1965年1月15日に公開の映画「飢餓海峡」を今すぐ視聴できる動画配信サービス(VOD)を徹底紹介。この記事では「飢餓海峡」のあらすじやキャスト・声優、スタッフ、主題歌の情報はもちろん、実際に見た人の感想やレビューもまとめています。
飢餓海峡が視聴できる動画配信サービス
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飢餓海峡のあらすじ
昭和22年9月20日、台風10号が猛威を振るう中、北海道の岩内で質店一家の惨殺事件が発生する。その直後、津軽海峡で青函連絡船の転覆事故が起き、乗客532名の命が奪われた。函館警察の弓坂刑事は、名簿に載っていない2つの死体が質店一家殺しと関係しているのではないかと睨み、捜査を開始した。
飢餓海峡の詳細情報
「飢餓海峡」の制作会社や監督、キャスト、主題歌アーティストなどの作品に関する詳しい情報をまとめています。作品づくりに携わったスタッフや声優陣をチェックして、より深く物語の世界を楽しみましょう。
| 原作者 | 水上勉 |
|---|---|
| 監督 | 内田吐夢 |
| 脚本家 | 鈴木尚之 |
| 出演者 | 三井弘次 三國連太郎 久保一 亀石征一郎 伴淳三郎 八名信夫 加藤嘉 加藤忠 北山達也 北峰有二 外山高士 大久保正信 安城百合子 安藤三男 山本麟一 岡野耕作 左幸子 志摩栄 斎藤三男 曾根秀介 最上逸馬 沢彰謙 沢村貞子 河合絃司 河村久子 牧野内とみ子 田村錦人 矢野昭 荒木玉枝 菅原正 藤田進 西村淳二 進藤幸 遠藤慎子 鈴木昭夫 関山耕司 須賀良 風見章子 高倉健 高須準之助 |
| カテゴリー | 映画 |
| ジャンル | サスペンス ドラマ |
| 制作国 | 日本 |
| 公開日 | 1965年1月15日 |
| 上映時間 | 183分 |
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飢餓海峡のよくある質問
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Q映画『飢餓海峡』のあらすじはどのようなものですか?
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A
『飢餓海峡』は、列車事故に巻き込まれた強盗事件を背景に、犯人を追う刑事と事件に関与する女の運命を描いたサスペンス映画です。事件の真相が徐々に明かされ、登場人物たちの複雑な人間関係が浮き彫りになります。原作は水上勉の同名小説です。
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Q映画『飢餓海峡』の主要な登場人物は誰ですか?
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A
映画『飢餓海峡』の主要な登場人物には、事件を追う刑事の桐原警部補や、事件に巻き込まれる女・杉本最初がいます。彼女は無実の罪に問われる中で、その真実を知ろうとする姿が描かれています。
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Q『飢餓海峡』のテーマは何ですか?
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A
『飢餓海峡』のテーマは、人間の欲望や罪と罰の対立です。作中では登場人物たちがそれぞれの過去や葛藤に向き合い、罪を背負った人間の心理を深く掘り下げています。このため、作品は社会派サスペンスとしても評価されています。
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Q映画『飢餓海峡』の制作に関わった著名なスタッフは誰ですか?
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A
『飢餓海峡』では、監督を森谷司郎が務め、脚本は橋本忍が手掛けています。これにより、原作の重厚なストーリーが見事に映画化され、多くの評価を受けました。
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Q映画『飢餓海峡』は原作とどう異なりますか?
