2015年9月19日に公開の映画「ぼくらの家路」を今すぐ視聴できる動画配信サービス(VOD)を徹底紹介。この記事では「ぼくらの家路」のあらすじやキャスト・声優、スタッフ、主題歌の情報はもちろん、実際に見た人の感想やレビューもまとめています。
ぼくらの家路が視聴できる動画配信サービス
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ぼくらの家路のあらすじ
10歳のジャックは、6歳の弟マヌエルの面倒を見ながら毎日忙しく過ごしている。優しくも若いシングルマザーの母は、恋人との時間や夜の遊びを優先していた。しかし、ある出来事をきっかけにジャックは施設に預けられることに。友達もできず、施設に馴染めないジャックは、待ちに待った夏休みがやってきたものの、母から迎えが3日後になるとの連絡が入る。失望したジャックは、施設から飛び出し、夜通し歩き続けて家に帰るが、母の姿はなく、鍵も見当たらない。携帯電話には留守番メッセージが溜まっていた。ジャックは母に伝言を残し、マヌエルを迎えに再び外に出る。仕事場やナイトクラブ、昔の恋人の事務所まで、母を求めてベルリンの街を駆け回る兄弟。果たして、二人は再び母のもとへ帰ることができるのだろうか?
ぼくらの家路の詳細情報
「ぼくらの家路」の制作会社や監督、キャスト、主題歌アーティストなどの作品に関する詳しい情報をまとめています。作品づくりに携わったスタッフや声優陣をチェックして、より深く物語の世界を楽しみましょう。
| 監督 | エドワード・ベルガー |
|---|---|
| 脚本家 | エドワード・ベルガー ネル・ ミュラー=ストフェン |
| 出演者 | イヴォ・ピッツカー ゲオルグ・アームズ |
| カテゴリー | 映画 |
| ジャンル | ドラマ |
| 制作国 | ドイツ |
| 公開日 | 2015年9月19日 |
| 上映時間 | 103分 |
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ぼくらの家路の感想&レビュー
Netflixリメイク版『西部戦線異状なし』や、今年のアカデミー賞脚色賞受賞作『教皇選挙』で話題のエドワード・ベルガー監督が、2014年に公開したドイツ映画。第64回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品され、国際的な注目を集めた一作です。
監督はドイツ・ヴォルフスブルク出身の55歳。Filmarksでの登録上は本作が彼のデビュー作に近い扱いになっていますが、IMDbのプロフィールでは1994年にニューヨーク大学を卒業後、ドイツで多数の映画・ドラマを監督・脚本として手掛けていたことが分かります。
私自身はこれと『西部戦線異状なし』の2作を観ただけですが、どちらも過酷な現実を前に人間が成長するか、現代社会に対する重いメッセージを描く点で共鳴しています。前者が第一次世界大戦の塹壕を背景に戦争の残酷さと無意味さを、後者では愛情はあるが自分勝手で自由奔放な母サンナと、養護施設に預けられる少年ジャックの困難な家庭を対比させています。
前半から漂う不安感は、セリフだけでなく画面表現の演出として巧みに伝わってきます。サンナが遊びに出る一方で、2人だけで帰宅する電車の場面、ジャックがマニュエルの代わりに自ら池で壊れた船のおもちゃを救出する場面、帰宅後に用意するお風呂の湯張りと、マニュエルのために火を起こす場面など、観る者の胸に2人だけで大丈夫かという不安を常に張り付かせます。
主演のジャック役・イヴォ・ピッツカーは卓越した演技で物語を支えます。弟想いのしっかり者で、母サンナを愛している彼は、朝起きると家事をこなし、帰宅後の準備も手を抜きません。その屈託のない笑顔と同時に見せる現実の厳しさが、ジャックという生き方を際立たせます。
