1976年1月4日に公開のアニメ「母をたずねて三千里」を今すぐ視聴できる動画配信サービス(VOD)を徹底紹介。この記事では「母をたずねて三千里」のあらすじやキャスト・声優、スタッフ、主題歌の情報はもちろん、実際に見た人の感想やレビューもまとめています。
母をたずねて三千里が視聴できる動画配信サービス
現在「母をたずねて三千里」を視聴できる動画配信サービスを調査して一覧にまとめました。以下のVODサービスで「母をたずねて三千里」が配信中です。
最終更新日
母をたずねて三千里のあらすじ
イタリアの港町ジェノバに住む少年マルコは、両親と鉄道学校に通う兄と共に質素な生活を送っていた。しかし、次第に厳しい経済状況に直面し、母はアルゼンチンへ出稼ぎに行くことになる。寂しさを押し殺して見送るマルコだったが、やがて母アンナからの連絡が途絶え、心配になった彼は母を探すために停泊中の船に忍び込む。マルコの強い決意に感動した父は、ついに旅に出ることを許可し、母の元へ向かう長く困難な旅が始まるのだった…
母をたずねて三千里の詳細情報
「母をたずねて三千里」の制作会社や監督、キャスト、主題歌アーティストなどの作品に関する詳しい情報をまとめています。作品づくりに携わったスタッフや声優陣をチェックして、より深く物語の世界を楽しみましょう。
母をたずねて三千里のエピソード
「母をたずねて三千里」の各話タイトルとあらすじを一覧で紹介します。物語の展開や登場キャラクターの変化を振り返りながら、印象的なシーンやストーリーの流れをチェックしてみましょう。
01 | いかないでおかあさん | イタリアのジェノバに住む9才の少年マルコは、日曜日の朝、家族で出掛けるピクニックに心弾ませる。だが、それが遠いアルゼンチンへと出稼ぎに行く母親アンナとの最後のひと時である事を、マルコはまだ知らなかった・・・。 |
02 | ジェノバの少年マルコ | 母の旅立ちから、はや1年が経っていた。今日は、鉄道学校へ行っているマルコの兄・トニオが久し振りに帰ってくる日だ。船会社のジーナおばさんから、母から送られた手紙を受け取るマルコ。マルコは、手紙を配達する仕事を引き受ける事を思い立つ。 |
03 | 日曜日の港町 | マルコは、ジーナおばさんから、急ぎの手紙の配達を頼まれる。今日は皆で海水浴の予定だったが、急げば午前中に終わると、マルコは初仕事に駆け出した。午後を回ってようやく戻ったマルコ。ようやく、マルコの楽しい1日が始まる。 |
04 | おとうさんなんか大きらい | マルコは早く一人前の仕事をして、母が家に帰れる事に役立ちたかった。だが父は、いつも自分を子供扱いして話を聞いてくれない。ある時、同級生のエミリオが、病で倒れている母親に替わって家計を助けるため、学校をさぼって働いていた事を知る。 |
05 | なかよしエミリオ | マルコはエミリオに、瓶洗いのジロッティさんを紹介してもらい、学校が終わった後、瓶洗いの仕事を始める。ある日父ピエトロが、世界地図を買ってきた。思わぬ贈り物に喜ぶマルコ。それは父と子の想いが久し振りに触れ合った一時であった。 |
06 | マルコの月給日 | 母が不幸に見舞われる夢を見たマルコ。夜明け前、入港する定期船の汽笛を聞いたマルコは港へ走る。ところが、定期船の船荷に母からの手紙は無い。マルコは母の身を案じる。瓶洗いの給料がでた日、マルコの家の引っ越しが決まった。 |
07 | 屋根の上の小さな海 | 新しい家は、海もわずかしか見えず、マルコは落胆する。屋根を伝って海が見える建物まで行こうと考えたマルコは、ある家で人形を操っている女の子・フィオリーナに出会った。海を見つめながらマルコは彼女に「友達になれるよね」と語りかける。 |
08 | ゆかいなペッピーノ一座 | 人形芝居のペッピーノ一座の踊りに飛び入り参加した、マルコの飼っている猿のアメディオは、客の喝采を浴びる。ペッピーノはお礼にと、マルコを夕食に招待し、マルコの心情を知ると、軽率にもアルゼンチンへ連れて行ってくれると大袈裟に言うのだった。 |