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A
映画『飢餓海峡』は原作小説に忠実に映像化されていますが、一部の細かいエピソードが省略されています。また、映画の視覚的な演出が原作の持つ緊張感をさらに高めています。作品全体のトーンやテーマは一貫しているため、原作ファンも楽しめる内容です。



飢餓海峡の感想&レビュー
今作の監督、内田吐夢は、三船敏郎を危険な状況に追い込んだ黒澤明監督以上に恐ろしい存在だったと、当時の俳優たちが語っています。この映画には、観る者を圧倒するシーンが満載です。
今なら絶対に許されないパワハラをものともせず、全力で映画を創り上げる姿勢が感じられます。その中で、一癖二癖ある俳優たちの真剣な演技が見事に絡み合い、奇跡的な作品に仕上がっていると私は思います。
私は晩年の三國連太郎しか知らないので、彼がこの頃は非常に肝の据わった人物だったことを改めて感じます。
1954年の洞爺丸沈没事件は、海難事故の中で世界的に有名な事件の一つです。この出来事は戦後の混乱を反映しており、単なる勧善懲悪の犯罪ドラマではなく、貧困による道徳や正義の揺らぎを描いています。
戦後の貧困や混沌の中で生き延び、後に贖罪を果たそうとする犬飼に対して、物証が爪と筆跡鑑定のみの警察の取り調べには同情せざるを得ません。しかし、10年後の犬飼の行動(特に殺人と自白)は雑に感じられ、残念に思います。3時間の上映時間は意外と気になりませんでしたが、もう少し工夫できなかったのかと感じます。八重さんが不憫です。
録画を観よう!この作品は3時間を超える長編のモノクロ映画で、社会派ドラマとして高い評価を受けています。実在の事件をヒントにした設定が特徴です。
観賞メモ
– 長さ: 3時間超
– 特徴: モノクロ/社会派/実在の事件を題材
視聴体験: 1時間ごとに休憩を挟みながら鑑賞。自宅での視聴は周囲の雑音により没入感が薄れる場面もありましたが、それでも十分に楽しめました。
キャストとエピソード: 三國連太郎さんの生涯エピソードはWiki情報によると驚くべき内容。佐藤浩市さんの父、寛一郎さんの祖父というエピソードにも触れ、体格の良さと存在感が伝わってきます。
共演者: 40代の三國さん、30代の高倉健さん、30代の左幸子さん、50代後半の伴淳三郎さんと、渋い俳優陣の共演が光ります。
あらすじと見どころ: ある事件の発端から10年にわたる物語。結末には驚きの展開が待っています。三國さんが演じる役は、悪役として映る場面が印象的です。
総評: 観れて良かった。
敗戦後の日本を舞台にした、水上勉原作・内田吐夢監督作品は、日本映画史上屈指の傑作として称えられます。特に主演の左幸子の演技は最高峰。東北の素朴で気立てのよい芸妓を見事に演じており、この役を左幸子以外が演じていたら、ここまでの名作にはなっていなかったでしょう。三國連太郎、バンジュンも素晴らしい演技。唯一、高倉健の演技だけがやや軽めという評価もあります。
高倉健や三國蓮太郎ではなく、伴淳三郎の映画が印象に残る。信念を持ちながらも不遇に終わる男を見事に演じており、まさに哀愁というものを体現している。
途中から倍速防衛だとする自白が真実かどうかは分からない。自殺を示す伏線が次々と浮かび、結局は自殺してしまうのだろうか。本当に死んだのか。犯人サイドの生い立ちについて、もう少し深掘りしてほしかった。
どんよりとした空が支配する日々の中で
あの日、雨の中で出会った私たち
つかみどころのないあの人から
一生分の力を授かった気がする
あの人の欠片がここにあれば
私は何だって乗り越えられる
二人の出会いに寄せる感謝だけを
ただ伝えたかった
刑事さんと私の執念が
あの人に絡みつく
その後のことはもう
私は知ることができなくて
嵐の海を越えて歩み出した人生は
静かな海辺で終わろうとしている
[概要]
1965年公開の日本映画。モノクロ作品で、戦後社会の闇を描く推理・犯罪ドラマの名作として、水上勉の同名小説を基に東映が制作。監督は内田吐夢、脚本は鈴木尚之。主演は三國連太郎、ヒロインの八重を左幸子が演じる。戦後の社会派要素と時代劇的風格を融合した異色作として評価される。
[あらすじ]
敗戦直後の1947年、北海道岩内町で発生した大火事と、連絡船層雲丸の転覆事故が物語の発端となる。その直後、質屋一家の強盗殺人と放火事件が火元と判明する。函館警察署の弓坂刑事(伴淳三郎)は死者の謎と闇を追う。
