2022年10月5日に公開のアニメ「VAZZROCK THE ANIMATION」を今すぐ視聴できる動画配信サービス(VOD)を徹底紹介。この記事では「VAZZROCK THE ANIMATION」のあらすじやキャスト・声優、スタッフ、主題歌の情報はもちろん、実際に見た人の感想やレビューもまとめています。
VAZZROCK THE ANIMATIONが視聴できる動画配信サービス
現在「VAZZROCK THE ANIMATION」を視聴できる動画配信サービスを調査して一覧にまとめました。以下のVODサービスで「VAZZROCK THE ANIMATION」が配信中です。
VAZZROCK THE ANIMATIONのあらすじ
VAZZROCKプロジェクトは、ツキノ芸能プロダクション社長の「まずは1年。ちょっと冒険してみないかい?」という一言から始まった。芸歴・バックグラウンド・年齢・ジャンルが異なる12人のタレントが集結し、2つのユニット、VAZZYとROCK DOWNを結成。彼らはコンビ・親友・ライバルとして互いの個性をぶつけ合い、磨き合ってきた。音楽活動はもちろん、ドラマ・舞台・映画といった演技の舞台にも挑戦。悩み、傷つき、それでも前へ進むからこそ輝ける。新たな輝きの物語が、今ここから動き出す。
VAZZROCK THE ANIMATIONの詳細情報
「VAZZROCK THE ANIMATION」の制作会社や監督、キャスト、主題歌アーティストなどの作品に関する詳しい情報をまとめています。作品づくりに携わったスタッフや声優陣をチェックして、より深く物語の世界を楽しみましょう。
制作会社 | ピー・アール・エー |
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原作者 | ふじわら |
監督 | 高本宣弘 |
脚本家 | 松田恵里子 |
キャラクターデザイナー | 夏生 |
主題歌・挿入歌 | 佐藤拓也 坂泰斗 堀江瞬 増元拓也 小林裕介 山中真尋 新垣樽助 河本啓佑 白井悠介 笹翼 菊池幸利 長谷川芳明 |
出演者 | |
カテゴリー | アニメ |
制作国 | 日本 |
公開日 | 2022年10月5日 |
VAZZROCK THE ANIMATIONの楽曲
「VAZZROCK THE ANIMATION」の主題歌や挿入歌、サウンドトラックを紹介します。映像だけでなく音楽からも作品の世界を感じてみましょう。
- オープニングテーマFly HighVAZZY/眞宮孝明(CV:新垣樽助)、吉良凰香(CV:小林裕介)、築 一紗(CV:山中真尋)、築 二葉(CV:白井悠介)、大山直助(CV:笹 翼)、白瀬優馬(CV:堀江 瞬)
- エンディングテーマFollow Me眞宮孝明(CV:新垣樽助)
- エンディングテーマBlinding lights吉良凰香(CV:小林裕介)
- エンディングテーマエフバラード小野田翔(CV:菊池幸利)
- エンディングテーマPassion Groove!久慈川悠人(CV:長谷川芳明)
- エンディングテーマシアワセノカタチ築 二葉(CV:白井悠介)
- エンディングテーマEscape築 一紗(CV:山中真尋)
- エンディングテーマIllusion×Kiss天羽玲司(CV:佐藤拓也)
VAZZROCK THE ANIMATIONのエピソード
「VAZZROCK THE ANIMATION」の各話タイトルとあらすじを一覧で紹介します。物語の展開や登場キャラクターの変化を振り返りながら、印象的なシーンやストーリーの流れをチェックしてみましょう。
