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高崎グラフィティ。の感想＆レビュー

1. 中西智代梨

   2025年10月24日

   高校卒業後、突然の時間の余白ができたというエピソード。

   シンプルに言えば「これからどうする？」という問いが浮かび上がるけれど、特に明確な答えはない。

   卒業式の後、勢いで集まった男女5人。特別親しいわけではないけれど、その日はなぜか気が合った。夜通し遊び、朝日が昇る頃にはみんなで朝ごはんを囲んでいた。あの夜明け前の雰囲気、もう二度と味わえない感覚があって、非常に懐かしい。

   それぞれが少しずつ抱えている悩みがある。問題の重さは関係ない。一人で抱えている時の悩みは、いつでも大きなものだから、もし一人で難しいなら誰かに話せばいいし、話したくなければ無理に話さなくても構わない。

   ただ、共有したときに「わかるよ〜」と軽く言われるのはちょっと困る。そういうことではないのだ。気がつけば衝突が起こり、「なんでそんなにムキになってるの？」といった雰囲気に。しかし、そこには現実味があると思う。

   この映画の魅力は、そんな小さな感情の揺れを丁寧に描写しているところにある。行動や言葉にはしっかりとした理由があり、物語を進めるためのセリフではなく、その人が伝えたかった言葉として描かれている。

   だから、観る人によっては「なんだこいつら」と感じるかもしれないが、その背後にある微妙な感情を感じ取れるかどうかで、この作品の良さは大きく変わってくると思う。

2. 影造

   2025年9月26日

   苦しい、苦しい、みんながそれぞれ素晴らしいキャラクターだ。
   大人にも子供にもなりきれない中途半端な時期の無力さと真っ直ぐさがとても鮮明だ。

   この物語がフィクションで良かった。この子たちの未来に悲しい出来事が訪れずに済んだのは幸いだ。

   きみしまさんにも幸せが訪れますように。
   𝑩𝑰𝑮 𝑳𝑶𝑽𝑬(^-^)

   駅周辺や烏川の河川敷、中銀や観音など、思い出がいっぱい詰まっている。
   人生で最も苦しかった時期を高崎で過ごして、いい街だなと思う。

3. 岡田倫太郎

   2025年9月16日

   2018年、群馬県高崎市の高校を卒業した5人の物語。登場人物は吉川美紀、佐藤玲、大塚寛子、岡野真也、阿部優斗、萩原利久、関谷直樹、中島広稀、河合康太、三河悠冴。美紀の父・吉川正晴（演：渋川清彦）は、娘が服飾学院へ入学するための入学金を持ったまま姿を消す。寛子は同棲を始める彼氏の浮気疑惑に揺れ、優斗は先輩に保険金詐欺を強要される。優斗にはヤンキー風の友人がいる。登場人物の父や職業として、君島和樹（演：奥野瑛太）は優斗の父、川瀬陽太は中古車販売所の社長、JOYはカフェバーの店長。

4. 田貫

   2025年9月9日

   地元高崎を舞台に、5人の高校卒業後の2日間を描いた青春群像劇。印象的なのは、彼らを取り巻く社会的尊厳を失った大人たちだ。入学金を振り込まずに失踪する父親、第一志望の大学に行けなかった子供を叱る母親、妊娠中の妻を持ちながら女子高生と密かに関係を持つ30代のカフェ店長、保険金詐欺を働く地元の先輩など。高校生活という一つの青春を終えながら、彼らはまだ何にでもなれる可能性を持っているのに対し、周囲の大人たちは皮肉にも責任から逃れようとしている。「私たちの日常を、大人たちは青春と呼んだ。」というキャッチコピーが示す通り、単なる「良い思い出」となるような青春ものではない。この作品は、まだ何者でもなく、しかしもう子供とも言えない年齢に達した若者たちのコンプレックスや抑えきれない感情を映し出していた。荒削りな面も多かったが、どこか自分自身と重ね合わせてしまう場面があった。