09 | ごめんなさいおとうさん | 父の親友の医師・サンドロを案内するため、マルコが病院に行った時、重体の患者が運び込まれてきた。父は、新しい治療方法の輸血を自らの体で試みる。そこで父の仕事の大変さを知ったマルコは、母が帰ってくるまで父と暮らそうと決心する。 |
10 | かあさんのブエノスアイレス | 風邪をおして街頭に出たペッピーノ一座のコンチェッタは、せき込み倒れやがて病状も悪化してしまう。しかし一座には医者を呼ぶお金もない。通り掛かったマルコは、苦しむコンチェッタ、そして熱を出したペッピーノのために診療所に相談に行く。 |
11 | おかあさんの手紙 | フィオリーナは、病気で療養中のペッピーノとコンチエッタの代わりにひとり人形芝居に取り組む。そんな彼女をマリオネットで励ますマルコ。やがて起こる客たちの歓声。全てが上手く行ったその矢先、マルコは母が病床にある事を知らされる。 |
12 | ひこう船のとぶ日 | マルコが再びアルゼンチン行きを考え始めていた頃、エミリオが飛行船の興業にアイスクリームを作って売ろうと持ち掛けた。アイスクリームは飛ぶ様に売れる。そして彼は、アルゼンチン行きの移民船の乗り込みを、レナートに頼んでくれるのだった。 |
13 | さよならフィオリーナ | フィオリーナは、マルコも一緒にアルゼンチンに行けると嬉しそうだった。だがレナートは、最初から金を騙し取る目論見で、約束は無情にも破られてしまう。そして、マルコはペッピーノ一座の旅立ちの時、母への手紙をアメディオに持って行かせる。 |
14 | マルコの決意 | マルコは父に、1週間前の移民船に乗るつもりだった事を明かす。父は自分が現地へ行くべく、診療所の仲間の医師たちに相談する。その頃、商船フォルゴーレ号の水夫・ロッキーと知り合ったマルコは、翌朝出港するフォルゴーレ号への密航を決意。 |
15 | すすめフォルゴーレ号 | マルコの密航は、コック長のレオナルドに発見される。マルコは、乗せていってくれるよう必死に頼む。そのマルコの熱心さにレオナルドは心を動かされる。引き取りにやってきた父もマルコの決意の固さを知り、遂にアルゼンチン行きを許可する。 |
16 | ちいさなコック長 | 母思いの健気さに心打たれたコック長の元で炊事係の一員として働く事になったマルコ。ロッキーは、マルコに船の生活や習慣、自分の小さかった頃の話をする。気の良い水兵に囲まれ、マルコの新しい生活が始まったのだ。 |
17 | 赤道まつり | マルコも次第に船での生活に慣れ楽しい旅が続いていた。そんなある夜、船の赤道通過を祝した赤道祭が行われた。マルコを驚かせようとしたロッキーたちの目論見は不発に終わるが、母に仮装したチェーザレの姿に、マルコは心をかき乱される。 |
18 | リオの移民船 | フォルゴーレ号はリオデジャネイロに着いた。だが、現地へ着くと、マルコが乗るはずの貨物船は故障で、出航は10日後になるという。レオナルドとロッキーは港でブエノスアイレス行きの船を探し続け、ついに見つける。 |
19 | かがやく南十字星 | マルコは、船内の疲れ果てた人々の姿に驚いた。船は病人続出のため、リオに立ち寄っていたのだった。船内は至る所人が埋め尽くし、食事もひどいものだった。そんな中、マルコは、親とはぐれて泣いている小さな男の子・ニーノと出会う。 |
20 | おおあらしの夜 | リオを出航して6日目の事、天候が一変、雨が降り出して、移民船は瞬く間に嵐の暴風圏に突入してしまう。強風と波は容赦なく船を襲った。船は嵐にもまれ大きな損害を受けたが、乗客は互いに励まし合い嵐を乗り切ったのだった。 |
21 | ラプラタ川は銀の川 | 母さんは死んだんだ、母さんは死んだんだよ。恐ろしい夢の中で見知らぬ人々にそう囁かれたマルコは船員に早くブエノスアイレスへと狂ったように頼む。白く濁った広がる水平線、ここはもうアルゼンチン第一の川、ラプラタ川。 |
