2021年4月9日に公開の映画「椿の庭」を今すぐ視聴できる動画配信サービス(VOD)を徹底紹介。この記事では「椿の庭」のあらすじやキャスト・声優、スタッフ、主題歌の情報はもちろん、実際に見た人の感想やレビューもまとめています。
椿の庭が視聴できる動画配信サービス
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椿の庭のあらすじ
かつて夫と語り合い、子を育てた家。今は孫娘の渚とともに絹子が暮らしている。夫の周忌を終えた春の朝、世話していた金魚が静かに息を引き取り、椿の花に包まれて土へ還った。命あるものはやがて朽ちる。家と庭で起きるささやかな出来事や過去の記憶を慈しみながら日々を過ごす絹子のもとへ、ある日一本の電話がかかってくる――。
椿の庭の詳細情報
「椿の庭」の制作会社や監督、キャスト、主題歌アーティストなどの作品に関する詳しい情報をまとめています。作品づくりに携わったスタッフや声優陣をチェックして、より深く物語の世界を楽しみましょう。
椿の庭の公式PVや予告編動画
「椿の庭」の公式PV・予告編動画を紹介します。映像から作品の雰囲気やキャストの演技、音楽の世界観を一足先に体感できます。
椿の庭を無料で見る方法は?
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感想・レビュー
上田義彦の写真展が、映画の特別上映と同日開催。直前に観た写真の数々を思い返すと、ひとつひとつの構図が冴え抜けていて、やはり写真の人だと納得する。ただ静かすぎて、油断すると意識が飛びそうになるほどだ。おっと、危ない。
葉山館のすぐ近くの細い道を抜けて砂浜へと出る風景を、私は歩きながら素敵だなと思っていた。その道が映画で海へと続く場面として映っていて、とても嬉しかった。
ストーリーを追うより、日本の美を映し出す作品だと感じた。庭や家屋、家具、風景といった要素が、写真のように美しく切り取られている。しかし私が一番心を動かされたのは、富司純子が着物を着るシーンだった。着物はもうしばらく着ていないので、ひとりでは再現できないかもしれない。
ああ、写真展に行きたいなと、しみじみ感じながら鑑賞していました。絵が素晴らしく、隙がない印象を受けました。そのため、映画作品として評価すると、点数は低くなりそうです。
銀幕短評(#805)「椿の庭」
2020年、日本・2時間8分。
総合評価 67点。
老母(富司純子)とその孫娘(シム・ウンギョン)が高台の自宅で静かに暮らす。時間がゆっくりと流れ、静かな出来事だけが進展する。まばたきの刹那には何も起きず、人生を時間にゆだねる贅沢さを描く、極上の師筋。椿は咲き、また落ちる。咲く、落ちる、また咲くそんな循環が、画作として非常に高品位だ。
監督はカメリハ(本番前のカメラリハーサル)に徹底してこだわる。役者の芝居とカメラが勝負をつける、極めてシンプルな映画だからこそ成り立つ作品で、舞台のように内部を固めた作りになっている。
老母は娘と孫娘に遺言を託す。遺言の扱いについては『灼熱の魂』で詳しく書いたが、本作もすらりと物語を運ぶ。
ただし、ラスト10分はあまりにも強烈で強引な手のひら返し。意図は理解できるが、無理がありすぎて大きく興ざめする。結果として得点を大きく落とし、全体としては凡庸作にとどまってしまった。
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老母は万年筆で誰かに手紙を書いた。その紙の手紙の効用については『ラストレター』で書いた通りだ。また『四月の永い夢』では、私が日本人男性の上位5%に入るほどラブレターを書いてきたと書いたこともある。花の名をよく知っている度合いについても、私は日本男性の人口の上位5%に入ると自負している。映画で描かれる花々も多く、知識が随所に生きている。話は眠くなってきたので、続きはまた改めて。
おやすみなさい。
葉山の美術館で上田義彦展を3回観て、クイノールトに魅了されました。内田也哉子さんとのギャラリートークでは彼の人柄を垣間見ることができ、美術館の図書館で『椿の庭』の写真集を手にしたときに、この映画がどうしても観たくなりました。しかし、アマプラの見放題が 土曜日には美術館で上映会も予定されているのですが、待てません!ついに初のアマプラレンタル!笑上田義彦さんの優しさが溢れる映像美に惹き込まれました。庭の花や虫たちが季節の移ろいを感じさせてくれます。椿、藤、紫陽花、蓮が揺れる光と影の中、そよ風のようなカメラワークや波の音が心地よいです。特に富司純子さんの美しい所作に見入りました。作品のストーリーも素敵ですが、この映像の美しさに心奪われてしまいました。金魚の弔いや椿の花、夫を見送り、最後には自分自身や家も(家はさすがに忍びないですが)朽ち果てる命をどう扱うかを示唆しているように感じました。音楽の使い方も素晴らしく、『try to remember』を聴くと、思わず涙がこぼれそうです
