1999年12月4日に公開の映画「風が吹くまま」を今すぐ視聴できる動画配信サービス(VOD)を徹底紹介。この記事では「風が吹くまま」のあらすじやキャスト・声優、スタッフ、主題歌の情報はもちろん、実際に見た人の感想やレビューもまとめています。
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風が吹くままのあらすじ
テヘランを拠点にするテレビクルーが、クルド系の小さな村を訪れ、村で行われる独自の葬儀の儀礼を取材した。ディレクターのべーザードをはじめとするスタッフは、危篤状態の老婆の容体を見守りつつ村に滞在していたが、数週間経っても老婆の死は訪れなかった…
風が吹くままの詳細情報
「風が吹くまま」の制作会社や監督、キャスト、主題歌アーティストなどの作品に関する詳しい情報をまとめています。作品づくりに携わったスタッフや声優陣をチェックして、より深く物語の世界を楽しみましょう。
監督 | アッバス・キアロスタミ |
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脚本家 | アッバス・キアロスタミ |
出演者 | バフマン・ゴバディ ファルザド・ソラビ ベーザード・ドーラニー |
カテゴリー | 映画 |
ジャンル | ドラマ |
制作国 | フランス イラン |
公開日 | 1999年12月4日 |
上映時間 | 118分 |
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感想・レビュー
知らない場所に来ると、何も起こらないことに焦りを感じることがあるよね。自己嫌悪や葛藤が沸き起こるけれど、自分の力だけではどうにもならないような気がしてしまう。でも、その複雑な感情を美しい自然や出会う人々との会話を通じて、まるで人生そのもののように描いている。子供たちのかわいさも心を和ませる。
何も起こらなかった時間をどう過ごすかということ自体に、貴重さを感じる。あの人の記憶には何も残らないかもしれないけれど、私の人生にもこんな穏やかな一週間があればいいなと思う。たぶん後になって特に思い出すことはないだろうけれど。
独特な風習で葬儀が行われるという噂を耳にしたテレビクルーが取材に訪れる。具合が悪く、長くはないと思われる老婆の死を待つが、その時はなかなかやってこない。
何も起こらず、ただ待つという状況を主人公と共有しながら観客もその時を体感することになる。特別な出来事はない中、宿泊先の家から電波の届く丘まで電話がかかるたびに車で移動する光景は、じれったさと同時に面白さを醸し出す。
ただ、道にいた亀をひっくり返してそのまま車を走らせるシーンには「オイ!」と突っ込みたくなるが、亀が自力で立ち上がった姿を見て、安堵の息をつく。
この映画もまた、観る者に眠気をもたらす。
田舎の独特な葬式を取材するため、危篤との知らせを受けたベーザードは、寝たきりの老婆の家を訪れ、密かに様子を探ります。孫のファザード少年から老婆の容態をこっそり聞いたり、状況を確認するために職場の上司グダルジからの電話を受けるために遠くの丘に行ったりする日々。ところが、老婆は全く死ぬ気配がなく、むしろ徐々に回復の兆しを見せてきて、ベーザードは次第に苛立ちを募らせていきます。
10人目の子どもをあっという間に産んだ妊婦との交流や、愚痴をこぼす穴掘り男ユーセフ、その恋人カクラマンから牛乳をもらう出来事など、様々な人との温かい交流が心にじんわりと響いてきます。小動物への優しい接し方や、オーバーヒートした気持ちを水できれいに洗った車のフロントガラスが象徴的です。
丘の斜面に密集して建つ迷路のような家々の間を、小さな梯子を使って行き来するシーンに魅了されました。願い事のスープや頻繁に振る舞われる紅茶、拾った大腿骨など、印象的な要素が多数盛り込まれています。また、詩の朗読が挿入されることで、独特の深みが加わっています。