5. Ayumu Kohiyama

   2025年9月9日

   田舎でも都会でもない高崎の高校生が卒業を迎え、新たな世界に踏み出す前の一瞬を描いた作品。
   都内へ日帰りできる立地だけれど、地元を離れて上京することは、当時の感覚とは異なり、まるで異世界への旅のように感じられるものだ。
   同級生同士の嫉妬や寂しさが生々しく描かれ、共感を呼ぶ場面が多かった。自分の青春とは違う世界ながら、「なんとなくわかる」と思わせるシーンが多く、優しい雰囲気が心地よかった。
   ただ、あの父親に対する娘の気持ちの変化については全く理解できなかった。

6. けいやん

   2025年8月27日

   地元が舞台だったので視聴しましたが、登場人物がどうしても高校生には見えず、ストーリーも大学2年生くらいに感じてしまい、集中するのが難しかったです。

7. カワガラス

   2025年8月8日

   まったく異なる文化だな、、、
   地方から東京への憧れやコンプレックスは経験したことがないが、どうやらこの作品は非常に高精細に描写されているようだ。逆に普遍的な現象としては、斜めに構えて周囲を見下し、表面的な人間関係にうんざりする人たちがいる。これが思春期の通過儀礼だとしたら、しっかりと体験済みだ。合わない友達は、もはや友達とは言えない！
   高校生の頃にこの作品を観ていたら、きっと稲妻が走るような感覚を覚えたかもしれない。親の想いや真の友情といった、そんなクサいことに気づいていたかもしれない。

8. 伊藤直

   2025年8月6日

   群馬を出て本当に良かった！大学生活は最高だと感じている。田舎だけど、ド田舎とは言えない微妙な小規模さが生む「出る杭は打たれる」感。声が大きくて足が速いだけの美人が権力を握って、すぐに泣いて周りを動かす光景が嫌だった。そういうのがそのまま表れていて、普通に不快だった。さらに気持ち悪い存在も現れたし。主人公が「もっと青春を満喫しておけばよかった」と言ったとき、友達が「ちゃんとって何？簡単に言うな」とぼやいていたのに共感したけど、持っていた側が被害者ぶるのはイライラした。結局、一度も手に入れていない人の方が可哀想だと思う。でも、彼女は失ったわけだし、私もそれを経験しているから良しとする。解像度が低いというより、単純に腹が立ったので3かな。パークレーンに卒業後行ったら、1ゲームで28点も出した。前橋のイントネーションが許せない！私は一生「出られなかった人」として地元の人を冷笑し、自分を肯定するのかと思うと、ちょっと性格の悪さに辟易するねこれが群馬が生み出した歪みってやつ。もうどうでもいいかも。

9. 石川哲

   2025年8月6日

   前半の青春パートは一部の役者のぎこちない演技もあって、見続けるのが辛くなりそうだった。後半はある程度予想できた展開だったが、少し感動した。優斗の、冷静に考えれば美紀が喜ばないことに気づかず、突拍子もない行動をとりそうになる部分が共感できる。若さが感じられて良いなと思った。栃木出身だから、高崎の風景に親近感を覚えたし、東京が遠すぎず近すぎない北関東の若者の「東京」像や、高校を卒業して東京へ行く仲間たちが「こんな地元から脱出したい」と感じる一方で、地元に残る人たちをどこか見下すような気持ちも理解できる。ただ、高校に行っていない分、高校生たちのキラキラした部分には共感できず、少し冷めた目で見てしまう部分もあった。「自分を必要としてくれる場所もないし、叶えたい夢も見つからない」という宙ぶらりんな状態は、今でも続いているように思える。

10. 連装砲君

    2025年7月16日

    なんか吐きそう 実体験じゃないけど、都会でも田舎でもない中間の立場にいる高校生と大人の間の、人種への心理的な解像度がすごい。耐えたけど、キラキラ青春の不純物が濃縮されて飲み込んでしまった！

    パズルみたいな物語じゃなく、グラフィティのような表現なのか？
    良かったね。