「龍が如く6 命の詩。」発売前日! 主要キャストが全員出席できた奇跡の完成披露会参加レポート

先週12月7日(水)の午後、TOHOシネマズ新宿で発売を翌日に控えた「龍が如く6 命の詩。 完成披露会」が行なわれた。今回の完成披露会は、報道陣だけでなく、長年のシリーズのファンや主要キャストのファンの方など、一般人も大勢招待されており、よりいっそうの賑わいを見せていた。
大勢の注目が集まる中、司会のガダルカナル・タカ氏と中嶋美和子氏が声掛けした後、シリーズ総合監督の名越稔洋氏が檀上に現れた。
 

 
大きな拍手で迎えられ、ここから名越氏に対し、司会からの質問がいくつか投げられる。
 
――とうとう、ファンの方も待ち望んでいたこの日がやってきました。
 
名越「発売自体は明日なんですが、1日早い今日を完成披露会とさせて頂きました。シリーズももう11年目となり、本当に長いシリーズとして皆様に愛され続けるようになったのは、本当に嬉しいですし、何よりもありがたい話だと思っております。今日という日が迎えられたことは本当に感慨深いです」
 
――これだけの作品を年1本というペースで作っていくというのは、恐らく開発スタッフの皆さん、制作の皆さん、血のにじむような努力をされた大変な結果だと思うのですけども。総合監督としてもその辺はかなり厳しいものがあったのではないでしょうか。
 
名越「1年に1本発売するというのは、常識的に考えると他のどののコンテンツでもなかなか無いことなんですけども、それを続けてこられたのは、皆様に愛されて求めていただいたことに対して“我々も期待に応えなきゃ”という気合いだと思います。それで何とかここまでやってこられました」
 
ここで、今回の完成披露会のために用意されたPVが流れる。
TOHOシネマズの巨大なスクリーンに映された映像は非常にリアルで、BGMとして流れた山下達郎氏の歌もまた素晴らしいものだった。司会のガダルカナル・タカ氏らから感嘆の声があがる。
 
――これはCG……なんですよね?
 
名越「はい。何よりこの映像はゲームのままなんですけど、こういう大きいスクリーンに出しても我ながら耐えうるクオリティなのは嬉しいですね」
 
――瞳の中の光とか動くときのスーツのしわとかアングルとか、非常に計算されて素晴らしいですね。リアルを追求していくとここまで……。
 
名越「ふだんゲームをやる方もそうですが、あまり最近ゲームを見てらっしゃらない方も、最近のゲームはこんなにすごいと思っていただけるかと思います」
 
――音楽は山下達郎さんなんですね。
 
名越「耳に入ってくる段階で、誰にも説明不要なアーティストで。どうしても今回「命の詩。」というテーマもありまして、今までたくさんの著名なアーティストの方にお願いしてきたんですが、やっぱりテイストとしてロックが多かったんです。『龍が如く』は見た目にパンチのある映像の反面、その裏側にある感動的なテーマがあり、その両面があって愛されているコンテンツなので。今回は感動的なテーマの方を表に出して、捉えていってもらえるアーティストの方にお願いしたいということで。世代というのもありますけども、ぜひ山下達郎さんにお願いしたいなと」
 
――オファーしたときにすぐに快く受けていただけましたか。それとも何日か監禁して……。
 
名越「いやいやいや(笑)。そんなことはしてないですよ。ただ、「どうして自分なのか」とか「どういうことがしたいのか」というのは何回もやり取りをさせていただきながら、最終的に絵と両方はめたものを提案させていただいたんですよ。そうしたうえで「あっ、理解しました」となって受けていただいたんです」
 
そんなやりとりが続いた後、いよいよ主要キャストの豪華出演陣が檀上にあがった。
 

 
左から桐生一馬役の黒田崇矢氏、宇佐美勇太役の藤原竜也氏、染谷巧役の小栗旬氏、広瀬徹役のビートたけし氏、笠原清美役の真木よう子氏、巌見恒雄役の大森南朋氏、南雲剛役の宮迫博之氏、名越稔洋総合監督が並び、錚々たるメンバーが揃った。
司会のふたりが、それぞれの出演者に話を聞いていく。
 