01 | Joyous・前 | 「俺、デビューしたばっかりの頃、一時期上手く笑えなくなった時があったんだよね」 12月に開催する「VAZZROCK LIVE FLAWLESS(バズライ)」を前に特別番組で顔を揃えたVAZZY(ヴァジー)とROCK DOWN(ロックダウン)の12人。座談会の途中、孝明(たかあき)・凰香(おうか)・優馬(ゆうま)出演のTVドラマ「朱天」の話に。それは過去に3人が出演した、吉田松陰の生涯を描いた映画「蒼海」のスピンオフ企画だ。映画同様にメインキャストとして肩を並べるのは実力派俳優の遠井勇将(とおい ゆうしょう)と朏(みかづき)ユズル。因縁の遠井との撮影に顔が引きつる凰香と笑顔で対応する孝明だったが……。 |
02 | Joyous・後 | 「だから、孝明の笑顔は強い。周りの人間まで笑顔にしてしまうほど」 ツキプロのジュニア時代、退所する練習生から心無い言葉をかけられ「笑顔」でいる理由に悩む孝明。そんな孝明の秘密を打ち明けられた凰香は、同じく子役時代に「笑顔」に関して悩みを持っていたことを思い出していた。「笑顔」でいる理由に悩んでいた孝明が、再び笑顔を取り戻したきっかけとは? 理由を知った凰香は驚きつつも、孝明が笑顔でいる答えを聞き納得する。一方、TVドラマ「朱天」の撮影は遠井と孝明のラストシーンを残すばかりとなり……。 |
03 | Effulgent・前 | 「ただ、心のままに『音を楽しめばいい』。ほら、難しいことなんて何もない」 世界的ヴァイオリニストの顔も持つROCK DOWN(ロックダウン)のリーダー・翔(しょう)は、バズライの宣伝を兼ねてソロコンサートを開催することに。自主練のため、翔のヴァイオリンを聴きたいという悠人(はると)と共にスタジオに向かっていた。翔はそのスタジオで、以前アメリカの楽団で共演した絵島航大(えじま こうだい)と再会する。絵島は翔の演奏に心酔しており、演奏家としての翔を惜しんでいた人物だった。そんな絵島を、翔は自身のコンサートに誘うも断られてしまい? |
04 | Effulgent・後 | 「まさに、心のままに。俺もそうでありたい」 心から音楽を楽しんでおり、もっと色んな音を、色んな人と楽しみたい翔。翔の想いを聞いた悠人は、絵島に翔のソロコンサートに来てもらえるよう、説得するために酒の席に誘う。翔の演奏に心酔しているからこそ、アイドル・小野田 翔の演奏へ疑念を持つ絵島に、翔の音楽に対する姿勢を誤解してほしくないという悠人。そんな悠人に対し、絵島は自身の表現者としての情熱や、翔の演奏への想いを語る。昔から何かに情熱を向けることに憧れていた悠人は、絵島のその想いをまっすぐに受け止め……。 |
05 | Wonder・前 | 「生意気かもしれないけど、俺は俺なりの何かで、兄さんの隣に立ちたいんだ」 VAZZYの築 一紗(きづく いっさ)、二葉(ふたば)の兄弟にダブル主演のオリジナルドラマの話が舞い込んだ。当初、常識人の兄・良(りょう)役に一紗、破天荒な弟・樹(いつき)役に二葉でのオファーだったが一紗のバンド仲間だった番組プランナー・折原(おりはら)の一声で逆のキャスティングに。天才肌で役に入り込むのも早い一紗に対し、慣れない“兄”役に戸惑う二葉だが、同じツキプロ所属の弥生 春(やよい はる)、篁 志季(たかむら しき)、そして岳(がく)たち「お兄ちゃんズ」のアドバイスから手がかりを掴んだようで? |
06 | Wonder・後 | 「当然。弟が簡単に兄に勝てると思うな」 築兄弟がダブル主演のドラマ「RISE & SET」の配信がはじまった。回が進む毎に二葉を称賛するコメントがSNSに集まり、撮影現場でも日々成長を見せる姿に一紗は焦りを覚える。そんな中、元バンド仲間の竹中(たけなか)から一紗に着信が。竹中や同じくドラマに出演している孝明、そして水無月 涙(みなづき るい)、七瀬 望(ななせ のぞむ)、直助(なおすけ)、歩(あゆむ)らツキプロの「ザ・弟レンジャーズ」たちの言葉に動かされた一紗は……。 |