この作品もまた、しっかりとジグザグ道を描写していました。
アイボリーの壁とターコイズ色のドアや窓枠、陽の光と影が織り成す美しいコントラスト。自然豊かで広がる風景が心地よく、引きの画が印象深い。
急勾配の土地に密集する複雑な家々。その中で生きる人々の生活とは裏腹に、葬儀の撮影のために老婆の死を待つクルーがいる。
予測不可能なものを追い求める中で感じるもどかしさが見事に表現されている。苛立ちを動物や子供に向ける毒っぽい一面も印象的だ。
声が届かないため、電話が鳴るたびに車を出して丘を登るシーンは、何度繰り返されても飽きずに見入ってしまう。
足元にアヒルの子がいる世界への憧れが募る。政治思想や様々なことがあるけれど、キアロスタミはきっとこの不便で美しい日常を捉えたかったのだろう。
アッバス・キアロスタミ作品
イランの小さな村で、不思議な葬儀の模様を撮影するテレビクルーたち。彼らはある老人の死を待つことになる。
他のキアロスタミ作品に比べると、物語には起伏が少なく、退屈なシーンも見受けられる。主人公は、まるで人生が繰り返しの連続であるかのように、同じ行動を繰り返す。携帯が通じず丘を何度も登ったり降りたりする様子が描かれる。
個人的には、キアロスタミ特有のあざとさが見え隠れし、好みではなかった。例えば、車を走らせた後に交尾している牛がフレームに入ったり、真っ暗な部屋で女性がおまじないをするシーンなど、彼の演出は時に威張ってるように感じられる。
しかし、リクガメを引っくり返す場面から物語は面白くなる。老人が穴に落ちる展開では、葬儀の真相にかかわらず、主人公が老人を救うために奔走する姿が描かれ、彼は自分の役割を初めて理解したのではないかと思わせる。
テレビクルーたちは、言わば他人の死を利用しようとしている。自らの利益のために取り憑かれているのだ。
それに気づかない村人たちは、見返りを求めずに彼らをもてなす。
一見すると対比のようだが、奇妙な葬式の背後にはこの村が抱える特有の事情がある。
両者の根底にあるのは、執着ではないだろうか。物事は執着しすぎると上手くいかないと思う。
土埃にまみれた荒野が、ラストでは対照的な美しい風景に変わる。金色の野をバイクで駆け抜けるシーンは実に美しかった。
おそらくべーザードは、本当の宝物が何かを見つけたのだ。
アッバス・キアロスタミ監督・脚本・製作による作品。テレビクルーが珍しい地方の儀式を撮影するために村を訪れる。実は彼らが狙っているのは葬儀の光景だが、頼りにしていた老婆が一向に亡くならず、今日も元気な様子。困惑するクルーにとって、これは難題だ。
シアターコクーンで上映。「シネマプリズム」
U-NEXTの配信期間に間に合わず、わざわざTSUTAYAで借りてきた。キアロスタミ作品の中では少し影が薄い気がするが、個人的にはかなり好きな作品だ。特に「桜桃の味」以降のキアロスタミの作品は好みで、冒頭では大人たちが詩を頼りに村へ向かい、賑やかに議論している間、映像は素晴らしい風景の引きの画が広がっていて、何とも魅力的だ。2時間、基本的には大人たちの文句が続くが、ビジュアルは圧倒的に美しい。
中盤では、電話に出るために丘に移動しなければならず、村の中心部と丘の往復が繰り返される。主人公たちの目的はなかなか果たされず、意外な形で物語が締めくくられる。後半では主人公が少年やカメに八つ当たりする場面があり、ひっくり返ったカメは自力で立ち去り、少年は謝罪されても許すことはない。事件になりそうな要素はすべて回避され、村の人々の日常に積み重なる感情の変化が描かれ、物語が終わる頃には豊かな時間を過ごした充実感に包まれる。観ている最中も満足感があり、観た後にも満たされる。これこそが映画だと、思わず言いたくなる。
キアロスタミの映画には反復がほぼ必ず存在し、それが作品のリズムを決定づけている。テンポが速くなくても、その繰り返しによって独特のグルーブが生まれ、ダラダラしているのにとても乗れてしまう。