2022年7月2日に公開の映画「マルケータ・ラザロヴァー」を今すぐ視聴できる動画配信サービス(VOD)を徹底紹介。この記事では「マルケータ・ラザロヴァー」のあらすじやキャスト・声優、スタッフ、主題歌の情報はもちろん、実際に見た人の感想やレビューもまとめています。
マルケータ・ラザロヴァーが視聴できる動画配信サービス
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マルケータ・ラザロヴァーのあらすじ
中世の騒乱と肥大化した信仰。少女マルケータの呪われた恋――同名小説の映像化は“不可能”と言われたが、チェコ・ヌーヴェルヴァーグの巨匠フランチシェク・ヴラーチルが映画化した。チェコ映画史上最高傑作と称され、55年の時を経て日本で初の劇場公開を果たした。舞台は13世紀半ばの動乱が続くボヘミア王国。修道女になることを約束されていた少女マルケータは、領主を名乗るだけの父ラザルと敵対する盗賊騎士コズリークの息子ミコラーシュと恋に落ちる。彼女の心とは裏腹に、王権拡大を巡る二つの血統間の衝突は激化していく……。キリスト教と異教、人間と野生、愛と暴力に翻弄される人々を描く本作は、『アンドレイ・ルブリョフ』(アンドレイ・タルコフスキー監督)、『七人の侍』(黒澤明監督)などと並び称され、1998年にはチェコの映画批評家とジャーナリストを対象にした世論調査で史上最高の映画に選出された。
マルケータ・ラザロヴァーの詳細情報
「マルケータ・ラザロヴァー」の制作会社や監督、キャスト、主題歌アーティストなどの作品に関する詳しい情報をまとめています。作品づくりに携わったスタッフや声優陣をチェックして、より深く物語の世界を楽しみましょう。
| 原作者 | ヴラジスラフ・ヴァンチュラ |
|---|---|
| 監督 | フランチシェク・ヴラーチル |
| 脚本家 | フランチシェク・ヴラーチル フランチシェク・パヴリーチェク |
| 出演者 | イヴァン・パルーヒ ナジャ・ヘイナー パヴラ・ポラーシュコヴァー フランチシェク・ヴァレツキー マグダ・ヴァシャーリオヴァー ミハル・コジュフ ヨセフ・ケムル ヴラシチミル・ハラペス |
| カテゴリー | 映画 |
| ジャンル | ドラマ |
| 制作国 | チェコ |
| 公開日 | 2022年7月2日 |
| 上映時間 | 166分 |
マルケータ・ラザロヴァーの公式PVや予告編動画
「マルケータ・ラザロヴァー」の公式PV・予告編動画を紹介します。映像から作品の雰囲気やキャストの演技、音楽の世界観を一足先に体感できます。
マルケータ・ラザロヴァーの楽曲
「マルケータ・ラザロヴァー」の主題歌や挿入歌、サウンドトラックを紹介します。映像だけでなく音楽からも作品の世界を感じてみましょう。
- サウンドトラックMarketa LazarováVarious Artists
マルケータ・ラザロヴァーを無料で見る方法は?
「マルケータ・ラザロヴァー」を無料で視聴するなら、「DMM TV」「U-NEXT」などの無料トライアル期間を活用するのがおすすめです。
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マルケータ・ラザロヴァーの感想&レビュー
絵にはめちゃくちゃ惹かれるのに、内容が全然分からない。町山さん、解説をお願いします!
絵の魅力には強く惹かれるが、中身が理解できない。町山さん、解説していただけますか?
絵にはとても惹かれるのに、意味がさっぱり分からない。町山さん、解説してくれ!
