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ガメラ3 邪神＜イリス＞覚醒の感想＆レビュー

1. 影造

   2025年12月2日

   間違いなく、平成怪獣映画の最高傑作のひとつ。ガメラが地球の意思として行動する一方で、人間との絆をどう捨てきれない曖昧な理念を抱え、ギャオスとの戦いに挑む姿は、地球の守り神としての苦悩を強く感じさせる。怪獣の戦いは必ず都市へ破壊と被害をもたらす。前作には描かれなかったリアルな描写が、ガメラを敵性として観客に認識させる材料となり、本作は従来のガメラ像を見直すきっかけを作っている。リアルな描写が、都市を破壊し人類へ害を及ぼす怪獣としての側面を浮かび上がらせ、もし都市に現れればこうなるという現実味を観る者に提示して、作品へ強く引き込むスパイスになっている。ギャオスの亜種であるイリスと彩奈の出会いが生む破壊と悲劇は、必ずしもガメラが人類に幸福をもたらす存在ではないことを映し出す。彩奈が家族を失った復讐心からイリスを目覚めさせ、さらなる悲劇を招く。憎しみの連鎖が今回の破壊を生んだと言えるだろう。怪獣という存在は、正義と破壊の板挟みで難しい役割を背負う存在として描かれている。本作は、さまざまな因果が絡み合う傑作であり、前作をも越えるリアルな怪獣映画として完成した神作だ。私は今もこの作品に魅了され続けており、色あせない魅力には心から賞賛を送りたい。

2. まるちっぽ

   2025年10月30日

   ガメラは、昭和の時代に子供たちを何度も救ってきた亀の怪獣だ。灯台から落ちそうな子供を救ったり、宇宙へ連れ去られた子供を助けるために他の星で怪獣と戦ったりする彼の姿は忘れられない。ただ、ガメラの行動によって不幸になった子供が描かれたことはなかったが、ギャオスやレギオンとの戦いを思えば、想像するに難くない。そんな中、「ガメラ3 邪神イリス降臨」がついに登場。レギオンの戦いのときと同様に聖書を引用し、敵怪獣の名前は非常に格好良い。ギャオスは子供に「ギャオー」と名付けられ、今頃は草葉の陰で泣いているに違いない。ストーリーの中心は、ガメラに家族を奪われた美少女。田舎でいじめられ、祠に追い立てられた彼女はそこで不思議な卵を見つける。実はその卵はギャオスの亜種で、そこから生まれたのは得体の知れない生物だった。【イリス】という名前を持つ、祠を守る神職の少年は美少女に恋心を抱いており、彼女を守ろうとしながら【イリス】を発見。まるで漫画のような伝奇ミステリーである。ガメラシリーズの中では異色だが、1999年制作ということもあり、世紀末の雰囲気が漂う。諸星大二郎や星野之宣風の展開も見受けられ、金子修介の趣向が感じられる。平成ガメラのヒロインたちが一堂に会し、京都で熱いバトルが繰り広げられる。物語は丁寧に描かれており、楽しめる要素も多い。特に仲間由紀恵がイリスにやられるシーンは印象的だ。イリスがガメラの右手に針を刺しエネルギーを吸収する場面では、ガメラが自分の手を切り離す。痛々しいこの展開に、彼が戦う理由を問わずにはいられない。さらに、イリスの腹に手を突っ込んで綾奈を救おうとするシーンには心を打たれた。ガメラは子供を救うために命を懸ける存在なのだ。前作「ガメラ2 レギオン襲来」は傑作だが、子供との関わりは薄かった。子供たちが死にかけたガメラを信じて祈り復活させるシーンが印象的だったが、ガメラのヒーローとしてのイメージは、第一作における子供を助ける姿に集約されている。ガメラの戦いは、ここから続いていく。終末のラッパが鳴り響き、ギャオスが京都に迫る中、自衛隊も覚悟を決めて人間とガメラが共闘する。終末感漂うラストながら、ゴジラ2000ほどの絶望感はない。なぜなら、まだガメラと自衛隊が戦っているからだ。深い余韻を感じさせる、良いエンディングだった。

3. zxcv8

   2025年10月19日

   ネタバレ注意️

   ・ガメラを憎むのは逆恨みじゃないか？母親はのんびりして猫を呼び、父親はカメラで撮影ばかり。車に娘が残っているのに早々に避難した両親には、自業自得の感が否めない。百歩譲って子どもだから憎むのは理解できるが、ガメラを倒すために未知の生き物を育てるのは許容外だ。何を食べるのか、大きくなるのか全く分からない生き物に名前をつけ、自分の願いをかなえてくれると盲目的に信じるのは、10代特有の痛さを感じてイライラした。結局生き残ったけど、今後の厳しい人生が想像できる。彼女の無分別な行動で多くの人が犠牲になってしまった。
   ・ガメラは巨大な体を持ち、普通に動くだけでも周囲に大きな被害をもたらすのは仕方ない部分もあるのでは？毎回、人類が「殺せ！」から「やっぱり良い奴かも」に翻意する様子は非常に滑稽。そんな中、律儀に戦ってくれる聖人のような怪獣ガメラ。
   ・八嶋智人や伊集院光（警官役）、仲間由紀恵（襲われてミイラのようになる女性）、生瀬勝久、草野仁（テレビ番組の司会者）、上川隆也（自衛官？）と、脇役が異常に豪華なのが面白い。
   仲間由紀恵は本当に美しい。
   ・蘇生の方法は正しいの？お腹を圧迫して意味があるの？笑

