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感想・レビュー

1. 淋しい熱帯魚

   2025年9月7日

   神と悪魔の役割が逆転した物語は『デビルマン』よりもストレートで、その世界観が素晴らしいものでした。主人公の父は神に仕える者として冷酷な行為を繰り返しており、見た目はまるで闇に堕ちた早乙女博士。第一印象は「こいつ、敵だな」という感じでした。主人公の大学の先輩は流竜馬を彷彿とさせる悪人面ですが、実は主人公の味方です。主人公・涼の外見は兜甲児に似ています。物語の冒頭、雪山で氷の中から現れた魔王ダンテに食べられてしまう涼は、TV版『デビルマン』の第1話を思い出させました。そして、魔王ダンテの意識を奪った涼。ダンテの額には涼の顔が浮かび、まるでマジンガーZにパイルダーオンした兜甲児を連想させました。涼は悪魔の力に苦しみながら、ダンテの恋人メドッサやサタニストたちとの関わりを通じて、神が宇宙からの侵略者であることを知ります。そして、真の神の力としてダンテの力を利用し、神に立ち向かう涼。兄を慕う妹・沙織との悲劇的なラストバトルは忘れられないものです。アダムとイヴになるラストシーンには、何とも言えない感情を抱きました。原作も読みたくなりましたが、きっともっと面白いはずです。ただ、アニメは映像が残念だったのが惜しいところです。

2. GY202

   2025年7月7日

   『デビルマン』の原点を踏襲したアニメ化作品。元々地球に暮らしていた人類は、神によって悪魔として滅ぼされ、神の器として新たに創造された。神こそが争いを求め、創り出す存在であるこの逆転の発想は現在でも新鮮で、光のダンテと闇の神の戦士という対立軸が生むアンビバレントさとアイロニーは、現実を映して興味深い。さまざまな出来事を経て、天地創造へとやり直し、神の支配による永久地獄が続くという、胸糞悪い結末は強烈な印象を残す。観るべき内容としての価値は高く、描写も容赦なく鋭い。とはいえ全体の質感はやや安っぽさを感じさせ、神と悪魔の最終決戦が都心部の規模感にとどまる感があり、アクションの迫力も不足している点は惜しい。とはいえ、刺激と考察を誘う作品として、一定の評価に値する。