――桐生一馬のシリーズ最終章ということなんですが、演じるうえで気持ちに違いがあったんじゃないでしょうか。
 

 
黒田「桐生一馬って20歳くらいから48歳まで演じさせていただいているんですけど、その間にさまざまな事件とかいろんなことが起きて経験値も増えていってるんで、1本1本深みみたいなものが増していければいいなって思いながら演じました。あとは、桐生って最初から一貫して変わっていない正義感みたいなものとか、絶対に動かない性格みたいなものもあって、そっちはそのまんま。あるところでは深みとかそういうものが出てくるといいなと思いながら頑張りました」
 
――作品と同じような時間を過ごしてきて、桐生が大人になっていくように演じる側としても同じように歳をとっていくわけですもんね。
 
黒田「だから私が大人になれていればいいんですが、ただまあ10何年演じさせていただいたんで、常日頃から桐生っていうのは頭の片隅にあります」
 
――藤原さんは『龍が如く3』にも出演されていますが、今回気持ちの変化はありましたか?
 

 
藤原「本当に嬉しかったです。特にこの『龍が如く6』では、前作では声だけでしたけれども、何か不思議な感じでしたね。僕が『6』に出演できるんだという喜びと、非常に興奮したことを覚えていますね。あと、今回宮迫さんと本当に一緒にいるシーンが多いんですけども、宮迫さんが先に声を入れていてくれたので、芝居というか言葉を交わすやり取りだったので楽しみながらやらせてもらいました」
 
――自分のCGに対して声を入れるというのはあまりないですもんね。
 
藤原「不思議な感じでしたね。難しかったですけど貴重な体験になったので、非常に楽しみです」
 
――小栗さんは初代の『龍が如く』からプレイされているということで、この作品のプレイヤー側からの良さというか……。
 

 
小栗「もちろん大筋のストーリーも面白いんですけど、いろんなサブゲームがあって、本編を忘れてそっちばっかりやってしまうということもあったりで。いつも楽しいなと思ってやってるんですけど、いちども達成率が100%になったことがなくて、あとは何をすれば100%になるんだろうと……。見落としてるものがけっこういっぱいあったりして」
 
――ということは、今回に関しては絶対に100%を目指さないといけないということですね。
 
小栗「そうですね。今回こちらで声をやらせてもらって、皆さんにお会いできたので、すごく難しいこっそり隠れたものを聞き出しながらやりたいなと」
 
――初めてこういったゲームの中でしっかり演技をやられたと思うんですが、ご自身で映画を撮られていますけど
も、映画とゲームの相違点や共通点などあれば教えていただきたいんですけども。
 

 
たけし「いやー、こっちの方が楽ですね。俺はセリフ読んで、いろいろわっとやってくれて、アクションなんかも作ってくれるんで。俺は本当は下手ですから。これうまいねー」
 
――アッハッハッハ。確かにそうですね。ご自身が監督をやるとなるとロケーションを探すところから全部行かれますし、脚本を書き上げるのが大変ですしね、
 
たけし「いや、よく作ったねこれ」
 
――じゃあもし次に話があったら、楽だったらぜひ……。
 
たけし「監督とはカラオケ屋でよく会ってね。いいシャンパン飲ませてもらって、「ああこれだけ儲かるなら俺も出よう」っていう。本当にそれで十分なんで、ギャラまで出るっていうしね」
 
――いやもっと感動的なストーリーとかは……。
 
宮迫「僕、監督に聞いたんですけどこれ事実らしいですよ。カラオケ屋で決まったらしいです、この話」
 
たけし「私も自慢じゃないけどね、日本一のクソゲーっていうの作ったことありまして」
 
――あれはもう伝説になってますよね、『たけしの挑戦状』。
 
たけし「子どもが泣き出したっていうね。親がクレームつけて社会問題になったというクソゲーを作りましたけど、今プレミアがついて。それに比べればいかに両方とも貴重かっていうのがわかりますよね。究極の究極と。
――あの当時全国の子どもが競うように買って、みんなで「信じられない」って言ってましたからね」
 
宮迫「あの、当時買った男がここにいますよ(笑)」
 
――真木さんは「スナック清美」のママ役で出られていますが、これまでスナックのママを演じたことはあるんですか?
 