22 | かあさんのいる街 | 移民船はブエノスアイレスへ入港した。だが、母の消息を知るはずのメレッリは夜逃げして行方不明だった。メレッリをバイアブランカで見たという話を聞いたマルコ。しかし汽車に乗ろうとした時、持ち金を全てスリに取られていた事に気が付いた! |
23 | もうひとりのおかあさん | 持ち金全てを失い、途方に暮れるマルコ。しかも移民局で、行き倒れになったアンナという女性がいると聞き、愕然となる。病院を尋ねたマルコが出会った母さん、それはマルコの母とは別人だった。だが病に苦しむ姿が母の姿に重なるのだった・・・。 |
24 | 待っててくれたフィオリーナ | 母の消息は、マルコの必死の思いとは裏腹に一切が不明だった。一方、ペッピーノ一座を見たという話を聞き付け、マルコは公園や市場を捜し回る。そして、疲れて公園のベンチでマルコが眠っていたその時、フィオリーナはマルコを見つけたのだった。 |
25 | ペッピーノ一座大あたり | マルコと一緒にペッピーノ一座もバイアブランカに行く事になった。その晩、ペッピーノ一座の公演は大当たり、ペッピーノ達はフォスコの店で働かないかと誘われるが、あくまでマルコの為にバイアブランカまで旅をすると言って断るのだった。 |
26 | 草原へ | ペッピーノが手に入れてきた馬車に乗って、いよいよバイアブランカへの出発の日がやって来た。アンデスの大草原へ馬車は乗り出す。そこには心をうつ、素晴らしい光景が広がっていた。途方も無く雄大で美しい大自然に息を飲むマルコたち。 |
27 | フィオリーナの涙 | ペッピーノはマルコの身上をモデルにした人形劇をやろうと思い付く。だが、その出し物はフィオリーナにとって、現実のマルコの姿を想起させずにはおかなかった。稽古中、母を叫ぶマルコ役のフィオリーナは、感極まって泣き出してしまう。 |
28 | バルボーサ大牧場 | マルコがモデルの人形劇を催すペッピーノは、更なる感動を呼びこもうと、あろう事か槍で母を殺してしまう。無情な結末にフィオリーナの心は張り裂けんばかりだ。コンチェッタは、もうマルコの母は、彼だけの母ではなくなっている事を訴えた。 |
29 | 雪がふる | ブエノスアイレスを出て早10日。水もなくなり、雪もふってきた。ようやく見つけた民家の明かりを目指す一行。明かりの家は草原に暮らす人老ガウチョ・カルロスの家だった。暖かい料理と素晴らしい音楽に迎えられ、生き返る思いの一行だった。 |
30 | 老ガウチョ カルロス | カルロスに助けられた翌朝、マルコたちが目を覚ますと、彼は馬車を修理してくれたのだ。一行は、イタリア料理の旅館に行くが、飲んでいたオルテガがからんできて、コンチェッタに踊りを強要する。銃を抜くペッピーノ。これにナイフで迫るオルテガ。 |
31 | ながい夜 | ペッピーノたちは、屋根の落ちた廃屋で一夜を明かす事になった。そんな折、突然ピューマと出くわしてしまう。真夜中にみんなが襲われでもしたら大事だ。二人は、みんなに心配かけまいと、この事を秘密に夜通し寝ずの番をする事にした。だが・・・。 |
32 | さようならといえたら | バイアブランカはもう目前だ。一行の前に、イタリア移民のシルバーニ一家の馬車が現れた。マルコの事を聞くに及び、バイアブランカのモレッティさんを尋ねたらと紹介してくれた。マルコもフィオリーナも、別れの時が迫っている事を感じていた。 |
33 | かあさんがいない | ようやくバイアブランカの街へ到着したマルコたち。マルコは宿に落ち着くと、早速モレッティの家を尋ねる。だがマルコは、モレッティから母と叔父の行方は分からず、既に亡くなっているかもしれないと聞かされ、ショックを受ける。 |
34 | ジェノバに帰りたい | マルコの失意は深い。マルコを気遣うペッピーノの言葉も、もう耳に入らない。心配するフィオリーナにもつらく当たってしまう。「いくら探したってお母さんはもういやしない、僕は何かに呪われているんだ」と言って泣き崩れるのだった。 |