上田義彦さんの【いつも世界は遠く、】を葉山で観賞し、期待以上のアートワークに驚かされた。
あたたかな闇に包まれ、穏やかな光が広がる。
上田さんの映像作品と葉山の景観が見たくて足を運んだ。
〈美しい世界〉
生命の輝きと儚さが共存する、美意識が生み出す空間。
写真や映像には、撮影者の視点が映り込む。
何に焦点を当てるかで、世界の見え方は変わる。
天真爛漫でサバサバした桐島カレンさんも、上田さんの慈愛のフィルターを通すと、神秘的な存在感が漂う。
渚役のシム・ウンギョンさんの清らかさ、富司純子さんの所作の美しさ、鈴木京香さんの安定感、和洋折衷の家屋と庭の佇まいも印象的だ。
遠くを眺める景色の中に、真実があるのかもしれない。
「ごきげんよう」の三浦透子さんのお姿も素敵で、3回観ても新たな味わいがある。
音楽と映像が心に沁み渡り、穏やかで優しい気持ちになる。
映画としてじっくり楽しむべき作品だった。 #佇まい#家#庭#藤棚#着物#鏡#お辞儀#憧憬#美の保存#水平線#アウトフォーカス#無#ヤモリ#花#命#記憶#喪失#静寂
ネタバレ注意|神奈川県立近代美術館 葉山で開催中の企画展「上田義彦 いつも世界は遠く、」関連イベント上映会を観賞してきました。
家屋の圧倒的なシズル感を映像で体感させる表現が光る作品。商業写真の枠を超え、物語性を垣間見るような視点を貫く上田義彦の手腕に、観る者の五感がしっかりと引き寄せられます。コロナ禍で過剰化した丁寧な暮らしという語感が遠ざかるほど、引き戸の閉じ方ひとつで登場人物のキャラクターや心情が伝わる。その暮らしの空気食事、家屋、家具が、視覚以外の感覚にも染み込むように感じられる2時間。
本作は、祖母・母・娘・孫・亡くなった姉という四人の女性を軸に展開する物語。奥方の桐島かれんさんをはじめ、娘さんや生家の親戚といった上田氏を取り巻く大家族の女性像が、作中に静かに反映されているのだろう。庭へと抜けるスーツ姿の男性の遺物感は、家が売られるという状況と相まって嫌悪をも喚起するが、それも適切なキャスティングがあればこその複雑さである。彼らに罪はない。
それでも、現場の作業員ですら庭の前では絵になる。数多の有機的な植物に囲まれた無機的な機械、着物やワンピースに似合わない事務的な作業服に付されたソクテイ(測定)という響きが、逆に可笑しさを生む(BGMにヴィオラのビブラートが重なる場面ならなおさら)。進む手続きを前に、人々は悲しく無気力になる。
この物語の軸は家の売却に見えるが、真のモチーフは庭であることを忘れてはならない。金魚や蜂など命が消える瞬間は、おばあちゃんの手で椿の花に包まれ、庭に弔われる。地に足のついた生命の循環と確かな時間の流れが、庭という場所に宿る。家族が大切に手入れし眺めてきた庭は、家族の変化や家の歴史を見守る主体でもあり、そうした「椿の庭」に宿る真実の時間こそが本作の核だろう。
そして今日も、上田氏はあの庭へと帰っていく。はしゃがない、はしゃがない。
#上田義彦 #いつも世界は遠く #神奈川県立近代美術館 #葉山
思い出は場所や物に宿る。
いつまでも写真として残しておきたい映画。
その中に品と美しさがある。
良い映画だった。今年観た邦画の中で、間違いなくベスト3に入る作品だ。
自然光が室内へ差し込む美しさと、陰影の中に浮かぶ透明感は言葉に尽くせないほど。映像のひとつひとつがとても美しく、もしかしたら撮影は写真家の視点だったのかもしれない。桐島カレンさんのご主人のようにも見える。撮影は自宅を使ったらしく、藤棚とツツジ、紫陽花が映える庭が画面を彩る。
自然が身近にたくさんあるということは、さまざまな生命の営みを近くに感じられるということ。そんな風景の中で、同級生の家に大きな木がたくさんあり、昼間でも暗くて怖かったあの記憶がふとよみがえる。羨ましいと感じたあの感覚も、今では別の角度で見える。
富司さんが着物を着て庭に立つ佇まいは美しすぎて見入ってしまう。思い出とともに、こんな風情のある家と庭を手放したくないと感じる。暮らしを大切にしてきた人の家と庭には、きっと金木犀の匂いもただよってくるはず。家の中に風が入るたびに、いい匂いが立ち上がる情景も思い出される。
途中から涙がこぼれそうになり、何度も涙があふれてくる。作中のさまざまな思いが胸を打つのだけれど、富司さんの存在は儚く、切なく、それでもとても美しい。
椿が再び咲いたように、時間の経過が富司さんの命を削るようで胸が痛む。思い出にすがって生きることを愚かだと断ずる人もいるが、前を向くことだけが正解ではないこの映画を観れば、その意味がきっと伝わるはずだ。
上田義彦さんの写真の艶っぽさは映像作品にも色濃く表れており、そのレンズを通して世界を見てみたいと強く願わずにはいられない。海外の風景を撮るイメージが強いだけに、今回のように日本の風景をもっと撮ってほしいと感じる。