07 | Enchant・前 | 「世間にも俺たちが相棒って認められたって感じするな」 化粧品ブランド『Myth×Kiss』から新たに立ち上がる、セカンドライン『Illusion×Kiss』のイメージキャラクター候補にROCK DOWNの玲司(れいじ)と歩(あゆむ)が選ばれた。代々『Myth×Kiss』シリーズを担ってきたツキプロの先陣たちの顔に泥を塗るわけにはいかないと意気込む2人は、最終審査のために、実際のCMと同じ衣装やメイクでのカメラチェックに挑む。CMは、玲司が歩にメイクの魔法をかけるという内容。審査当日、メイクで美しく変身した歩がその場の誰をも魅了する。それは玲司も同じで……。 |
08 | Enchant・後 | 「お互い、これからも何かに悔やむことはあるだろう。だが、それを超えて次に進めたらと思う」 無事『Illusion×Kiss』のイメージキャラクターを獲得したものの、歩は高熱で倒れてしまっていた。寝込む歩を気遣い、ROCK DOWNだけでなくVAZZYのメンバーもたびたび見舞いに訪れる。そんな中で玲司はあまり姿を見せないが、それには理由があって……? 一方で皆に看病される歩は、幼い頃からの病弱な身体に落ち込み、過去にも仕事を前に体調を崩して玲司に声を掛けられたことを思い出す。当時はその言葉を素直に受け止められなかった歩だったが……。 |
09 | Lucida・前 | 「優馬のことが大好きだし尊敬してるし、誰よりも優馬の可能性を信じてる」 12の島国がひとつの花のように海に浮かぶその星で、それぞれの国を「花」と呼ぶ雅を愛する人々は、数年に一度、武でなく美を競い合っていた。 星を読み、未来を見るという術を持つ幽玄の国――『桔梗(ききょう)』。そこに住む2人の青年の運命が動き出す。 『桔梗』の国で代々舞手を担う大山家の跡取り息子でありながら、『漆黒』の武士(もののふ)に憧れる直助(なおすけ)。幼い頃に大山家に拾われ、家族の一員であり直助のお目付役として成長した親友の優馬(ゆうま)。街で荒くれ者に出くわした2人は、『漆黒』の武士である始(はじめ)・駆(かける)・恋(こい)に助けられる。武士への憧れをますます強めた直助は、星読みの孝明の口添えで優馬や用心棒の一紗と二葉を連れて旅に出ることに。一方で優馬を狙う怪しい影が? |
10 | Lucida・後 | 「どこにだって行けるよ、ナオとならね!」 月を歌え、花に舞え―― たかが「歌」。されど「歌」。たかが「舞」。されど「舞」。 歓楽街を中心に発展した、様々な人種が集まる国――『牡丹(ぼたん)』。 “牡丹祭”の準備で街中が活気に溢れる中、『桔梗』の国からの珍客が波乱を呼び起こす。 謎の集団に襲われて川に落ち、『牡丹』の街に流れ着いた直助は運良く「牡丹六人衆」に助けられる。その1人は、旅の目的である書状の届け先の相手・翔だった。偶然にも目的地へ先回りしてしまった直助は、はぐれてしまった優馬たちを心配する。その頃、「牡丹六人衆」の玲司の元へ優馬と一紗、二葉が到着していた。すぐに直助の探し人だと分かった玲司が3人を案内しようとした矢先、優馬を狙う集団が再び襲いかかる! |
11 | Rival・前 | 「ふふ、全てがわかった俺に、もはや怖いものなどないのだよ」 ROCK DOWNの岳(がく)とルカは、舞台『月花神楽』シリーズの新作「牡丹の章」に出演することが決まった。しかも岳とルカのダブル主演だ。2人は幼馴染の室戸(むろと)の引越し祝いに、同じく幼馴染の野村(のむら)と集まり、昔話に花を咲かせる。ルカの誘いで芸能界入りをした岳のデビューの経緯を知っている室戸と野村。なにげない彼らの会話にルカは岳を改めて「ライバル」として意識するも、岳は気にしていない様子。ルカはそんな岳にモヤモヤとした感情を抱く。 |