35 | おかあさんのなつかしい文字 | 失意の中、街をさまようマルコは、浮浪者のエステロンと知り合う。彼はマルコの話を聞き、マルコに一通の手紙を渡す。それは、なつかしい母の手紙だった。さらにエステロンは、母が今、ブエノスアイレスで働いているはずだと教えてくれたのだ。 |
36 | さようならバイアブランカ | 母の消息が分かった今、マルコとフィオリーナの別れの時は近い。エステロンは炭鉱で働く事を条件に、マルコの旅費を確保してくれていた。実はエステロンこそ、マルコの叔父・メレッリだったのだ。エステロンは、ペッピーノに本当の事を告白した。 |
37 | はてしない旅へ | ブエノスアイレスに着いたマルコは、メキーネスさんの家を訪ねるが、そこにはまたも母の姿は無かった。3ヵ月も前にコルドバへと越してしまっていたのだ。マルコは、エステロンから困った時に訪ねる様にと言われていた、ファドバーニの元へ行く。 |
38 | かあさんだってつらいのに | マルコはファドバーニの尽力により再び船で旅する事になった。出航の前に母の働いていた家に行ってみる事にすると、そこでは意地悪な女主人が、連絡など無いとマルコに辛く当たる。だが逆に、ここで1年も働いていた母の我慢強さを知るのだった。 |
39 | ばら色のよあけロサリオ | マルコは、ロサリオへと向かうアンドレア・ドリア号に乗船する。船長・アレクサンドルが、マルコがタダ乗りの客である事を知って怒りだす。だが船長は、マルコがジェノバっ子である事を知ると、自分もそうだととたんに親切になるのだった。 |
40 | かがやくイタリアの星一つ | ロサリオに到着したマルコはバリエントスの屋敷に向かったが、彼は不在で門前払いをくらってしまう。だがマルコは偶然フェデリコ爺さんと再会する。フェデリコはコルドバまでの汽車賃を、イタリアから働きに来ている酒場の皆から集めてくれた。 |
41 | かあさんと帰れたら… | マルコはコルドバ行きの切符を手に入れた。偶然席を隣り合わせた子供連れの婦人は、はるばるイタリアから旅をしてきたマルコに感心する。マルコは婦人に憧れ続ける母の姿を重ね合わせ、今度こそジェノバに2人で帰るという想いを一層募らせた。 |
42 | 新しい友達パブロ | せっかくコルドバまでやって来たのにメキーネスさんは1ヵ月前に引っ越した後だった。途方に暮れて夜の町をさまようマルコが出会った少年・パブロ。パブロはマルコを見るや激しく蔑んだ。喧嘩になる2人だったが、奇妙な親交が茅生えるのだった。 |
43 | この街のどこかに | マルコはメキーネスの家の前に自分の所在を書いた看板を用意する。その甲斐があってか、3日待てば連絡が来ると聞き、大喜びするマルコ。しかもパブロがメキーネスの家を見つけたというのだ。突然の話に戸惑いながらも、メキーネスの家へと向かう。 |
44 | ファナをたすけたい | やっと訪れたメキーネスの家。しかし、そこはメキーネスの従兄弟が住む家だった。落胆するマルコだが、トゥクマンに当のメキーネスは住んでいると聞かされる。パブロの家では妹・フアナが高熱で苦しんでいた。彼女を救いたい一心で・・・。 |
45 | はるかな北へ | トゥクマン行きの貨物列車へ無断乗車を試みるマルコ。しかし運悪く車掌に見つかってしまう。その時、パブロが飛び出し、車掌の気を逸らした。その間に貨物列車は無事出発しマルコはパブロの犠牲のもとに旅立つ事ができた。しかしアメディオが・・・。 |
46 | 牛車の旅 | 貨物列車から放り出されたマルコは牛車に乗り、新たに北への旅路を踏み出した。ところがマルコは長旅の疲れから遂に倒れてしまう。薬や商隊の若者・マヌエルのおかげで何とか復調するが、その間に男たちがアメディオをいじめて楽しんでいた。 |
47 | あの山の麓にかあさんが | マルコは「ばあさま」と呼ばれるロバを譲って貰い、いよいよトゥクマンへの道を辿り始めた。途中一夜の宿を求めて立ち寄った家の婦人から、遥か彼方に見える山の麓にトゥクマンがあると教えられ、マルコの胸は一層高鳴るのだった。 |
