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スパイダー／増殖の感想＆レビュー

1. オタクのおっさん

   2025年10月9日

   【イントロダクション】
   本国フランスで過去20年間のフランスホラー映画No.1ヒットを記録したモンスター・パニック・ホラー。毒グモがアパート内で異常繁殖し、住人たちが脱出を試みる展開を描く。監督・脚本は新鋭セバスチャン・ヴァニセック。

   【ストーリー】
   北アフリカの砂漠で、密猟者たちが強力な毒を持つ糸グモの巣を発見して乱獲する。しかし、密猟者の一人が蜘蛛に噛まれて苦痛に苛まれ、仲間が彼を楽にしようとする。

   フランスのとある店で、引っ越し先の女性への贈り物として高品質なイヤリングを探すカレブ（テオ・クリスティーヌ）。店の裏に連れていかれた彼は、密輸入された生物の一群の中から1匹のクモを気に入る。腹部が膨れている理由を店主は「よく食べるから」と説明する。カレブはイヤリングとクモを購入し、パリ郊外のアパートへ戻る。

   パリ郊外の円形の建物が特徴的なアパートに戻ったカレブは、爆竹で遊ぶ若者をしかり、管理人のザオの手伝いをするうち、ゴミ袋の液体が彼の服につく災難に見舞われる。地下へ降りてスニーカーの転売在庫を整理していた彼は、商売仲間のマティスと話す。マティスから、トゥマニという若者のグループがエアマックスの注文を待ち続けていることを知る。箱のダメージを理由に仕事を自宅へ持ち帰ることにする。

   帰宅後、改装工事中の妹マノンと口論になる。自室に戻ったカレブは、持ち帰ったクモの仮置き場として靴の空箱を使うが、クモは箱の底を破って脱走してしまう。

   翌朝、かつての親友ジョルディ（フィネガン・オールドフィールド）とその恋人リラ（ソフィア・ルサーフル）と鉢合わせる。過去の過ちのせいでジョルディは足に後遺症を抱え、二人の夢だった爬虫類園の開業も叶わなくなっていた。

   一方、カレブに渡された靴を履こうとしたトゥマニは、靴の中にいたクモに噛まれてしまう。靴の中から無数の子グモが飛び出し、彼の体を這い回る。部屋を調べると、トゥマニの遺体が見つかり、警察は伝染病の恐れから自宅待機を指示する。カレブはトゥマニの死因と靴箱からのクモの逃亡を結びつけ、仲間に真相を話す。

   やがてクモは異常な繁殖力でアパート中に蔓延。カレブたちは脱出を余儀なくされる。

   【感想】
   予告編公開時から観たい欲を煽られていた本作だが、上映館の少なさで劇場鑑賞を断念し、ようやくレンタルDVDで視聴した。蜘蛛を主役に据えるモンスター・パニック映画としては、ゲイリー・ジョーンズ監督『スパイダーズ』（2000）や、ローランド・エメリッヒ総指揮・エロリー・エルカイェム監督『スパイダー・パニック』（2002）といった隠れた傑作を連想させる。特に本作はスティーヴン・キングが「怖くて気持ち悪い。非常に良く出来ている」と絶賛した点が話題となった。

   実際、砂漠から密輸入された凶悪な毒糸グモが繁殖してアパートを巣窟化させる場面は、時に人体や犬の身体を貫く描写もあり、蜘蛛版『エイリアン』を想起させる緊迫感と最新CGの迫力で強烈な嫌悪感を刺激する。一方で、事件の原因が主人公にある点は、どんなに仲間を失い、妹や友人を守ろうと奮闘しても共感を得にくく、物語の没入感を削ぐ大きな欠点として響く。

   仮にカレブが店で蜘蛛を買わず、事態の発端を回避できた可能性もあるが、店主が腹部の膨張を見て蜘蛛を過剰サービスとして押し付ける場面や、荷物の隙間に紛れて蜘蛛を持ち帰らせる別の経路も描けただろう。カレブが蜘蛛を哀れに思い、一時的に靴箱で保管したが逃げられてしまうという設定には、配慮の余地があった。