12 | Rival・後 | 「ほら、かなりライバルとして意識してるだろう?」 舞台「月花神楽」の稽古中、舞の経験が少ない岳は悪戦苦闘していた。そんな中、誰よりも完璧な舞を見せるルカ。昔から、なんでも即座にしかも器用にこなしてしまうルカを傍らで見ていた岳には、素直に敬意を抱く一方で、心に燃やす想いがあった。ある日の稽古終わり、岳は一緒に帰ろうと誘うルカに嘘をつき、1人で居残り稽古をする。その後ルカは嘘をつかれたことに気付くが、自分がモヤモヤした気持ちで岳と接していたせいで避けられていると誤解して……? |
13 | Your Jewelry | 「VAZZROCK」4周年記念ライブ。 「VAZZROCK LIVE FLAWLESS(バズロックライブ・フローレス)」の幕が開く。 VAZZYとROCK DOWNのメンバー12名がそれぞれの思いを胸にその日を迎えていた。 ステージ裏まで届く観客の熱気と歓声。 「まずは1年」からはじまった彼らの冒険は続いていく――。 |
感想・レビュー
ツキプロのアニメのビジュアルが素晴らしかったです
ただ、最後まで誰がどのグループに属しているのか、全く覚えられませんでした
期待はしていなかったものの、結果的にあまり面白くなかった。アニメは元々の作品ファン向けに作られている印象で、新しいストーリーを求める内輪の雰囲気が強かった。ファンですら楽しめるのか疑問だ。話の流れはツキウタよりもツキプロに近いリアルな描写で、私が楽しみにしていたダンスCGがとうとうなくなってしまったのは非常に残念だ。最終回のライブも、ほぼこれまでのOP&ED曲の繰り返しで新鮮さがなく、演出も洗練されていなかった。これほど印象に残らない最終回は珍しい。作画崩壊がなかったのは良かったが、ツキノシリーズは人気ジャンルではないにも関わらず長い歴史と多様な展開があるのが謎だ。2022年の秋に二度目を視聴したが、やはり面白くはなかった。久々の放送ということで気になったが、バズロのOPはCGではなく、普通の出来だった。EDは楽曲以外に手抜き感が漂っていた。
(各話の感想) ツキウタ2は初回から作画が悪く期待できなかったが、バズロは割と綺麗な仕上がり。原作の絵が美しいのかもしれないと感じさせた。兄弟キャラの容姿が似ていないのは、キャラデザインの意図が気になる。ツキプロの最終回のライブ構成はがっかりで、バズロにも期待していなかったが、導入映像からグループ曲、挨拶、ソロ曲、合同曲と安定した流れが良かった。作画は思ったより崩れていなく、努力は感じたが、視聴者は制作側の親ではないので低レベルの頑張りは評価できない。
(全体の感想) 話としてはキャラ萌え主体なので特に面白くはなく、絵のクオリティはツキウタやツキプロより平均的に良いと感じたが、CGライブがないことは私にとって興味を失う原因であり、今後はウタ&プロとは異なり視聴しないかもしれない。2024年の夏.
2024年7月7日(土)にBS日テレで視聴しましたが、期待外れでした。
BS日テレで視聴可能な女性向けアニメ|0話切り対応・2024年夏の再放送
2022年秋アニメ
「ファン向けアニメ」という言葉には、あまり良い印象を持たれないこともありますが、制作側がターゲットを意識しても届かない作品を作るよりは、ファン向けの明快な作品の方がずっと良いと思います。というわけで、こちらはファンのための清々しいアニメです。感謝の気持ちでいっぱいです!
1話では、話題となったバストアップカットが連続登場し、魅力的な男性キャラクターたちの顔を見せつけてくれました。本当に嬉しかったです。彼らのキラキラした表情と素晴らしい声が楽しめて、大変ありがたいです。
初回エピソードでは、アニメ視聴者への自己紹介として、お気に入りの写真を披露するアイドルたち。そんな中、凰香ちゃんは自分の写真ではなく猫の写真を見せてくれる自由さが猫ちゃんそのものです!