48 | ロバよ死なないで | 少しも山に近付かない不安からマルコはばあさまを急がせるが、ばあさまの足はなかなか早まらない。そして、あと僅かでトゥクマンという時に突然ばあさまが倒れ、とうとう死んでしまう。マルコはばあさまを急がせた事を後悔し、涙に暮れる。 |
49 | かあさんが呼んでいる | マルコは徒歩の旅を続けた。そんな中で靴が破れ、無理を押して歩いたマルコは指の爪を剥す怪我を負ってしまう。そんなマルコを降り出した雪が苦しめ、とうとう雪中に倒れ込んでしまう。幻想の中、温かい母に抱かれ、幸せいっぱいのマルコ。 |
50 | 走れマルコ! | 親切な老人の馬車に乗せて貰う事が出来たマルコは快適な旅路を辿り、やっと念願の地・トゥクマンへと到着した。メキーネスが働く工場を訪ねたマルコだったが、そこで母が病の床に伏している事を聞いて愕然とする。 |
51 | とうとうかあさんに | マルコはメキーネスの農場を目指して駆け続けた。駆けて、駆けて、 駆け抜けて、やっとの思いでマルコは憧れ続けた母さんに巡り会った!長い旅の間に膨れ上がったマルコの熱い想いは、衰弱し切った母を死の淵から呼び戻す奇跡を呼び起こした! |
52 | かあさんとジェノバへ | ようやくマルコは大好きな母さんと共にジェノバへと帰る日を迎えた。これまで世話になった人々、そしてあのフィオリーナたちとの再会を繰り返しながらの帰途。こうしてマルコの長い長い旅は終わりを告げたのである。 |
感想・レビュー
ハイジに続く名作!
映画のような美しい映像
最後のジェノバへの旅路には感動が溢れる。
高畑勲監督の作品を再度じっくり観直すシリーズの一環として、総集編的な完結版を観賞しました。スタッフには宮崎駿の名もクレジットされています。子供向けの30分枠アニメにしては贅沢なくらい完成度が高く、時にシビアな場面も描かれます。それでも結末は幸福な形で締まり、満足のいく終わり方でした。
高畑勲展開催記念企画その2
24分×52話という長尺を埋めるには、元のコンセプトがあまりにも簡潔すぎるため、実際に原作要素があるのは約20話分。ネオリアリズモや西部劇、芸術論、さらには格差社会といった、多様なオリジナル要素がその場しのぎに散りばめられ、カオスな雰囲気が漂っているのには感動を超えて疲れを感じてしまった。
とはいえ、各話のテンションが不安定な中でも、宮崎駿の画面構成がもたらす魅力的なアクションと、アニメ史において超絶ワーカホリックなキャラクター・マルコ・ロッシの多様で複雑な描写が高畑勲の演出に色濃く表れている点は、ハイジやアンよりも際立っていると思う。だが、全体的な完成度の低さとリマスターの雑さが気になるところだ。
高畑勲によるプロレタリア・ロードムービーは、ディテールを徹底的に積み上げ、俯瞰的に世界を描写しています。
旅を通じたマルコの成長は、さまざまな人々との出会いと助け合いによって深化します。真面目なビルドゥングスロマンが秀逸です。
高畑勲はキャラクターに寄り添わず、主人公さえもフラットに描くことで生まれるリアリズムが、力強い感動をもたらします。
当然、ノンストレスな作品にはならないため、面白いと感じるかどうかは観る人によりますが、素晴らしい作品であることは間違いありません。
高畑勲の最高傑作の称号は伊達ではありません。
余談1
本作で半分近くのコンテを担当した富野由悠季は、その後「無敵超人ザンボット3」を制作しました。何かしらの関連性が見えて興味深いです。
余談2
出崎統ファンの私としては、翌年放送開始の「家なき子」との比較が楽しめると思います。どちらも少年が旅をする物語です。出崎と高畑、演出思想が全く異なる二人の違いが見える、有意義な体験になるでしょう(「家なき子」も傑作ですから)。
ストーリーの都合上仕方ない部分もあるかもしれないけれど、もっと良い選択があったはずだと感じる場面がよくあった。