同時期、青森県大湊では娼婦の八重(左幸子)が「犬飼」を名乗る大男と出会い、のち大金を渡して別れる。
十年後、借金を清算し上京した八重は恩人を忘れられず日々を送るがという展開。
[情報]
・1965年公開、モノクロ作品。
・原作は水上勉の同題推理・犯罪小説(1962年連載、1963年刊行)。
・戦後の社会派推理小説の代表格として評価される水上勉と、戦後の大陸路線で名を馳せた内田吐夢の組み合わせ。
・原作は洞爺丸事故と北海道岩内大火をモチーフに、戦後へと置き換えられている。
・当時の東映東京撮影所は現代劇路線の核作として企画を進め、監督は内田吐夢、脚本は鈴木尚之。
・主演の三國連太郎は国民的個性派俳優として著名で、後年も多彩な代表作を残す。
・ヒロイン八重役の左幸子はベルリン国際映画祭の女優賞を日本人として初受賞した名女優。
・準主役の味村刑事には高倉健が起用され、以降のスター街道を駆け上がるきっかけとなる。
・撮影手法として「W106」方式が採用され、16ミリを35ミリに拡大して粗い質感を狙う演出が話題に。
・予算規模は巨額だったが興収は振るわなかったという。
[制作の見どころ]
・戦後直後の貧困と喪失感が全編を貫く。
・粗さを活かすモノクロ映像の独自の美学。
・三國連太郎、左幸子、伴淳三郎の三者三様の名演と、登場人物の心理描写の深さ。
・犬飼と八重の関係性の謎と、十年を経て進む物語の構造。
・高倉健の若きスター性と対比する人物像の揺れが見どころ。
[テーマ]
敗戦直後の困窮と、それを超える人間の闇が描かれる。善悪の境界が揺らぐ瞬間を通じ、昭和の過酷な情景と社会の傷を浮かび上がらせる。次代へ語り継ぐべき歴史としての戦後像を提示する作品。
[感想]
名作に相応しい迫力と圧倒的な演技合戦が光る。
[まとめ]
戦後日本の困窮を鮮烈に刻みつつ、名優たちの演技が印象深い60年代を代表する犯罪映画。深作欣二の仁義なき戦いと同時代の作品だが、舞台を北海道・東北・北関東の現実に置く乾いた世界観が特徴。方言の活用もリアリティを高めている。
年に2回ほど昭和の日本映画を観ている。今回の鑑賞作は186分という長尺作品。1965年製作でありながら粒子の荒いモノクロ映像はもっと旧い?という印象を与えるが、これも撮影の狙いだという評判通り、成功している。観終えてWikipediaを開くと、度重なるプロデューサー交代、三國失踪(太地喜和子と)、ベテラン監督による壮絶なパワハラ演技指導、函館で500人のエキストラと台風待ち2週間といった、猥雑な力学に満ちたカオスな撮影過程が伝わってくる。強い力学が渦巻く現場だったのだ。作中で10年前の〜10年前に〜という語が頻出するが、現代感覚だと10年前は現在と近い記憶が残る時期だ。しかし昭和のこの時代には十年一昔どころか遥かな過去として語られ、高度成長期の時間の密度が現代とは異なるのだろう。以下、ネタバレありです。著名な原作を源に社会派を軸に据える脚本だが、2度目の犯行の描写はあまりにもずさんでリアリティを欠く。特に書生は殺さないのでは、と感じる。4年間の同居生活の中であの言い草は不自然だ。ここまで練り上げてきた樽見が、家に転がっていたオート三輪を使って事件隠滅にするのは、捜査の長期戦を要さずともすぐに露見しそうだ。私は映画にリアリティを求めるタイプだ。終盤の展開で一部緊張が崩れ、樽見(三國)と味村(高倉)の舌戦のハイトーンなやりとりで決着がつく場面は、ややもやつく。原作と映画の核となるメッセージは、元刑事の口から語られる極貧を知る者だけが犯人の真の動機を知り得るという考え方に近いのかもしれない。伴淳三郎のシリアスな演技は格好良い。音楽は冨田勲が担当、シンセ以前の音作りにも冨田の香りが漂い、旋律に独特の冨田感が宿る。
当時の日本を裏側から感じる。今とは異なり、貧しい家庭の地方女性は奉公(人身売買)や娼婦(風俗嬢)、女給(現在のキャバ嬢に相当)といった手段で金を工面せざるを得なかった。金の力で名声を買うそれは闇の資金が支える世界だ。不慮の大事故をモチーフに、戦後の混乱のなかで紛れ込んだ窃盗と殺人の物語が展開する。クライマックスで犬飼は自決する。仲間の死を悼んだのか、それとも名声を得た今となって地に落ちるのを耐えられなかったのか。砂の器になぞらえるように、戦後の日本には過去の闇と悪の手で得た成功を背負い、そんな人間が覚える怯えを抱える光景が決して少なくなかったのではないかと、私は思ってしまう。