2013年2月15日に公開の映画「ゼロ・ダーク・サーティ」を今すぐ視聴できる動画配信サービス(VOD)を徹底紹介。この記事では「ゼロ・ダーク・サーティ」のあらすじやキャスト・声優、スタッフ、主題歌の情報はもちろん、実際に見た人の感想やレビューもまとめています。
ゼロ・ダーク・サーティが視聴できる動画配信サービス
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ゼロ・ダーク・サーティのあらすじ
華奢で青白い澄んだ瞳が印象的な20代半ばの女性・マヤ。見た目だけではCIA分析官には見えないが、情報収集と分析に天才的な感覚を持ち、手掛かりをつかめずに行き詰まるビンラディン捜索チームの要として抜擢される。捜査は困難を極め、ある日、同僚が自爆テロで命を落とす。その喪失を境に、狂気を含んだ執念でターゲットの居場所を絞り込んでいくマヤ。ついに隠れ家を突き止めるが、国家が下す決断は――。
ゼロ・ダーク・サーティの詳細情報
「ゼロ・ダーク・サーティ」の制作会社や監督、キャスト、主題歌アーティストなどの作品に関する詳しい情報をまとめています。作品づくりに携わったスタッフや声優陣をチェックして、より深く物語の世界を楽しみましょう。
監督 | キャスリン・ビグロー |
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脚本家 | マーク・ボール |
出演者 |
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カテゴリー | 映画 |
ジャンル | アクション サスペンス スリラー ドラマ 戦争 |
制作国 | アメリカ |
公開日 | 2013年2月15日 |
上映時間 | 158分 |
ゼロ・ダーク・サーティの楽曲
「ゼロ・ダーク・サーティ」の主題歌や挿入歌、サウンドトラックを紹介します。映像だけでなく音楽からも作品の世界を感じてみましょう。
- サウンドトラックZero Dark Thirty (Original Soundtrack)Alexandre Desplat
感想・レビュー
暗殺からわずか1年でこの映画が制作されたことに驚かされる。ストーリーは尋問、追跡、作戦の3つのパートに分かれており、それぞれにしっかりとした盛り上がりがあるため、2時間半の上映時間が全く長く感じられない。特にクライマックスとなる作戦シーンでは、その緊張感と興奮が極限に達している。報復のテーマは『ハウス・オブ・ダイナマイト』を彷彿とさせ、恐ろしい尋問や、ターゲットを即座に射殺する一方で現場にいる子供たちには優しく接する兵士たちの描写は、正義に向かう高揚感と不安感の二面性を際立たせ、見る者に不安を与える。長い戦いを終えた主人公に投げかけられる最後の言葉と、真正面からのカメラワークは、主人公がようやく人間性を表現できた瞬間を捉えつつ、アメリカ、ひいては世界の未来がいかに不透明であるかを示しており、最後まで緊迫感を失わない仕上がりになっている。
00年代のアメリカが、9.11の影響をどのように清算しようとしていたのかを描写している。監督の前作「ハートロッカー」と合わせて、アメリカの本質を映し出す作品となっている。
主人公である捜査官が作戦を推進する様子は、ジェシカ・チャスティンの力強い演技によって強く伝わり、観客を引き込む。
一方で、「ビン・ラディンを捕まえる」という選択肢が一切語られず、初めから殺害がチーム(ひいては国家)の唯一の目的になっている点は気に留まる。
主人公の使命感には、同僚の死に対する個人的な思いもあるかもしれない。しかし、殺害を目的とする捜査において、彼女は国家の復讐という重荷を背負ったままである。ラストシーンは、その圧力に対する彼女の応答である。