ストーリーの都合で仕方ない場面はあるかもしれないが、もっと適切な選択があったはずだと思う場面が多かった。
ストーリーの都合上、仕方ないこともあるかもしれませんが、より良い選択があったはずだと感じる場面が多くありました。
過去の視聴メモ。
母と一緒に観ることが多かった気がする。いつも涙ぐんでいた。
イタリアからアルゼンチンまで母を訪ねて三千里(1万2千キロ)
マルコ、ほんとにすごいな。
#アニメ #ta_2025鑑賞
お母さんは確か、麻酔なしで最後の手術をしていて、子どもの頃の私は母の強さにただただ感心した。
三千里がどれくらいかと思っていたけれど、日本縦断を二往復する距離だと知り、そんな小さな子があんな酷い目に遭いながら、そしてそんな距離を移動していたのかと思うと、衝撃を覚えた。
タイトルは知っていましたが、初めて鑑賞しました。初回は泣いてしまいました。母を探す旅は、なかなか出発してくれないですね。マルコ少年は負のエネルギーを蓄えているようで、不安になります。母が不在という現実を、身をもって感じさせられます。もう、勘弁してほしいくらいツイていないマルコくん。やっとアルゼンチンに着いたのに、そこからも長く苦しい旅が続きます。気づけば鼻歌が主題歌になっているのです。
この種のアニメ作品において、主役の少年少女は通常、清らかで純粋無垢、忍耐強く描かれます。ネロやセーラがその典型です。しかし、マルコという主人公はそれとは異なる存在です。彼が持つ正義感は時に独善的で、一本気さは頑固さに映り、他者に子ども扱いされることを極端に嫌います。理不尽に対しては我慢せず、軽口やからかいには感情的に反応し、自分の理解できる範囲で相手の事情や真意を測り責め立てます。特に、母を遠くアルゼンチンに出稼ぎに出した父に対する辛辣な言葉は、父をも困惑させます。そのため、彼はこんな壮大な旅に出ることができたのでしょう。しかし、旅路は思い通りには運ばず、スリに遭い、非効率的な公的機関の対応に苛立ち、何度も母を探す徒労を重ねます。困難に直面し、不運が続き、靴がボロボロになる雪の夜には行き倒れることも。しかし、訪れる先々で彼の事情に心を寄せ、勇気に感動する人々がいます。イタリア移民やアルゼンチンの地元の人々の支援で、少しずつ旅路を進む中でマルコは変化していきます。自分の無力さや他者の思いやりに気づき、自分を支えてくれる人々の存在に感謝の念を強く感じます。出会いや別れが彼に人生の意味を教え、成長を促します。頑固なマルコは少しずつ優しさを身につけていくのです。特に、パブロとフアナ兄妹との関わりは感動的で、フアナの医療費を提供する場面では一度は悩む様子がリアルです。貧困層が見捨てられる現実を目の当たりにしたマルコは、父の仕事の意義を再認識します。そしてパブロとの別れは、彼の感謝の気持ちを強く印象づけます。こうした流れの中で、厳しい現実と利他の精神の美しさが見事に描かれており、高畑演出の素晴らしさが際立っています。マルコが多くの助けを得られたのは、彼の事情だけでなく、相手を助けたいという強い思いと、子どもであっても自分を甘やかさない厳しさによるものでしょう。また、愛猿アメデオの存在が、マルコに対する関心を引くきっかけとしても大いに寄与しています。先日観た「赤毛のアン」と同様、子ども時代に見た断片的な記憶はありますが、実質的には今回が初めての鑑賞と言えそうです。コルドバへ向かう終盤は特に素晴らしいものでした。
高畑勲と宮崎駿のアニメは、子どもの視点で世界の本質を描く力を教えてくれる。ほぼ全話を通じて観てきた私が、改めて彼らがなぜ子ども向けの作品を作るのかを理解するきっかけとなったのは、主人公マルコの旅路だ。儲けを気にせず働く父に対する複雑な感情を抱く彼は、狭い「家族」という世界を抜け出し、母に会いたいという思いだけを手掛かりに旅へと出る。貧富の差や不条理といった現実に触れながら、さまざまな人と出会い、善意の連鎖や小さな自己犠牲を体験することで、彼は確実に成長していく。