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マイ・サンシャインの感想＆レビュー

1. momotaro

   2025年8月22日

   抵抗運動の象徴・キングと同じ名を持つ青年をめぐる理不尽な暴力事件が前提となり、そこへ少女の射殺が重なる。すでに沸点に達しつつある現状へさらなる絶望が注ぎ込み、都市は炎と煙に包まれて地獄の様相を浮かび上がらせる。突発的な怒りと暴力が生む断裂の中で、怒号と凶行が渦巻く光景が描かれる。混沌を巧みな演出と才覚でこの尺に収める手腕は見事だが、背景は背景として、隣人愛へと焦点を絞り続ける。ダニエル・クレイグは、その手錠を外すことに全力を注ぐ男を好演し、誰にとっても太陽のような存在であるハル・ベリーは夜明けとともに家路につくが、その表情は決して晴れない（邦題の意味が伝わりにくいとの声もある）。バーガーキングを巡る攻防は、作品の中でも特に印象深い見どころだ。

2. ストラトファイター

   2025年6月28日

   混沌とした世界
   こんな時代は嫌だ
   けれど、実際にはそこまで昔ではない時代に起きた出来事
   人間は愚かだな

3. スープ

   2025年2月3日

   この作品は1991年に実際にロサンゼルスで発生した「ラターシャ・ハーリンス射殺事件」と「ロドニー・キング事件」、それに続く1992年の大規模な「ロサンゼルス暴動」を背景にしています。韓国系アメリカ人の黒人に対する差別意識や白人と黒人の間の対立、LAという多人種の街における混乱を描き、その中で居場所を失う子どもたちや、貧困や差別から犯罪に走る負の連鎖を描写しています。

   主人公のミリー（ハル・ベリー）は、親が逮捕されたり行方不明になった子どもたちを次々と引き取り、育てています。隣人の白人オビー（ダニエル・クレイグ）は、文句を言いながらも彼女を見守り、次第に意識し合っていく2人の関係は、擬似家族のように見える反面、暴動を通じて距離が近づくあまり、無責任で微妙な関係にも思えます。

   ミリーは子どもたちを我が子のように溺愛し、彼らが見えなくなると騒ぎ立て、可哀想な子どもを見ると見過ごせずに引き取る計画性のなさを持っています。その結果、世話が追いつかず、息子のジェシーが小さな子どもたちの世話を任されたり、食べ物に困って子どもたちが万引きに走ったりします。しつけもままならず、子どもたちは悪いことに楽しそうに参加し、怒られても反省しない姿が描かれています。

   引き取ること自体は肯定的なのに、愛情を持って育てるミリーの輝かしい瞬間が台無しになる瞬間があり、いろいろな要素が詰め込まれているものの、結局何を描きたかったのか考えさせられます。

4. りょうま

   2025年1月5日

   映画の核は主演の二人の演技が光っていた点。でも、物語の展開は散漫で、伝えたい方向性もはっきりせず、完成度は正直低い。とはいえ、事件の内容が重いだけに低評価を付けづらい作品でもある。日本を含む司法制度の行く末に対する怒りが画面を震わせ、司法・立法・行政が「強者を守る道具」のように見える現状には違和感が残る。そんな現実は不要だと感じ、「全員を殺したい」と思うほどの強い衝動を引き出す表現力も持つ。私がその場にいたら、暴動に加担してしまうのではないか、という気持ちにもなる。現実にはそうでないと信じたいが、この映画は社会の闇を鋭く問う作品として強い印象を残す。

5. hina0813

   2024年12月17日

   アメリカの黒人差別問題を描く作品は、社会に対して大きな問いを投げかけるものだった。日本人には理解が難しい点もあるが、南アフリカのアパルトヘイトは、法律上は廃止されたにもかかわらず現実には根深く残っている事実と対照的だ。アメリカ社会にも、未だ白人の中にこのような偏見を抱く人々が多いのだろう（特に警官の間でそうした傾向が見受けられる）。この厳しく難しいテーマを、穏やかなビジュアルの挿入で監督は巧みに表現している。そうした点は、私が感動した『キリング・オブ・ケネス・チェンバリン』を思い起こさせる。黒人への偏見がこの作品にも強く表れている。余談になるが、ダニエル・クレイグが出演していたことには少し驚いた。彼はアクションだけでなく、黒人の介護役としてドラマにも登場していたのだった。

6. ゆんちゃん

   2024年9月18日

   ロドニーキング事件を発端としたLAの大暴動を描く。豪華な俳優二人が、巻き込まれた隣人役として一般市民の視点を体現する。ハルとダニエルの絡みをもう少し深掘りしてほしかったが、それを描くと人種差別の焦点がぼやけてしまうかもしれない。事実に目を背けることなく、真実と向き合おう。

7. 影造

   2024年9月6日

   本作は社会的テーマを深く掘り下げた映画です。黒人差別が激しかった時代と場所を背景に、ある家族の日常を静かに切り取っています。生きるだけで危険と隣り合わせだった当時の現実を想像すると、白人社会やアメリカの銃社会の在り方に強い恐怖を感じます。

8. 浩史

   2024年8月18日

   ハル・ベリーさんの演技と社会派映画に惹かれて鑑賞しました。この作品は、ラターシャ・ハーリンズ射殺事件やロドニー・キング事件から派生するLA暴動を背景に、家庭に恵まれない子供たちを育てている主人公ミリーさんを中心に描かれています。前半は非常に引き込まれましたが、後半になるとストーリーが散漫に感じられ、友達を刺した子供が慌てふためいているシーンや、ミリーさんの恋愛エピソードなどが無理に絡むことで、全体的にイマイチな印象を受けてしまいました。残念です。

9. いろすえ

   2024年3月6日

   キャストは良かったし、実話を基に作られたのに、もったいない気がする。
   キャストの演技は素晴らしかったが、実話を元にしているだけに、どこか勿体ない印象を受けた。
   キャストが良かったのに、実話ベースの作品なのにも関わらず、期待には届かなかったと感じた。

10. 海風

    2024年2月17日

    U-NEXTのおすすめで知った『クラッシュ』は、正しい行いをしても報われないという不条理さと、人種差別問題が絡む現実を描く作品です。

    ハル・ベリーとダニエル・クレイグの共演は魅力的に感じましたが、二人の演技とストーリーの結びつきには戸惑いもありました。それでも総じて見応えはあり、良い点も多いと感じます。

    一方で、物語の展開には惜しい点が目立ちます。豪華キャストを起用し、子どもたちの熱演も光るのに、脚本の構成や演出が物足りなく感じられる場面が散見されるのが残念。監督の手腕について賛否が分かれるのも頷けます。全体としては、まとまりに欠けるとの指摘も多いテーマ作品です。

    上映時間は約90分と短めなので、時間のある方はぜひ視聴して感想を教えてください。