 
真木「ないです(小声で)」
宮迫「今ちょっと風邪気味らしいです」
真木「申し訳ありません、声が出なくなってしまって」
 
――大森さんは『龍が如く6』のオファーを受けたとき、どんなお気持ちでしたか?
 

 
大森「いやー嬉しかったです。長い歴史のあるゲームで、いろんな俳優の方々が出てこられたりして。今回もすごいキャスティングで、まさか僕が呼んでいただけるとは思いませんでした」
 
――実際にゲームのキャラクターを演じられてみていかがでしたか。
 
大森「セリフを覚えなくていいというのは楽は楽なんですけど、いっぱい感情とか声のトーンのパターンなんかを録らなくちゃいけないので、「こんなにたくさん録るものなんだ」と思いましたね」
 
――実写と違って声の入れ方が大変じゃないですか。
 
大森「でも、いろんなパターンを録ってもらえば、いちばんいいところをはめてもらえるんじゃないかって。何かすいません、楽なんて話しちゃって(笑)」
 
――宮迫さんの演技、いや~迫力ありますね。広島弁もすっと入ってくるし、しっかり練習されたんだろうなと。
 

 
宮迫「楽でした(笑)。……いや、楽じゃなかったんですよ! 映像観られて皆さんわかったと思うんですけど、広島弁をちゃんとしゃべってるの僕だけなんですよね。広島のヤクザの組員なんです。だから、方言指導の方がべったりついて。しかも大阪弁と広島弁ってちょっと似てるので、つい大阪弁になってしまって、方言指導の先生にすごく長く一生懸命、ものすごく大変な時間を要して僕はやったんです。で、フタを開けてみたら組長が標準語やったんです。衝撃的でした」
 
――言われてみれば完全に標準語でしたね。
 
宮迫「先ほど登壇前に組長に聞いたんです。「組長、最初から標準語で行く感じだったんですか」って。そしたら「できるわけねぇじゃねぇか、広島弁なんて」て。なぜ僕だけって(笑)」
 
――それは大変でしたね。横で総合監督が笑っていますけども。
 
名越「そのへんの大変さを一手に担っていただいたのはありまして。広島弁と尾道弁とふたり方言指導の方をつけてですね、どっちかの方がOKしてもどっちかの方が「いや違う」って」
 
宮迫「全部ふたりに見ていただいてやってたんです。一生懸命やってたんです。いざ映像観たらほとんど標準語なんですね、他の人が。辛い! のちのちホンマの広島弁の方とかね、「全然できてない」とかツィッターで言われるんですよ。頑張ったのに!」
 
――宮迫さんは『龍が如く3』にも出られたんですよね。情報によると、もっとかっこいい役がやりたいというので今回決まったということなんですけど。
 
宮迫「そうなんです。『3』のときはつるっぱげの巨漢のセックス大好きな役だったんです。それがちょっとイヤやったんで、いい役をやらせてくれと」
 
――今回『6』でこの役を演じてみていかがでしたか。
 
宮迫「かっこいい男ではないんですけど、熱血漢ですごく正義感のあるいい役だったので。しかも、何よりたけし軍団でもないのにたけしさんの子分をやれるっていう光栄なことが、本当に夢のようでした。
――そんな尊敬しているたけしさんが、「できるわけねぇだろ」って広島弁をすぐあきらめるっていう(笑)。
初めて僕が応援したおやっさんは標準語でした」
 
そこから全員でちょっとした話で盛り上がったところで、残念ながら終了の時間がきてしまう。
そして、名越シリーズ総監督の一言で、今回の完成披露会の幕が下りた。
 

 
名越「本日はまことにお越しいただきありがとうございました。あっという間に終わってしまってちょっと寂しい気もするんですけど、かつてない豪華なキャストを出させていただいたにもかかわらず、完成披露会で完璧に全員が揃うのは初めてでして……。そういう意味でも今日は本当に感激しております。
『龍が如く』シリーズは会場にいらっしゃっているファンの方々や関係者の皆様なくして、今日という日を迎えることはできなかったと思います。この場を借りて厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました」
 
今回も懇親の快作となっているとのこと。
筆者も、年末年始にぜひプレイしたいと思っている。
 
■「龍が如く6 命の詩。」公式サイト
 http://ryu-ga-gotoku.com/six/