2話ではショタ凰香ちゃん(CV: 小林裕介)の可愛さに驚かされました本当にびっくり。普通は少年役は女性声優が演じることが多いですが、彼は頑張ってショタ声で届けてくれて、私の心が救われました。あまりの可愛さに、孝明さん(CV: 新垣樽助)が今でも凰香ちゃんと呼ぶ理由が分かります。私も「凰香ちゃん」と呼んでみたいと思うくらいです。
孝明さんと凰香ちゃんの子供の頃の話には心を撃ち抜かれました。それでも、孝明さんの包容力に包まれて、心が癒されました。メンバーたちがタワーマンションで共同生活をしているのですが、夜でもリビングのカーテンが開いていることに気を取られてしまいました。
さらに、2話のED曲は凰香ちゃんのソロ!素晴らしいパフォーマンスでした噛み締めるように楽しんでいます。2話は何度も見返したくなるほどで、凰香ちゃんファンの私は完全に魅了されました。それ以降の話はなんとか力を振り絞って観ました。
最終話は全編ライブパフォーマンスで、もっと滑らかに動いてほしいところもありますが、ソロ曲メドレーは大いに楽しめる部分でした。
ツキウタ関連作品の中で、作画クオリティが群を抜いて高く、ビジュアルが特にカッコいい。ストーリーは可もなく不可もなくといった印象。ほかのシリーズと同様、必ずパラレル(異世界)設定の話が挟まれる点が気になる(苦笑)。
原作は知らなかったが、ピンク髪のキャラに惹かれて視聴した。ファン向け作品の雰囲気が強いと感じる。和風ファンタジー風の劇中劇が特に印象に残った。
登場人物が多すぎて把握できず、キャラもストーリーも印象に残らない。名前を一人も覚えられないまま最終回を迎えた気がする。3話だけ見逃し、他の話もほぼ流し見だったが、最後のライブシーンは良かった。アイドルらしさはしっかり伝わってきた。
ヌメヌメした物語進行
以下は、TVアニメ『VAZZROCK THE ANIMATION』(2022年/全13話/制作:PRA)を、文芸批評・社会批評・アニメーション批評の三視点から横断的に読み解く試論です。基本的な骨格は、VAZZYとROCK DOWNの2ユニット計12名の群像、二部構成のエピソード配列、そして最終話の総括回に集約されます。以下、各視角ごとの要点を整理します。
1) 文芸批評|多面体としての青春二部構成と異世界挿話の意味
成果:二部構成が作る面の切り出し
本作の各エピソードは基本的に「A氏×B氏」を主役とする二話連作で進行します(Joyous/Effulgent/Wonder/Enchant/Lucida/Rival)。各アークは相互補完の対話として設計され、個の内面(躊躇・劣等感・敬意)は相手の視線によって面取りされます。群像劇は同時に語るのではなく、順次切り出す手法を採用しており、アイドルものとしては控えめながら確かな語りの節度を保っています。最終話「Your Jewelery」は、切り出された諸面を一旦ケースに収め、ライブという共同体験へ経験を寄せ集める小括の役割を果たします。
成果:メタ挿話「月花神楽」がもたらす語りの屈折
第9・10話はNAOSUKE×YUMAを軸にif世界を演じる特別編「月花神楽」。史劇・異世界の演目として自分たちを再演することで、キャラクターは「役を演じる自分」と「自分を演じる役」という二重性を帯び、仕事としての虚構が日常の人格に反射光を投じ、尊敬・嫉妬・身分差の寓意を可視化します。物語は鏡像世界の演技へ入り込み、宝石の別のカット面を試すような局面を作り出します。
限界:アーク分割ゆえの蓄積不足
二話単位のリズムは全体の呼吸を整える一方で、未消化の余白を生みやすい。特にRival(1112話)での競合と相互承認は、配列上の帰結としては力強くても、各人物の矛盾や逡巡の長期的な醸成が不十分で、物語の圧力が均されがちです。異世界挿話の寄り道は内面的深化を生み出す反面、主筋の緊張を一時的に緩める副作用も持ちます(構成上の賭けとしては興味深い)。
