情の問題ではなく、彼を守るためです。このような状況では愛は力になりません。愛だけでは治せない」
   #映画365本ノック

7. 影造

   2025年10月26日

   まだ入院させられる状況になったとき、ニコラスはすべてに裏切られたと感じただろう。周囲の非難や、自分を病ませた父親に見捨てられるのではないかという不安。これは誰のせいでもない。ニコラス自身が気づいてほしくて、傷ついてしまったのだ。医師は百人以上の患者を診てきた経験から、退院が危険だと強く告げるがゆえに、ニコラスには敵意を向けられてしまうこともある。両親はニコラスの命を守りたい一方で、本人の意思も尊重したい。結果として最悪の事態を招いてしまった。日常へ戻ったことは救いだったが、また鬱の症状が現れたときにあの地獄の日々へ落とされるのではないかと彼は不安を抱えた。入院中、親から見放されたくないという気持ちが強く、結局すべてを終わらせる決断を下した。正直、自分の苦しみと重ね合わせて辛くなり、銃社会で簡単に行動できてしまう現実が怖かった。私たち子どもは、心からの謝罪と対話を求めていただけなのに、親になるとプライドや体裁で固まってしまう。親のようにならないと決めていたはずなのに。ローラ・ダーンの演技は、本当に素晴らしかった。

8. ホロホロ

   2025年10月23日

   生きることがどうしようもなくつらい人がいる。その幸せの形を、周囲が勝手に推し量ることは不可能だそんな真実を徹底的に描いた作品だ。

   物語の終盤で描かれるのは、妄想の中の息子。彼は異性愛者として結婚を望み、小説家を目指し、冒頭には父親への謝辞が置かれている。最後まで、子を自死で失っても、この父は「立派な息子」であり続けることを望む。救いのない、ただただ絶望的なラストだ。命が助かるかどうかよりも、たとえ死んでも親と子が理解しあえないことへの深い絶望が残る。

   親が子にできることは本当に一つもないのか。もしあるとすれば、それはありのままを認めることだけだ、と思えるこの物語は、そんな結論へと私を導く。

9. nanasi

   2025年10月18日

   社会適性と親適性は異なる概念だよね。銃があれば、同じ選択をした人は多いかもしれない。ヒュー・ジャックマンのスーツ姿は本当に似合っていた。

10. 杉山 真

    2025年10月12日

    医師があれほど忠告したにもかかわらず、無理やり退院したのに、あの子を一人でキッチンに立たせるな。銃の隠し場所を変えておけ。

11. chinta

    2025年10月10日

    人間の痛みを描くべき映画なのに、あまりにも人間像が整いすぎている。観る者の知性を信じていない脚本だと感じる。劇中、アンソニー・ホプキンス扮する祖父が、幼い頃から不満を抱える息子に放つ一撃のセリフ『いい歳した男が10代の過去に引きずられて情けない。いい加減、成長しろ』こそ、その欠点の象徴だ。

12. 松本尚也

    2025年10月1日

    この親ならそうなるよね、という答え合わせの連続に、心が疲れる。子どもの頃に夢中になった『ダレン・シャン』の9巻・19章・20章レベルの絶望感を思い起こさせる、そんな近さだ。随所で救いの幻影を見せて観客を安心させる一方で、次の瞬間にはそれを粉々に崩すような力強い落とし方が待っている。その繰り返しがずっと続き、ご都合主義に逃げないその誠実さが、逆に心に深く刺さった。

13. みにまむ

    2025年9月28日

    どうすればよかったのかな。離婚前には戻れないし、今は旦那と離婚しないように頑張ります。精神病院から帰った後の不安定な気持ちが耐えられなくなってしまった。しかも、それが父（アンソニー・ホプキンス）からもらった銃だなんて、本当に皮肉で辛い。お父さんの妄想が悲しい。

14. 伊達男

    2025年9月25日

    誰に焦点を当てるかで感じ方は変わりますが、両親のエゴが強く感じられました。
    親が抱く「普通の日常を取り戻して、順調に生きてほしい」という願いは、必ずしも本人の希望や理想と一致するわけではない。とはいえ、親として幸せを願うのは当然のことです。
    外から見ると様々なことが見えても、当事者になると判断や選択はさらに複雑になり、常に最良の選択ができるわけではないでしょう。

    周囲の人々は原因や本人からの説明を求めているように見えましたが、それは表面的な解決を求めている楽な道に過ぎないと感じます。気持ちや思考は簡単に説明できるものではなく、それだけに本人も苦しみや疲れを抱えています。
    その一方で、本人は自分の辛さや気持ちの波を最も理解しているのに対し、支える側はそれを想像するしかありません。身近な支援者が最も悩ましい存在かもしれません。彼らにも異なる苦しみや葛藤があるはずです。

    展開が分かりやすいシーンがあったからこそ、この映画は一層引き立っていました。

15. ミキモト

    2025年9月24日

    最後の最後でどん底に落とされた「愛だけでは治せない」という言葉が重くのしかかる。とにかく救いようのないストーリーだ。完全な悪者が存在しないのに、物語はどんどん暗い方向へ進んでいく。父親の視点から描かれているため、息子の感情にはあまり共感できないのも辛いところだ。結局、退院の決断を下したのも、息子に嫌われることを恐れていたからかもしれない。その結果、嫌われるよりもさらに悪い結末を迎えることになった。愛の力がどのように働くのか、それを見失ってしまった。