   ラストへ向かう中盤のやり取りは、カレブの誓うか？という問いへの頑なな態度と結びつき、妹を救う場面などで先の展開を予測させてしまい、やや煩雑さを感じさせる場面もある。

   また、本作の特徴として良い奴から先に死ぬという演出手法が挙げられる。ジョルディやマティスといった善人が思いのほか早く命を落とすわけではなく、逆にカレブらの生存が作品の緊張感を支える構図は興味深い。

   巨大化・繁殖のスピードは圧巻で、後半に進むほどサイズのスケール感が突飛になり、ツッコミどころも増える。ラストでアパートが爆破解体されるが、クモの完全駆除まで描かれたとは言い難い。

   【総評】
   話題性と素材の魅力は確かにあるが、事件の起点を主人公に背負わせる設計、過剰な繁殖力の描き方、テンポの乱れなどが相まって、全体として中途半端に終わってしまった印象。とはいえ過去20年間フランスホラー映画No.1ヒットという触れ込みには過度な期待を誘う側面が有り、作品の魅力と課題を同時に浮き彫りにする点は興味深い。

2. momotaro

   2025年10月6日

   ハラハラさせられる展開は確かにある。しかし、主人公たちの無計画さが一挙手一投足に露呈するたび、思わず苛ついてしまう場面も。そんな局面をぐっと耐え抜けば、本当に彼らはそんなに大きくなるのか？と笑ってしまうレベルでBIGな蜘蛛たちが大集合する、ドリーミーな展開へとつながります。

3. 淋しい熱帯魚

   2025年9月29日

   ゾワゾワする表現が見事で、ギャーと叫びたくなる不快感を煽る場面が多く、腕を掻きむしりたくなる瞬間が結構ある。

   ゾクッとする描写が際立っており、思わずギャーと声を上げたくなるような腕を掻きむしりたくなるシーンが頻繁に登場する。

   ゾワゾワする表現力が秀逸で、腕を掻きむしりたくなるような場面が結構多い。

4. 影造

   2025年9月24日

   今作の主役は蜘蛛。マジで不気味さ全開で、群れを成して動くさまや、徐々に巨大化していく演出が最高にゾッとする。
   ただ、登場人物への感情移入はやや難しかった。特に主人公が蜘蛛を逃して大惨事を招くにもかかわらず、救おうとする警官に対して『お前らのせいで仲間が死んだ！』と責める場面には、被害者ヅラに見えて違和感があった。
   とにかく、ペットを捨てる人にはこの作品を観てほしい。

5. 鬼雀

   2025年9月23日

   逃げ出した蜘蛛が大量発生してアパートが大変なことに！

   エキゾチックアニマル愛好家のカレブは、スニーカーの転売をしながら日々を過ごしていた。
   ある日、仕入れ先のおっちゃん（かなり怪しい）からペンダントを購入するついでに、一匹の毒蜘蛛も手に入れてしまう。

   水槽が準備できるまで、その蜘蛛をスニーカーの箱にしまっておくが、案の定逃げ出してしまう。
   同じアパートのトゥマニから頼まれていたスニーカーを売るも、靴の中には逃げた蜘蛛が隠れていた！

   しばらくして、トゥマニの部屋から犬の吠える声が聞こえ続ける。カレブとの住民たちは部屋に押し入ると、なんとトゥマニは亡くなっている！

   警察と消防が介入した結果、感染症のリスクがあるためアパートは閉鎖されてしまう。
   カレブは友人たちと共に仕方なく部屋に戻るが、浴室から大量の蜘蛛が飛び出してきた。この際、友人のジョルディがカレブを問い詰めた結果、飼っていた蜘蛛が逃げ出していたことが判明する。

   その蜘蛛は驚異的なスピードで繁殖し、あろうことか環境に適応するために進化していた！

   やがて、大量の蜘蛛がアパート中を埋め尽くし、カレブたちは脱出を試みるが、通路には既に大量の蜘蛛が待ち構えている。

   ***
   虫が苦手な方は、マジでこの話は見ないほうがいいかも。
   蜘蛛系のパニックものは数あれど、こちらは突然変異で巨大化するのではなく、リアルさを持ちながら異常繁殖した蜘蛛たちからの脱出劇。
   一般的に蜘蛛は光に弱い設定があるため、ライトや発煙筒を駆使しながら蜘蛛だらけのアパートを進む様子は絶妙におぞましい。
   何もないはずの空間に何かが這い、視界の端に動くものが見える錯覚が続出します。

