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ヒノマルソウル～舞台裏の英雄たち～の感想＆レビュー

1. 96猫

   2025年9月19日

   ヒノマル特攻隊。

   自身の人生を捧げてきたアスリート。その重みは外部者には到底理解できない。五輪という世界の舞台に立つこと自体、凡人には測りかねる才能や努力を要するものだ。
   五輪に出場した選手が期待外れの結果を出すと、マスコミは容赦なく彼らを叩く。中には嫌がらせの手紙を書いたり、今ではネットでの誹謗中傷が横行するが、これも選手へのリスペクトが不足しているからだろうか。未だにナショナリズムを掲げる人々が多く存在するのが要因かもしれない。
   五輪というスポーツの祭典に政治的な要素を持ち込むべきではない。五輪は政治的に中立であり、ナショナリズムを駆使する道具にされてはならない。アスリートが純粋に達成した成果を称賛すればいいのだ。
   これには一理あるが、五輪ほど政治利用されてきたスポーツイベントはない。言わば五輪は国同士の代理戦争であり、面子をかけた血を流さぬ戦いなのだ。そのためナショナリズムが強まる。かつて原田氏が「戦犯」と呼ばれた事例がその象徴だ。
   そんなオリンピックを無条件で歓迎できない自分がいる。
   前置きが長くなってしまったが、本作はアスリートが味わった挫折と心の浄化を描いた作品だと感じて観賞した。
   リレハンメル五輪で、金メダルが期待されながらも団体競技の厳しさから銀メダリストとなった田中圭が演じる主人公・西方は、次回こそ金メダルを目指す意気込みを持っていたため、失敗した仲間の原田を責めることもなかった。しかし、彼に不幸が訪れる。腰の怪我で戦線を離脱し、若手選手が台頭する中で焦りを感じる。必死のリハビリを経て復帰した西方は初戦で勝利するが、結局代表から外れてしまう。

   もはや彼にかける言葉はない。どんな言葉も無意味に思えるのだ。あなたの気持ちはわかるとは口が裂けても言えない。ここまでの試練を受けた彼の心がどのように浄化されていくのか。
   引退を考えていた西方は、コーチからテストジャンパーの誘いを受ける。消極的ながらも引き受けたが、集まったテストジャンパーたちは実力もキャリアもさまざまな寄せ集めだ。元オリンピアの彼にとっては屈辱的なポジションだが、五輪とは無縁の彼らにとっては名誉あることなのだろう。無関心に彼らを見つめる西方。その中でも特に目立つ女子高生・小林。彼女は女子の正式な種目ではないにもかかわらず、一縷の希望を胸に参加している。
   彼女の純粋な情熱に触れ、徐々にバラバラだった集団が団結し始める。しかし、西方は未だに飛ぶ意味を見出せずにいた。

   ついに運命の日が訪れる。メダルがかかる五輪本番、悪天候で中止も考えられる中、全選手が転倒せずに飛べれば競技再開と告げられる。
   トップ選手でさえ危険な状況での飛行は非情だ。この提案はあまりにも無理があり、主人公は反発する。メダルのために犠牲になれというのか。この悪天候で飛べば命の危険すらある。国のために死ねというのか。彼の主張は正論だった。
   まさにそれはお国のための特攻隊そのものだった。
   すると、これまで厳しく当たってきた監督が声を上げる。ここにいる選手はただの寄せ集めではなく、今後のジャンプ界を背負うトップ選手になるべき人材なのだ。そんな貴重な才能を無謀な運命にさらすわけにはいかない。この正論に対抗する言葉は見つからない。

   そんな中、女子高生の熱い発言が響く。女子の正式種目ではない中、彼女にとってこの舞台は大切な五輪の場なのだと。彼女の言葉に触発された選手たちが「飛ばせてくれ」と懇願し出す。驚くべきは、先程まで彼女に危険性を諌めていた南川までもが賛同していることだ。彼女には何か不思議な力があるようだ。どんな状況下でも人々の心をつかみ、反対を賛成に導く、さすがは注目のアイドルだ。

   実際、国の命運が懸かる中で飛ばない選択肢はなかったのかもしれない。この時、テストジャンパーたちを鼓舞したのはベテランの西方氏だったとも言われている。
   しかし本作はドキュメンタリーではなく、実話を基にしたドラマであるからこそ、脚色も重要だ。ドラマ内で無謀な挑戦と異議を唱えた以上、それを覆すだけの説得力が必要だった。それがあの女子高生の言葉だとしても。この流れには違和感を覚え、完全に取り残されてしまった。
   確かに無事にテストジャンプが成功した事実はあるが、本作ではどのように飛ぶことになったのか、観客に納得させる narrativesが求められた。正直、この件の直前まではほぼ完璧な作品だと感じていただけに、クライマックスで主人公がどのように浄化されるのか、期待していたのに、それが見事に打ち砕かれた。
   その後、実際の通り、日本チームは見事に金メダルを獲得するが、感動的な瞬間を見ても私の心には波及しなかった。
   実話を基にしているとはいえ、ドキュメントではなくドラマとして描かれているので、重要な部分の脚色が欠けてしまうと物語に入り込むことはできない。本作は途中までは素晴らしかっただけに、クライマックスへの期待が高まった分、残念な気持ちが強い。