ジャックはサンナからの愛情しか知らず、そのため他者には異様に映る行動も彼にとっては普通です。観客は徐々に、彼が暮らす養護施設での人間関係のゆがみや、家庭からの距離の取り方を目の当たりにします。施設内でのいじめや職員の目が届きにくい環境は、彼の不安をさらに増幅させます。
また、ジャックと同室の友人が使っていた双眼鏡の場面は象徴的です。元々貸さないと言っていた宝物を友人が静かに置き去りにする瞬間には、友情のつながりが道具として描かれており、ジャックが母を探す旅のメモと重なります。やがてこの双眼鏡は、冒頭の船のクダリと同様、池を舞台にした出来事を招き、ジャックの非行へと繋がっていきます。さらに、池は彼の置かれた環境の取り戻せなさを映す鏡として機能します。
物語は、モノを介した人と人の関係性を丁寧に描写。ジャックが友人の優しさを受け取り、彼自身が懸命に生きようとする姿は、視聴者の心に強い余韻を残します。双眼鏡を無言で貸してくれた友人の思いやりと、ジャックが玄関に残したメモの対比は、終盤で特に重い余韻を生み出します。
エンディングの解釈には複数の読み方があります。私は「ジャックは逃げない選択をしたのだ」と受け取りつつ、彼が元の世界と決別する覚悟も感じさせる余韻が胸を締め付けました。作品全体としては、単なる家族ドラマを超え、現代社会の孤立と愛の形を鋭く描く秀作として評価できます。
この作品は、幅広い層の視聴者に観てもらいたい秀逸なドラマです。
2025年10月17日
U-NEXT
母親にネグレクトされた幼い兄弟の物語を、兄ジャックの視点で描いた作品。
ジャックは施設に入っているが、意地悪な年上の男の子を傷つけてしまったため、施設に居続けることができないと感じ、夏休み中に迎えに来ない母のもとへ帰る決意をする。
弟を連れて母を探し回るジャックの姿は、非常に痛ましく映る。
アパートの玄関の前に何度もメモを残し、廃車で寝泊まりしながら、数日ぶりにようやく帰宅するジャックと弟。洗濯された服が浴室に丁寧に干され、ジャックが歯を磨く姿を長く捉えたカメラは印象的だ。
ジャックはこの時、どんな思いを抱いていたのだろうか。
日本のネグレクトに関する作品では、是枝監督の「誰も知らない」で柳楽優弥がカンヌで最年少主演賞を受賞したことがある。
ジャックを演じた少年も、少ないセリフと硬い表情で彼の性格と置かれた環境を巧みに表現しており素晴らしかった。
監督のエドワード・ベルガーは「教皇選挙」の director で、本作では脚本も共同執筆している。ベルリン映画祭でのコンペティション作品で、どちらも「人物に寄り添うカメラワーク」が特徴的だ。
最近の子供視点の作品では、「ブレイグランド/校庭」が子供の狭い世界における孤独と緊張を見事に表現した傑作として印象に残る。逃げられない辛さが描かれている。
本作では、逃げた広い世界での孤独と緊張がテーマとなっている。
どちらの作品も子供の視点からのカメラアングルが観客を引き込む。
子供を主人公にした作品は数多く、ネグレクトのテーマも昔から取り上げられてきたが、本作には新たな視点がないものの、最後にジャックの決断と行動からわずかな希望を見出すことができた。
エドワード・ベルガー監督の『Im Westen nichts Neues』(西部戦線異状なし)と『KONKLAVE』(教皇選挙)に関する作品。
親がいないことで子どもたちが負う孤独と責任を描いています。
有料トイレに隠れて水道水を飲み、コーヒーショップの砂糖を盗んで空腹をしのぎ、廃車で眠り、持ち主に殴られ、道端のベンチで休む子どもたち。しかし、彼らは大好きな母を求めて街をさまよいます。兄弟の後ろ姿が度々映し出され、切なく感じます。
ドイツの批評家の中には、母親を探し回るこのストーリーが退屈で無駄な時間だと指摘する声もありましたが、10歳の少年が6歳の弟をおんぶして深夜のベルリンを彷徨うという現実には、面白さではなく、むしろ大人たちの冷淡さが際立っています。見つからない母親に頼った元彼ですら、自分の子どもでないからと警察に通報しようとする姿に驚かされます。