   中盤に電気が点いている間に蜘蛛の巣だらけの廊下をそろりそろり通り抜けるシーンは、観るこちらもかなり気を使いました。

   この後、夢に出ないことを祈ります️

   以下ネタバレ️️

   カレブたちは警官隊との死闘の最中、無事に脱出はしたものの、アパートは解体されてしまったようだ。
   多くの犠牲者が出たにもかかわらず、特に触れられることもなく、蜘蛛の生き残りもチョロチョロすることなく物語は終了。
   オチは少し弱いかも。

6. asan

   2025年9月22日

   純粋な心を持つ転売ヤーと、同じアパートの住人を襲う猛毒グモそんな雰囲気のリアル蜘蛛映画。RECを彷彿とさせる設定でゾンビを追い出し、猛毒グモを移植するという要素が光る。内臓が見える描写や人体崩壊は避けられないタイプの緊迫感もあるが、蜘蛛だけは特別な恐怖として迫ってくる。噛まれたら一撃必殺級の攻撃力を見せつけるその力も強烈。作品が伝えるメッセージは「外来種の持ち込みがもたらす危険性」だと感じられる。中盤以降は物語の空気が一気に重くなり、急にシリアスへ転じる展開も納得のリアリティ。警察によるアパートの隔離描写や、古びた建物の雰囲気はREC好きにはたまらない。一方で登場人物の行動を正当化しすぎる点はやや不満。蜘蛛の見せ方は抜群に不気味で秀逸。

7. タダオ

   2025年9月13日

   2025.99

   蜘蛛が増殖して人を襲う、タイトル通りの展開。増えるだけでなく襲撃の連続で、見ているこちらまで息を呑む恐怖が続きます。

   主人公は「正義感」なのか「謎の使命感」なのか、行動するたびに裏目に出るタイプ。だからこそ余計に恐怖が深まる。いや、正直それはあなたのせいだろう、なんてツッコミも刺さります。

   それと全員に言いたいのは、まず肌を覆えということ。ダメと言っていない、危ないと言っているのだ。

   クモは観客をしっかり驚かせ、巣を張るスピードも圧倒的。彼らの奮闘には目を見張るものがあります。歌丸です。

   怪獣映画のような超巨大サイズは登場しませんが、リアルに存在したらとんでもなく怖いくらいの大きさになるので十分恐ろしい。実際に現れたら、逃げる以外に手はありません。

   ゾワゾワして身体が痒くなる系ホラーとしては非常に完成度が高く、クモ嫌いはもちろん、そうでない人にも鳥肌を立てさせるはず。無性に体を掻きむしりたくなる衝動を煽る一本です。

   2025.99
   #クモの頑張りに泣く男

8. 工房の庭

   2025年9月8日

   毒グモが逃げ出し繁殖して住民を恐怖のどん底へと追い込むホラー映画。正直、カリブの描き方には違和感が残る。毒グモを好きなのに扱い方を知らない設定には納得できない。シューズの空き箱に毒グモを入れる展開は現実味に欠け、おかしすぎる。中盤でカリブが善人のように描かれるものの、それが最後まで尾を引き、評価を下げる要因となっている。

9. 杉山 真

   2025年9月2日

   REC、エイリアン、アラクノフォビアが好きなら必見の蜘蛛スリラー。蜘蛛嫌いには手が出しづらいかもしれないが、蜘蛛好きには強く刺さる作品だ。蜘蛛と主人公の共通点をめぐるテーマもあるが、過度な説教臭さはなくすっきりと描かれる。主人公が被害を拡大させていく展開は、わかりやすい伏線とテンポの良い展開で視聴者をハラハラさせてくれる。

10. イーロン・マヌク

    2025年8月26日

    特に印象的ではなかった。
    蜘蛛は大勢いるものの、
    気持ち悪さはあまり感じなかった。
    主人公の、
    「少し抜けているけれどいい人」
    という雰囲気が良かった。