   ちなみにこの作品で感動を得た人たちには申し上げたいが、もし一人でも転倒し、死者が出ていたら、美談どころではなかっただろう。メダルも得られず、危険な行為を強いていたとして大問題になったはずだ。すべては結果オーライという話か、先の戦争とは違い、特攻が良い方向に転がったわけだ。

   追記。現在の政権はこのコロナ禍にあっても五輪開催に突き進んでいる。国民の生命と健康を無視してまで。
   本作の特攻隊のように結果オーライなら、次の選挙も楽勝だ。しかし、無謀な決断が国民の命を奪う事態を引き起こしていることも事実だ。
   公開延期の後に、今や公開を迎えた本作に素直に喜べない自分がいる。

2. 読書の虫

   2025年9月12日

   – 長野オリンピックのジャンプ団体金を裏で支えたテストジャンパーたちの物語。主人公は、選考に漏れた西方選手がリレハンメル五輪に出場した人物だ。
   – 長野オリンピックのジャンプ団体金を陰で支えたテストジャンパーたちの軌跡。選考落ちの西方選手を主人公に据え、リレハンメル五輪への出場までを描く。
   – 陰の立役者たちが築いた長野オリンピックのジャンプ団体金。主人公は、選考から漏れた西方選手で、リレハンメルオリンピックへ出場したエピソードを追う。

3. タダオ

   2025年7月2日

   長野五輪のスキージャンプ競技で、厳しい吹雪の中で跳躍を敢行したテストジャンパーたちの実際の物語を描いたドラマです。
   五輪を観戦していましたが、華麗な金メダルの背後にはこんな秘話があったとは全く知りませんでした。テストジャンパーたちの実際のエピソードに深く感動しました。
   脚本、演出、演技が涙を誘う（あるいは泣かせる）映画の理想形のようで、非常に視聴しやすかったです。
   田中圭、土屋太鳳、古田新太の自然体の演技も素晴らしかったですが、特に原田雅彦役の濱津隆之の絶妙な似具合が印象に残りました。

4. どんぺー

   2025年7月1日

   楽しかった！
   スキージャンプは恐怖を感じるけど、飛ぶこと自体が素晴らしい！

5. ちうべい

   2025年6月27日

   スキージャンプには個人戦と団体戦がある理由がいまいち分かりにくい。

6. こしあん

   2025年6月21日

   オリンピックのジャンプを題材にした作品。メダリスト達は実名で登場するが、主人公の西方はとりわけヤバい存在感を放つ。これ、本当なのか？団体戦でジャンプを失敗したエース・原田を執拗に恨み続ける。『原田のせいで金を逃した』と恨みを募らせる。自分が選考から落ちると、酒場のスナックでの生活に没頭する日々。原田が再びジャンプすると、心の底から失敗を願ってしまう。やばい。後半、テストジャンパーとして自分の役割を見出す西方だが、赤く酒焼けした表情は終始印象的だった。不倫の話題は次々と露呈するが、ギャンブルに関するネタには沈默を守り、結局は逃れ切った。なかなかタフな人物だ。

7. やくもい

   2025年6月21日

   実際の状況は分からないが、このまま進むようなら、これを美談として受け入れていいのだろうか？
   「他の選手に金メダルを獲らせるために、危険な天候でテストジャンパーを跳ばせる」ような行為は、極端に言えば戦中の日本軍のようなもので、現代では成果至上主義のパワハラとも解釈できる。ジャンパーの意思に基づいているとはいえ、それによって責任を回避しているとも捉えられなくもない。
   自分としては、これを美談とは考えず、教訓として心に留めておきたい。

8. りょうま

   2025年6月20日

   – 長野オリンピックの感動を経て、本作にも深く感動しました。
   – 長野オリンピックで感じた感動が、本作にも再び蘇りました。
   – 長野オリンピックの感動を思い出させる本作にも、同様の感動を覚えました。
   – 長野オリンピックの感動を経て、本作にも心を動かされました。
   – 長野オリンピックの感動に続き、本作でも強い感動を味わいました。

9. つかまる

   2025年5月21日

   名に残らないジャンパーの感動秘話。1998年長野冬季五輪・男子スキージャンプ・ラージヒル団体戦で奮闘したテストジャンパーたちの姿を描く感動作。私は当時12歳でしたが、この決勝を見た記憶があり、彼らの活躍を本作で再認識しました。登場人物の人間模様と葛藤が丁寧に描かれており、心を打つドラマです。田中圭さん、山田裕貴さんはもちろん、小坂菜緒さんの演技が特に印象に残り、作品の真の主役だと感じました。#映画 #2021年 #東宝 #スポーツ #オリンピック

10. shin

    2025年5月5日

    選手たちの素晴らしさを感じたり、長野の裏側ではメダル獲得のために奮闘していたことに気づかされた。また、女子選手にとっても障がいがあっても、登場のタイミングには運が影響するのだと改めて思った。