2) 社会批評|感情労働の可視化ライバルとケアの折り合い
成果:競争の脱物語化=ライバルをケアへ変換する倫理
番組内の座談・稽古・サブワーク(ドラマ出演など)を通じて、彼らの感情労働が微視的に描かれます。Rival編は勝敗や人気の緊張を「互いの弱点を補うための観察」へと翻訳し、ライバル物語をケアの技法へ還元します。ここでは承認は資源であり、分かち合うほど全体の生産性が上がるという労働倫理が、物語の内部規範として機能しています。
成果:公開人格と私的領域の磨耗
Joyousは初回からラウンドテーブル風の見せ方を取り入れ、「語る自分」と「語られる自分」のズレを可視化します。彼らは見られる職業であるがゆえに自己の語彙化を求められ、語彙が足りないときは歌とパフォーマンスが不足を補いますこの補完の論理が各アークの演出選択と深く結びつきます。
限界:制度の無痛化
養成・選抜・搾取の回路業界批評の核心は、制作の内側の深さに吸収され、組織のロジックよりも個人の努力や相互扶助に依拠する傾向が強くなっています。観客(ファン)との関係も、概ね善意の場として描かれ、可視性の暴力や市場の偏差は薄められがちです。誠実であるがゆえに、社会批評としての痛点が丸められてしまう点も指摘されます。
3) アニメーション批評|省エネ設計のリズム学歌う物語と画の節度
成果:制作体制が支える読みやすさと記号設計
PRAの制作画面は、線のテンションを抑え対話中心の編集に寄与しています。衣装・小道具・色設計(山口由希子)と美術(Scott MacDonald)が記号的役割を分担し、人物の立ち・座り・半身の配置で視線を導く基本法が徹底します。各話エンディングの主役交代と歌唱は、音楽が心情モノローグを引き受け、演技の省略を補完する機能として機能します。
成果:第9・10話の別装置コスチュームと舞台性
月花神楽の回は装束・背景設計を一段と強化し、色面の入れ替えと画面の余白で見せるリズムを再構築します。ここでは動作よりも絵解きの強度(舞台記号の提示間台詞)が推進力となり、シリーズ全体の画面慣性に巧妙なノイズを加えます。
限界:モーションの硬さと平板な色温度
一方で、人物モーションの硬さや色のコントラストの低さは指摘されがちです。省エネ設計は読みやすさを担保しますが、ダンスやライブの身体的快感を削り、観客の身体的共振を生みにくくします。初見評でも動きの硬さ・色の単調さ・出来事の希薄さが課題として挙げられ、ライブ総括回のカタルシスが演出よりも構成上の到達点として感じられる場面があります。
小結|研磨=物語
二話連作の切断面で心理を磨き、最終話で束ねる設計は、勝敗よりもケアへ転じたライバル関係、虚構を通じて自己を折り返す役の自画像、省エネ演出が支える慎ましいリズムを描き出します。しかしこの節度は時に痛点を無化してしまい、労働や制度の問題を個人の努力へ還元する面が見られます。宝石は多面体。だが研磨が過度になると光の乱反射は弱まる。本作が残した課題は、その光の向こう側にある荒れた面を、次作がどれだけ露出できるかという問いです。
主要参照:公式サイト(作品・スタッフ、ED展開)、編成情報・話数、各話タイトルと配列、特別編「月花神楽」告知・解説、初見評・視聴者所感。
久々にアニメイト本店へ行くと、店内の面積が以前よりさらに広くなり、壁一面に大きく掲示されたツキプロのポスターを見つけて「ツキプロか」とすぐに気づいた。女性向け作品は万単位で話題が広がらなくても、キャラクターや声優の人気で一定の収益が出るのだろうか。ツキプロは楽曲のクオリティは高い一方で、アニメ化はこれまで苦戦している印象が強い。今回の楽曲はROCK調なのかと思わせる要素があり、ストーリーの意味がつかみにくい点も気になる。確かにイケメンキャラは登場するが、物語の流れがつかみづらい部分もある。ただ、現実味のある設定と闇の薄さが逆にリアルさを感じさせる場面もあり、読者の想像を掻き立てる。とはいえ、この規模の広告を展開できるのは驚くべきことだ。