国家の復讐が殺害によって果たされるという考えは、「偉大な」アメリカのプライドを守るという信念に基づいているように思える。これは、関税などを通じて世界に混乱をもたらしているトランプ政策と本質的には変わらないのかもしれない。
前半はタリバンの捜索が思うように進展しなかった。クライマックスでは、シールズによる緊迫したウサマ・ビンラディン捜索の様子が描かれ、緊張感に満ちた兵士たちの姿が印象的だった。
『ハウス・オブ・ダイナマイト』繋がりでキャスリン・ビグロー監督作品『デトロイト』を観た後、さらに遡ってこちらを鑑賞。米国の正義が他国への介入とどう結びつくのかという問いは一旦脇に置きつつ、冒頭の911通話の再現から緊張感が高まり、終盤へ向けて張り詰めていく緊迫感に引き込まれる。目的地であるアジト潜入とビン・ラディン発見は、ストーリーのクライマックスのような場面だが、私が特に惹かれたのは、糸のような手掛かりをひとつずつ手繰り寄せ、関係者へと接近していく過程だった。手に汗を握りながらそのプロセスを追うことに没入した。
同僚が一人は折れ離脱し、別の人物は自爆テロの犠牲に。上司は脅迫され本国へ戻され、最終的に自分だけが残る。そのなかで、企画を通すにはどう動くべきか、上司をどう説得して自分のやりたいことを成し遂げるのか仕事映画としても深く響く要素が詰まっていた。長年かけて準備してきた作戦が、日常のときに突然現場で実行される瞬間の緊張感も見所だ。
ジェシカ・チャステインの焦燥と徒労感の演技が印象的で、私が好きな俳優陣が次々と登場するのも嬉しい。ジェイソン・クラークは髪が長く、ひげを生やして少し若く見える一方で、米国内に戻るといつもの凜とした顔立ちに戻る。ジェレミー・ストロングの神経質さ、マーク・ストロングの存在感。さらにカイル・チャンドラーとクリス・プラットまで加わって、キャストの豪華さに胸が躍る。
ビグロー監督の作風としておなじみの確率の話も再び登場。ダンが60%寄りになるとは思わなかったが、それだけにマヤの後のセリフがより響く。章ごとにテーマがテロップで表示される演出は彼女の十八番だ。ヘリ1機が目標地点で墜落する場面は、訓練を積んだ軍でも本番では予測不能な事態が起こり得るという現実を強く突きつける。訓練だけでは防ぎきれない危機だ。
オバマ政権下の人道政策を評価しつつも、それに伴う CIAの捜査方針の揺らぎが生んだ問題、そして結果として国外に通知なしの侵入に踏み切る判断の正しさは観る者の倫理観を揺さぶる。現場にいた子どもたちはどうなったのか。暴力の連鎖は止まらないが、ビン・ラディンを生け捕りにし投獄していたとして世界が良くなっていたのか。結局のところ、この作品は過去の出来事を問い直す力を持っている。
総じて、期待通りの素晴らしい作品。観てよかった。
とりあえず観終わった。アメリカ人には爽快感があるのかもしれないが、私は少し複雑な気持ちだ(´・ω・`)。しかし、暗視スコープを使った奇襲を受けた側は相当な恐怖を感じるだろうな(;´Д`)。何が起こっているのか全く分からないかもしれない。
編集次第で戦争映画もエンタメに変貌するまたしても悪魔的な一本が出現。息つく暇もなく緊張が続き、ダレ場さえ緊張で押し切られる。作劇の辣腕ぶりが光る。徐々に主人公の表情が強張っていき、クライマックスではジェシカ・チャスティンの存在感が完成するかのように見えるのが、妙に笑える。149/2025
#普通は別人みたいな人相になるはずw #あの日の音声テープで映画へ引き込むイントロの悪意 #みんなF**K言い過ぎ
実話をベースにした物語。女性のCIA分析官がオサマ・ビンラディン捜索チームに抜擢され、長年の捜索の答えとなる隠れ家をついに突き止める。序盤から繰り返される CIAの尋問(拷問)。少し前に観た『ザ・レポート』でその過酷さを知ってはいたが、この場面の迫力は格別だ。隠れ家にビンラディンが本当にいるのか作戦の実行を前に、当時のオバマ大統領も大きな葛藤を抱えたと伝えられる。分析官マヤが静かに涙をこぼす瞬間は、強い印象として心に残る。