絵の魅力に心を奪われる一方、全体の意味が掴めない。町山さん、詳しく解説してほしい。
アップリンクで上映されていた際に鑑賞しました。事前の情報を持たずに観たため内容はよく分からなかったものの、映像は今でも心に残っています。
フランチシェク・ヴラーチル監督作。20世紀チェコの作家ヴラジスラフ・ヴァンチュラの1931年同名長編小説を、チェコの鬼才フランチシェク・ヴラーチル監督が映像化した歴史大作。日本では本国チェコ公開から約55年を経て、2022年に劇場公開を果たしました。
13世紀半ばのボヘミア王国を舞台に、修道女になることを約束された少女マルケータが国王に対抗する二つの氏族の権力闘争に巻き込まれる姿を、敵対氏族の息子ミコラーシュとの波瀾の恋の行方と絡ませて描く、叙詩的な歴史絵巻です。
戦乱のボヘミア王国を駆け抜ける少女の数奇な運命を、ボヘミアの土着信仰と慣習を背景に二部構成で描き切る大作歴史ドラマ。全編モノクロームで描かれる中世チェコの厳冬と荒涼の映像美が圧倒的な力強さを放ち、女優マグダ・ヴァシャーリオヴァーは歴史の波に翻弄される氏族の少女を熱演しています。 #死ぬまでに観たい映画1001本_一人旅
チェコ・ヌーヴェルヴァーグには以前から興味があり、伝説的な作品として名高い名作をずっと観てみたいと思っていました。そんな中、たまたまU-NEXTで観られるようになっているのを見つけ、驚きつつ視聴。チェコ映画史上最高の映画にも選ばれたことがあるらしいですが、私の好みには少し合いませんでした。
チェコ・ヌーヴェルヴァーグの監督陣として、イジー・メンツェル、ミロシュ・フォアマン、ヴェラ・ヒテロヴァ、ヤン・ニェメツ、ユライ・ヘルツなどを色々と観ましたが、結局のところメンツェルが一番好きなのかもしれない、という気持ちに落ち着きそうです。
第一部は、13世紀半ばのボヘミア王国を舞台に幕を開く。ロハーチェックの領主コズリークの息子ミコラーシュと従者アダムは、ムラダー・ボレスラフへ向かうザクセン公国の伯爵一行を襲撃し、伯爵の息子クリスティアンと従者を拉致する。ミコラーシュが現場へ戻ると、オボジシュテェの領主ラザルが積み荷を漁るところを見かけ、激昂して彼を殺そうとするが、ラザルがキリスト教徒として祈っている場面を見て思いとどまり、殺害を見送る。戻ったミコラーシュに対し、コズリークはラザルを殺さなかったことを責め、さらにアダムが「伯爵を捕らえておけば王への交渉材料になったはずだ」と語ったことに怒りが募る。一方、アダムは妹アレクサンドラがクリスティアンに心を寄せていると知り苛立つ。二人は一度だけ不義を交わした過去があるが、以後アレクサンドラはアダムを拒絶していた。さらに、アダムの妹との不義は母カテリーナによってコズリークに密告され、妹は罪として片腕を切り落とされていた。コズリークはムラダー・ボレスラフへ進むが、王の連隊のピヴォ隊長に捕縛されそうになり、森の狼の群れに追われて領地へ逃げ帰る。彼は王の連隊の攻撃を警戒して森の砦を築く。ミコラーシュはラザルの領地へ向かい同盟を持ちかけるが、ラザルは国王側につくことを選び提案を拒否する。ミコラーシュはラザルの息子や家来に袋叩きにされ、砦へと戻る。その夜、ピヴォ隊長がラザルの領地に到着するが、コズリークの息子たちは補佐官を誘い出して殺し、森へ逃げ去る。補佐を殺されたピヴォ隊長はコズリーク一族への復讐を誓う。ピヴォ隊長が出発した後、ラザルは娘マルケータを連れて修道院を訪れるが、資金不足のため修道院長に挨拶して砦へ戻る。しかし砦はミコラーシュの襲撃により制圧され、ラザルの息子は命を落とす。ラザルは命乞いをするが、ミコラーシュは見返りとしてマルケータを要求する。拒否されると城門に磔にされ、マルケータはミコラーシュに連れ去られ、彼に犯されてしまう。これを知って怒ったコズリークは、アレクサンドラがクリスティアンの子を妊んでいることも含め、父ラザルを罰するべく砦の丘に三人を鎖で繋いでしまう。
第二部は放浪僧ベルナルドの旅から始まる。彼は羊を連れて旅していたが、施しを求めてコズリークの砦に入ったところを襲われ、羊を奪われて追い出される。彼は羊を探すが、王の兵士を襲っていたアダムに騙されて別の場所へ誘導されてしまう。そこを通りかかったピヴォ隊長はアダムを捕虜にし、コズリークの砦へ進軍する。ベルナルドは周囲をさまよい、やがて砦に戻って一夜を過ごす。翌早朝、王の連隊が砦に集結し、コズリークはミコラーシュたちを解放して砦に戻し、クリスティアンを人質として事態を収拾しようとするが失敗して王の連隊と戦闘になる。その戦いの中でアダムは命を落とす。クリスティアンは兵士たちに追われるアレクサンドラを助けようとするが、伯爵と従者に「下賤な異教徒と関わるな」と諭され、父への忠誠と彼女への愛情の間で板挟みになる。