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ファヒム パリが見た奇跡の感想＆レビュー

1. Kujira

   2025年10月20日

   素晴らしいね。好みのジャンルが言わなくても伝わる賢い子供、父親の深い愛情、少し不器用な先生、可愛らしい仲間たち、的確にサポートしてくれる事務員の女性、皆素晴らしい。移民問題は様々なケースがあって難しいね。先生の恋が実ったら嬉しかったな〜最後に和解できる大人の対応ができていて素敵だった。

2. タダオ

   2025年9月29日

   バングラデシュから政治難民としてフランスに亡命したチェスの天才少年の実話を基にした物語です。父親は申請が却下され、不法就労を余儀なくされて警察に追われる一方で、周囲の子供たちはファヒムを受け入れ、言語の障壁を乗り越える優しさに心温まります。
   移民や難民の問題はどの国でも賛否が分かれ、まさに現代を反映した映画と感じました。

   ジェラール・ドパルデューがファヒムにチェスを教える教師役を演じ、差別意識の強い彼が少しずつ変わっていく様子も印象的でした。

3. asan

   2025年9月18日

   実話を基にした父と息子の亡命譚。バングラデシュからフランスへの逃避行という設定には興味を惹かれます。実話ベースの映画としては、現実に起きたことの重さが伝わってくる点が魅力です。

   ただ、作品全体としては情報の提供が不十分で、背景の描き方が弱いと感じます。まず主人公の家族がなぜバングラデシュを離れる必要があったのか、その動機が伝わってこない。なぜ少年があれほどチェスに強くなれたのかも、背景の描写が乏しく推測に頼るしかありません（賭けチェスで生活費を賄っていたのか、など）。もし可能なら、そうした点をもっと丁寧に描いてほしかった。

   ほかにも、バングラデシュに残された家族がどう生計を立てていたのか、なぜ生き延びられたのかといった点が不明瞭です。半年ほどで息子がフランス語をマスターする天才設定が、全体の都合良い展開につながっているようにも見えます。唯一心に残ったのは、インド人通訳による嫌がらせの場面くらいでしょうか。

   総じて、あらゆる面で描き方が不足しており、クライマックスのカタルシスを得にくい作品です。『実話です』と終盤で本人たちの映像を流す演出は、最近よく見かける定番の手法に感じられ、少し物足りなさが残ります。

   それに、フランスの描かれ方にも違和感を覚えました。同時期に日本で公開されたラジ・リ監督の『レ・ミゼラブル』と並べて観ると、国家や制度の描写の温度差がさらに目立つ気がします。

4. B2mama

   2025年6月14日

   バングラデシュ出身の少年ファヒムはチェロの天才。彼の聡明そうな佇まいと力強い目つきは、ジェラール・ドパルデューと互角の存在感を放ちます。息子の才能を伸ばすため自分を犠牲にする父親の姿や、愛らしいチェス仲間たちといったキャラクターが揃い、本作は心温まる魅力に満ちています。終始微笑ましい気持ちで鑑賞できました。

5. にわとり

   2025年6月6日

   チェスの天才少年ファヒムが亡命先のフランスでの成功を描いたノンフィクション映画。テーマは興味深いが、盛り上がりに欠け、全体的に平坦な印象を受けた。また、ファヒムの生意気な態度が魅力に欠け、感情移入しづらい部分があった。シルバンの指導のもとでチェスを学んでいたが、彼の才能が特異過ぎて、実際にどれほど技術を身につけたのか疑問が残る。成長を感じるシーンをもう少し増やしてほしかった。最終的には、仲間や師匠との出会いを経て、特例としてバングラデシュの家族とフランスで生活できるようになった点は良かったのだろう。

6. 孔明

   2025年5月27日

   ファヒムが投了しそうになったとき、宿敵デュファーくんの見せた「うっひょ～」という表情が素晴らしく、その前の追い詰められた苦悶の表情と合わせて、ごはんを3杯もいけそうだ。

7. くいち

   2025年4月17日

   この手の映画には本当に弱い。ファヒムも先生も、チェスクラブの子どもたちもみんな可愛すぎる。フランスの難民問題は、外部の目で見るか内部の視点で見るかで受け取り方が変わる。この子が偶然チェスができて、幸運にも良い人たちに恵まれたからこそ起きる出来事を難民の話として捉えると、複雑さが浮き彫りになる一方でとても面白かった。チェスのルールは全く分からないけれど、分かるようになればこの子の天才ぶりがもっと伝わるのだろうか。

8. 石田彰

   2025年3月25日

   この映画は移民問題を軸に物語が展開し、難民申請の現実と社会的弱者の立場を浮き彫りにします。日本では政治的話題として受け止めにくいものの、チェスの才能を活かすため、身の安全を確保する手段としてフランスへ渡る選択には現実味があります。バングラデシュ人の難民申請者たちは社会的に弱い立場に置かれ、その不安定さが場面の随所で伝わってきます。言語の壁や翻訳の誤解が彼らを不利に追い込み、難民申請の必須アイテムとして家族写真が提示される場面では、写真を規定サイズに切られる描写が強く印象に残ります。

   若者が海外で実力を高める動機はチェスだけでなく囲碁の世界にも見られ、劇中にも国境を越えた才能の移動が示唆されています。呉清源が中国から日本へ渡り、晩年に「囲碁の神」と呼ばれた逸話も参照点となります。主人公ファヒムは聡明で、言語や文化の習得を早く進めますが、父親は言語や文化の壁に阻まれて弱い立場に置かれます。過度な批判には見えませんが、努力の過程をもう少し明確に描いてほしかったと感じる部分もあります。

   似た作品として『ボビー・フィッシャーを探して』が挙げられますが、こちらは社会問題というより親子の絆と少年の努力を温かな雰囲気で描く作品であり、本作とはトーンが異なります。映画としての成功体験の描写はありますが、難民申請者全員が住まいを得られる国など現実には存在しません。結果的に不法移民となる側面もあるものの、ファヒムの才能と幸運で結末は希望寄りに終わる一方、やや強引にまとめられているとの印象も否めません。制度が完璧に機能する国はなく、結末の納得感には賛否が分かれますが、制度の限界と人間の希望が交錯するドラマとして成立しています。

9. 伊達男

   2024年12月15日

   献身的なお父さんの愛に涙がこぼれた。国の文化の違いをユーモラスに描く演出が印象的で、良かった。

10. 中平一樹

    2024年12月13日

    嫌味を言ってきた相手に、感謝の気持ちを込めて握手する。自分もそんな人間になりたい。