4. みにまむ

   2025年10月13日

   ボロボロになっても戦い抜くガメラはかっこよく、ウルトラマンティガを思わせるスピード感が魅力だ。

5. たなか

   2025年10月10日

   家族をガメラに奪われた少女は、身を寄せた祠で封印された古代生物と共鳴し、その存在を目覚めさせてしまう。しかし、登場人物たちがなぜそこまでガメラに執着するのか、その意図が明確ではない。過去作に縛られず、序盤は土着ホラーの方向性で集中してほしかった。

6. 中平一樹

   2025年9月24日

   平成ガメラシリーズの第3作目。第1作で登場した中山忍が再登場し、藤谷文子も続投しています。仲間由紀恵、前田亜季、前田愛の姉妹も出演（愛は第2作にも登場）。今作は1と2とは異なり、女性キャラクターに焦点を当て、少しホラーの要素も取り入れられています。ストーリーとしては第2作が好みですが、戦闘シーンは圧倒的に素晴らしかった。イリス（ギャオスの変異体とも言われる）は邪神とも称され、強敵として登場しましたが、彼のフォルムにはエヴァンゲリオンの雰囲気も感じられました。

7. 日野優太

   2025年9月18日

   25.9.16 Blu-ray 2 は想像以上に面白かった。被害の規模を踏まえると、ガメラを敵と捉える視点は新鮮だが、昭和のように子供を主役に据える作りだと再度の興奮が薄れる場面もあった。特に同級生の男子が刃物で何かできるのかというツッコミを入れたくなるシーンは痛い。イリスのデザインはウルトラマン風の趣を感じ、夜空に輝くシーンはとても美しい。序盤と中盤の形態は正直、気持ち悪さを感じる。カタツムリのようにも見えるかも本当にギャオスの変異種なのかという疑問を抱く瞬間も。結末のトドメ、バニシングフィストの演出は格好良く、拳の描写が漫画っぽくて好み。今回もガメラがボロボロになる描写が魅力的だが、勾玉設定だけはどうしても好きになれない。序盤の渋谷周辺の消滅描写は個人的には好み。ラストもとても気に入っていて、解釈次第ではバッドエンドにも捉えられるだろう。人類が力を結集してもあの数で勝てるのかという疑問は残るが、この作品はレギオン優勝に影響を与えた存在として評価されている。

8. 山根和典

   2025年9月18日

   平成ガメラシリーズ三部作の完結編として公開された本作は、当時かなりの論争を呼んだ作品でもあります。ホラー性が強まり、子どもにはとっつきにくさを感じさせる面があった一方で、特撮怪獣映画としての衝撃度はこれまでのシリーズを超えるものがありました。ストーリー面でも従来の怪獣映画の枠を越える要素が散見され、オカルト寄りの表現が前作以上に目立つ印象でしたが、そこに迷走感を感じる向きもありました。

9. ズワイガニ

   2025年9月10日

   2作目でガメラと共闘した流れを受けて、3作目で一体何を描くのかと興味津々だった。冒頭は、ヒーローの活躍によって被害を受ける市民から疎まれるという、ヒーローものの鉄板ストーリーで始まり、正直かなり驚かされた。ガメラ憎しの流れがここまで徹底されるのは意外だったが、子どもの視点の選択としては自然さも感じられる。難しい展開から始まるせいで少しゴチャついた印象はあったが、ラストのガメラ対イリスは激アツだった。CGの進化を強く感じる一方で、特撮の良さもしっかりと味わえる良作だった。右手を失いながらも左手でビームを受けつつぶんと殴るシーンは、特に熱かった。

10. にわとり

    2025年9月7日

    怪獣といえばゴジラが真っ先に思い浮かぶ人が多いけれど、ガメラももっとフィーチャーされるべきだと思う。とはいえ、視点は誰なのか？

11. 鈴木二郎

    2025年9月5日

    金子修介監督による「ガメラ」の第3作。物語の中心には女性が据えられており、男性の存在感は控えめです。中山忍、前田愛、藤谷文子、安藤希、仲間由紀恵、前田亜季といった豪華なキャストが揃っています。
    ビレッジ2にて上映中。

12. 鬼雀

    2025年8月31日

    初代ゴジラ映画のように、人々の痛みが全編にわたって重く漂っている。ガメラの目が徐々に馬や象のようにどこか悲しげに見えてくる。ラストで「The absolute guardian of the universe」との言葉が出てくるのが胸に響く。