やがて廃墟となったラザルの砦へ辿り着いたクリスティアンはベルナルドと再会する。休息の後、彼は森へと戻る。一方、砦から脱出したミコラーシュ、マルケータ、アレクサンドラはコズリークがムラダー・ボレスラフへ連行されるのを目撃する。3人は森で身を潜め、徘徊するクリスティアンと再会する。父とアレクサンドラの間で板挟みとなったクリスティアンは発狂し、アレクサンドラは彼を殺してしまう。その後、アレクサンドラは伯爵に捕らえられ、クリスティアンを殺した罪で連行される。マルケータはミコラーシュを愛するようになり、彼に導かれて父ラザルのもとへ戻るが、未婚の身で男に身体を許したとしてラザルは彼女を拒絶する。マルケータは修道院へ向かい修道女となる誓いを立てようとするが、ミコラーシュを愛すると知って迷い、誓いを拒む。同じころ、母カテリーナと合流したミコラーシュは父を救出するべくムラダー・ボレスラフの牢獄へ向かい、兵士たちと戦う。子供に腕を握られながら修道院を離れたマルケータは再びムラダー・ボレスラフへ向かい、瀕死の重傷を負ったミコラーシュと再会する。ピヴォ隊長はマルケータにミコラーシュへの愛を認めさせ、二人を夫婦として結び付けたうえで、ミコラーシュの死体とコズリークを連れて去っていく。荒れ地でベルナルドはマルケータを旅の同行者に誘うが、新たな相棒となった羊を追ううち彼女は立ち去ってしまう。最後にマルケータとアレクサンドラは息子をもうけ、マルケータが二人の男児を育てたことが語られ、物語は幕を閉じる。
予習を知らずに鑑賞してしまい、物語についていけない感は否めない。しかし、それにもかかわらず、壮大で大胆、なのに繊細な場面のひとつひとつに圧倒された。チェコ映画特有の空気感や、言葉がなくても伝わる圧力は、他国の作品では味わえない魅力だ。理解を深めたいので、筋書きの背景を知ったうえで、もう一度鑑賞したい。#wjhaiyte_2025#wjhaiyte_2025_5
チェコを旅する際、絶対に観ると決めていた一本。『偶然に作られた物語、よって称賛される必要無し』という表現のとおり、過剰な賛美は不要だ。映像はあまりにも恐ろしく、正直、観ているのがつらかった。現代には想像もつかないような表現の連続で、今まで観た映画の中でもトップクラスに怖い、いや、きつさの極致だった。しかし、この重苦しさの中でもがき苦しんだ先に生まれたボヘミアの作品群には、心からの敬意と魅力を感じた。作品を見てよかったと心から思えるのは、その背景の一端を少しでも感じ取れたからだ。そして音楽はストレートに最高だった。
映像やメッセージは非常に印象的で叙事詩的で難解です。完全には理解できていませんが、傑作だと感じます。特に動物の描写が心に残りました(本物でないことを願いたい気持ちもあります)が、それは作品の価値に影響しません。
物語は主人公マルケータを軸に進むかと思われるが、実際には複数の人物視点で展開する。時代背景や固有名詞は馴染みが薄く、脳内幻想や過去の回想が頻繁に挿入され、セリフや幕間の説明も詩的表現が多いため、ストーリーの把握は難しい。髭を蓄えたオジサンが多く、登場人物の見分けが難しい点も難点だ。筋や人間関係はWikipediaや公式サイトを参照して把握するのが吉で、公式情報はありがたい。とはいえ慣れてくれば、髭オジたちの行動原理は見えやすい。略奪や復讐、力のある者が勝つ、神の名で食料や酒を得るといった動機が立ち現れる。だが主人公マルケータの動機はつかみにくい。自分を苦しめたミコラーシュに対してお前らが死ぬように祈ってやると宣言しつつ、心には複雑な愛情が横たわる。またコズリークの娘アレクサンドラと囚われた伯爵の息子クリスティアンは、敵対関係にありながら互いを愛し合う。争い、家族、信仰、あるいは性の束縛によって不自由に生きる人々の中で、父に見放され信仰も捨てたマルケータが、最後は孤独の中で微笑みながら歩む姿は、いちばん不自由だった彼女がいちばん自由になる瞬間だと感じられる。カメラは手持ち撮影を多用し、動きは非常にアクティブ。光に満ちた修道院、白と黒い狼の群れ、暗い小屋の中で蠢く強い表情など、コマごとに構図と濃淡が鋭く決まり、執念を感じさせる映像だ。観る者に満足感を与える。人々の不気味な笑い、肉を焼く光景など、存在の濃密さと猥雑さが描かれ、度々挿入される賛美歌風の音楽と寒冷な自然風景が崇高さを添える。動物の象徴表現も多く、エルトポや神々の黄昏を連想させる場面もあるが、暴力や露悪的な描写は比較的控えめだ。
21世紀の価値観と相容れない描写が多いが、13世紀の文脈ではそれが当たり前だったのかもしれない。タイトルにも名を連ねるマルケータの存在感は薄い。さらに、この時代にマルケータの父と兄(名前は忘れた)が生かされていたことには驚かされる。