邦題『ぼくらの家路』はミスマッチです。この兄弟に帰る温かい家はもはや存在しないからです。カメラは常にジャックの視点に沿い、兄弟が抱える混乱やフラストレーション、愛情と安全を求める気持ちが描かれ、原題のJackの方がふさわしいと感じます。観る人の背景によっては、ジャックの選択に様々な意見が飛び交いました。
主演のイヴォくんは、肉体的な負荷と心の疲れを少ないセリフで表現し、見事な演技を見せています。彼はドラマシリーズ『バビロン・ベルリン』で、ハンナ・ヘルツシュプルングが演じるヘルガの息子としても知られています。
ザンナの元彼ヨナス役のヴィンセント・レデツキーも注目です。彼はNetflixドラマ『クレオ』で、イェラ・ハーゼ演じるクレオとのちょっと不気味でドジな工作員ウーヴェ役で出演しています。
Jackは心をえぐるような物語ですので、あまりお勧めはしませんが、時事や社会問題を通じて観る人に訴えかける、ベルガー監督らしい作品です。
少し突き放したような、客観的な視点で人を撮る監督だと感じました。これからも追いかけていきたいと思います️
不在がちな母親のため、10歳のジャックは幼い弟の世話や家事を一生懸命にこなしている。ある日、弟に火傷を負わせてしまい、ジャックは一時的に施設に入れられることになってしまう。若いシングルマザーが自分の時間を優先し、男と遊び呆けるというよくあるストーリー。しかし、健気なジャックは弟を連れて何日もベルリンの街を探し回る。母親は暴力を振るわず、明るく振る舞うため、子供たちはどこか勘違いをしてしまう。ジャックは、母親が男のことしか考えていないことに気づく。そのときの彼の表情には、自然なリアリティがあった。思わず「上手いな」と感じた。そして、ジャックは母親を捨てる決断をする。しかし、母親はそれを察知することはないだろう。原題「JACK」はこの物語にぴったりだ。監督はエドワード・ベルガー。
母親に会うために一生懸命尽くしてきたのに、実の母は何も考えてくれていない気がして、虚しくて腹が立つ。施設で大人しくしていれば、もっと早く会えたのかな。でも、それでも早く会いたい。
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ジャックとマヌエルはいつも手を繋いでいる。母親がいなくても、一人より二人のほうが心細くない。物語の冒頭とラストには画面いっぱいに現れるJACKというタイトルがあり、その意味が変化していることに監督がジャックを見守りエールを送っているようだった。ママが大好きだけど、母親のぬくもりが分かったジャックは弟と一緒に小舟を漕ぎ出す。
一見、ほのぼのした幼い兄弟のロードムービーだと思っていたが、実際は全く異なる展開だった。
まだ10歳のジャックの表情には、全てを理解しているような深い意味がある。お母さんは子どもを愛しているのではあるが、何か重要なものが欠けている人だった。
恋人優先で子育てを放棄してしまうシングルマザーのサナと、長男ジャック。彼らがベルリンの街を彷徨う姿を追う兄弟の物語は、胸が痛くなるが、これが現実として存在する話だ。愛はあるのに、興味が他へ逸れると子育てを放棄してしまう母親も、実際には一定数いるという事実。
ジャックはいじめられっ子設定だが、身のこなしを見る限り運動神経は抜群。子役の演技に支えられた作品で、イヴォ・ピッツカー少年の演技は完璧と言える。これだけ完成度が高いとドイツの至宝と呼んでも過言ではないが、その後の作品がほとんどないのは残念。妖精風の弟も抜群に可愛い。
どうやって育てたらこんないい子に育つのか、とよく言われるが、こういうケースもあるのだ。鍵と双眼鏡のエピソードが切なく胸を刺す。#英断