CIAの執念の追跡がビンラディンを追い詰める。
クライマックスの奇襲作戦は、息を呑むほどの緊迫感だった。
何より心に残るのは、任務を終えたマヤの涙。
勝利の先に広がる深い空虚と複雑な感情。
安易なカタルシスを拒む重いラストが、観る者の心に深く刻まれる。
「ゼロ・ダーク・サーティ」公開記念レビュー:ビグロー監督が描く現代の戦士ドラマ
キャスリン・ビグロー監督が放つ渾身の一作。ドキュメンタリータッチの演出と緊張感あふれる現場描写で、現代の対テロ戦を芯の通ったドラマとして描き出す。主人公はCIAの若手分析官マヤ・ラムジー。9.11以降の追跡劇を通じ、彼女はビンラディンを頂点とするアルカイダの「大物」アブ・アフメドを追い詰めるべく、粘り強く情報を積み重ねていく。物語は時系列で進み、2003年のパキスタン着任時点から、資料の断片、尋問の場面、現地の連携、そしてアメリカ本部の判断まで、綿密な取材と脚本の緊密さでつむがれていく。
2003年、パキスタン支局での逮捕・尋問が急務となる中、マヤは同僚ダニエルとともに拘束者アンマルの取り調べに参加する。アンマルは9.11実行犯への資金提供に関与したとされ、手応えは確実。次々と名が挙がるサウジメンバーの中に、CIAが知らずにいた名前が浮かび上がる。やがてアブ・アフメドの存在が浮上すると、マヤは更なる捜査の手を強く狙っていく。
2004年、サウジアラビアでの爆発テロ。マヤは抽象的だった証言を具体化させるべく、上層部に対して巧妙なブロフを用い、アブ・アフメドの名が現実の情報として広がる手応えを得る。アブ・アフメドはビンラディンの側近で、ファラジとビンラディンの間を結ぶ連絡役との情報が浮かび上がる。続く捜査で別のアルカイダ工作員が同名を知っており、マヤは証言の裏付けを重ねていく。
2005年、ロンドンでの爆破事件後、ダニエルはアフガニスタンへ飛びファラジの逮捕へと踏み出す。マヤも現地へ入り、ファラジの尋問を通じてアブ・アフメドの核心を追うが、彼はなお口を閉ざす。マヤは、アブ・アフメドがアルカイダの「次の大物」であるという確信を深めていく。
2008年、ダニエルは任期を終え帰国。マヤは依然としてアブ・アフメドの所在を突き止めようと執念を燃やすが、彼の顔写真以外の手掛かりは乏しい。局長ブラッドリーは現実路線を説くが、マヤは彼の正体を暴く鍵は必ず見つかると信じる。
2009年、パキスタンのマリオットホテル爆破未遂の衝撃。ジェシカはバラウィという元アルカイダ工作員を買収可能な転向者として活用する任務を担うことになる。彼を接近させるべく若手局員と共にアフガニスタンへ向かい、現地での作業を進める。
2011年、本部と政府を動かしつつ、SEALsがアボッターバードの家を急襲する。マヤは長年の追跡の末、4人家族のうち4番目の男の正体を捉えようとするが、外部に一切出ない謎の男こそがビンラディン本人であるという確信が、ついに現実へと変わっていく。作戦の当日、家の最上階で敵を排除した隊員が無線で「ジェロニモ、確保」と報告する。ジェロニモはビンラディンを示す符牒だった。
この映画は、ハートロッカーで培った現場感を保ちつつ、女性を主役に据えた異例の構成で、終始真っ直ぐにゴールへと向かうドラマとして観客を惹きつける。特筆すべきはジェシカ・チャスティンの圧巻の演技力。初任務の小さな発語さえも硬さを含み、やがてCIA長官に対してビンラディンがあの家にいる確率は100%と断言できるほどの強さを手にするまでの成長を、繊細かつ力強く表現している。
ビグローの作風は、女性が主人公となる点でも異例の選択だ。現代のマチズモ観を再定義し、女性の視点が核となる緊張感とドラマ性を見事に両立させている。全体を通じて、現実の複雑さと倫理の狭間を鋭く描き出し、観客に深い余韻を残す。